家を買う。大抵の人にとって人生にそう何度もない大きな決断でしょう。
家を売る仕事であるハウスメーカーの営業は、お客様の人生の転機に深く関わる重要な仕事です。
住宅展示場での接客はもちろん、お客様のご要望があればこちらから出向くこともあります。
まさに家を売るのがハウスメーカー営業の仕事であり、高額な商品を扱うことから、販売営業職の花形といえるかもしれません。
ですが、実はハウスメーカー営業は離職率が非常に高い仕事なのです。ハウスメーカーが常に営業職を募集しているのは、辞める人が多いことがひとつの理由です。
では、いったいなぜハウスメーカー営業の仕事を続けることは難しいのでしょうか。
今回は、ハウスメーカー営業の仕事のデメリットと、そこからの転職について、いくつか紹介してみたいと思います。
目次
ハウスメーカー営業の仕事を考える
離職率の高い仕事といわれるハウスメーカー営業ですが、どのような点が厳しいのでしょうか。
いくつか紹介してみたいと思います。
ノルマに追われて精神的に追い詰められる
営業職であれば、ある程度のノルマや売上目標を課せられることはめずらしくないかもしれません。
ですがハウスメーカー営業ではその傾向が顕著にみられます。
社内に売り上げ成績が貼り出され、目標を達成できれば褒章がもらえたり、逆に成績が悪ければ上司から厳しく叱責されたりします。
競争心を煽ってやる気を促すやりかたは、目標が達成できれば喜びもありますが、成績が悪ければ劣等感も増します。
このような形で課せられるノルマはかなりのプレッシャーで、精神的に追い詰められる人も少なくありません。
同じ職場の中で競わねばならないシステムのため、まわりをライバルに感じますし、一致団結して売り上げを上げていこうとする雰囲気は育ちません。
ノルマの重圧が精神的な負担となり、体調を崩す人もいます。
仕事が忙しくプライベートの時間がとれない
住宅展示場には日曜日や祭日に多くの人が訪れます。
住宅フェアなどの特別な展示会もやはり土日祭日に行われることが多いでしょう。
そのためハウスメーカー営業にとって休日出勤はあたりまえです。
またお客様の都合によっては、こちらから出向いていく必要があるため、自由に休みをとることは難しい仕事です。
そのため家族や友人と都合を合わせづらく、プライベートの時間を満足に取れないといった声も聞かれます。
契約を取れたあとでもトラブル対処が必要
家は安い買い物ではありません。お客様にしてみれば一生を左右する最も大きな買い物といっていいでしょう。
そのためお客様も敏感になっていますし、売買契約が完了したからといって終わりというわけにはいきません。
工事の遅延や支払いの遅れ、完成後にミスや欠陥が見つかるなど、トラブルが起きる可能性は常にあります。
お客様が日々生活する大切な家ですので、ハウスメーカーの営業には、長期的なフォローをしていく責任も課せられています。
期待に応え責任を負わなければならない
家とはそこに住む人の生活の基盤ですので、生活全体に影響を与えるとても大切な場所です。
そのためお客様は新たに購入する家に期待や理想を持っています。
ハススメーカー営業は、単に家というモノを売るだけではなく、お客様からの期待や理想に対してある程度の責任が求められる仕事です。
契約が取れたからあとは知りませんというわけにはいかないのです。
成績次第で営業の仕事を続けられなくなることも
ハウスメーカー営業は、ひとつ契約がとれれば高額な売り上げになるので、他の職種の営業と比べた場合、成果報酬が高いという面があります。
常に売り上げが好調な人であれば、高い年収を得ることも可能になります。
しかし売り上げが好調であり続けられる保証はありませんし、売り上げの成績が悪ければ仕事の大変さに見合った収入を得ることも難しくなります。
さらに悪い成績が続けば会社側から配置転換を迫られたり、さりげなく自主退職へと追い込まれるケースもあります。
長く安定した収入が得られるとは限らないのです。
個人的な交友関係に影響が出ることもある
家を買うのは大変なことなので、お客様は信頼のおける会社や営業の人でなければ契約しません。
知り合って間もない人を簡単に信用する人はいないので、新規のお客様を獲得して契約にこぎつけることは、実際にはとても大変なことです。
そのため、始めのうちはすでに信頼関係ができている知人や友人関係に営業したり、その人たちにさらに知り合いを紹介してもらうなど、身内営業ともいえる方法をとらざるを得ません。
しかしその方法でもおいそれと契約までできるものではありませんし、困ったからといってあまりにしつこく営業するようでは、知人や友人から疎まれてしまうことにもなりかねません。
無理な営業を続ければ、個人的な交友関係でも評判を落としてしまいかねません。
ハウスメーカー営業からの転職を考える
ハウスメーカーの営業を安定して長く続けられている人は、この仕事が合っている人でしょう。
転職を考える人の多くは、成績が思ったように上げられず、職場で辛い立場になっていたり、将来に不安を感じている人ではないでしょうか。
では転職を考える場合には、どのような転職先を探したらいいのでしょうか。
営業の仕事はそのままに業界を変える
ハウスメーカー営業は、他の業界の営業に比べても格段に売ることが難しい業界です。
なによりもお客様から信頼される人柄や誠実性が求められるため、ハウスメーカー営業の人には、知識やマナーなどが人一倍身についているのではないでしょうか。
ハウスメーカー営業で身についたスキルや態度は、そのまま人間的な魅力にもなりますので、同じ営業職であれば転職後も大きな利点となります。
営業職という業種はそのままに、業界を変えることで、いままでのスキルを十分に活かして仕事をしていくことが可能です。
接客業など異業種も検討してみる
営業職にこだわらずに、他の職種に目を向けてみることも有益です。
営業職でお客様と接した経験は、例えば接客業など同じようにお客様と接する仕事に活かすことができます。
お客様と話しをしつつ、好みやニーズを聞きだすコミニュケーション能力は、接客の仕事でも高く評価されます。
営業職と違ってノルマを課せられることもないので、ノルマに対する重圧にストレスを感じていた人には、楽しんで仕事ができるかもしれません。
どんな仕事があるのわからない人には
転職を考えてみたいけど、他にどんな仕事があるのかわからないという人もいると思います。
そのような場合は、まず転職フェアやイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
フェアやイベントには、働く人を求めるさまざまな業界が参加していますので、視野を広げるよい機会になると思います。
また転職エージェントを利用してみることもおすすめします。
転職エージェントは求人情報誌と比べても多くの情報を持っていますし、キャリアコンサルタントによる就職支援のサポートを受けることができますので、希望の転職を成功させる助けとなるはずです。
無料で利用できますので、転職を考えるなら転職エージェントを活用してみてください。
転職のために行動してみよう
ハウスメーカー営業は、お客様の人生の大切な転機に関わるやりがいのある仕事でしょう。
その反面、仕事の内容は過酷ですし、さまざまなプレッシャーに耐えていく力が必要になります。
安定して成績を上げていかなければ先行きの不安な仕事でもありますので、ハウスメーカー営業の仕事を辛いと感じているのであれば、転職することを検討してはいかがでしょうか。
まずは動き出してみることが、長く安定した仕事を見つけるために必要です。