2歳前後になると始まる「イヤイヤ期」に頭を悩ませるお母さんも多いと思います。
「反抗期なんて、こんなもんだろ」とのんきなお父さん、「あら、始まったわね。かわいい」と笑顔のおばあちゃん。受け止め方は様々です。
お母さんにはストレスが溜まってしまいがちな、イヤイヤ期の対策はどうしたらいいのでしょうか?
欧米での対策
日本では子どもは親や家庭に属するものとされています。
何かあるとすぐに「親は何をしているんだ」と言われます。それが成人した子供であってもずっとつきまとってしまうことも多いです。
しかし、欧米では日本と違い子どもは独立した人間として扱われます。
欧米で多く取り入れられ、日本でも取り入れている人がいるのが「タイムアウト」という方法です。親の目が届く安全な場所に「子どもの年齢×1分間」立たせて反省を促すというものです。
なんだか昭和の時代の小学校、幼稚園の「廊下に立ってなさい」を思い出しますが、今思えば合理的な方法なのかもしれません。
日本では「やってみたけどうまくいかない」ということも数多くみられます。言葉の通じにくい2歳前後の子どもなら大変かもしれません。
それでも「しつける側が落ち着くこと」や「何がダメなのか、分かるように教える」のは大切です。
イヤイヤ期を乗り切るには
「イヤイヤ期」は子どもの成長にとって大切な時期です。
ついつい周りの大人の都合にばかり合わせていないでしょうか。周りの大人が矛盾していては、子どもは訳が分からずますますパニックになって泣いてしまいます。
まずは子どもと一緒にルールを決めましょう。危険なことは絵や記号などで分かりやすく伝えましょう。
「熱いからさわらない」「落ちたら危ないから登らない」など、理由も都度伝えましょう。
ただ「ダメ」というのは「それはどうして」という気持ちにつながってしまい、子どもにとって分かりにくいものになってしまいます。
子どもへの接し方
「イヤイヤ」は、「自分でやりたいの」や「絶対にこれがいいの」という気持ちが多くあります。
声をかけて「○○がしたいのね」「○○がいいのね」と気持ちを代弁して、その上で「今、出してあげるね」や「今は○○の時間だから、○時になったらね」と言いましょう。
それでも泣いて訴えるときには「今はできません」「今は○○の時間です」と言い、時間が来るまで要求をとおさないようにします。
他のことで気を紛らわせると泣き止むこともあります。「先におやつにしようね。おやつは○○だよ」「保育園で今日はプールだよ」など。
ルールを決めたら、外出先でもその主義を貫いてください。
この時期は、精神的負担になるので、気分転換のつもりの外出がかえって疲れて帰ってきたりもしてしまいます。子どもと一緒の外出は家族サービスと割り切ったほうが楽です。
他の家族にも協力をしてもらう
両親と同居していたり、近くに住んでいる家族の協力が得られるときには甘えてしまいましょう。
子どもにとっては、親の用事に付き合わされて退屈な上に、何も買ってもらえない、無報酬労働なのです。どうしても、用事に付き合ってもらわなければならないときには、お菓子やシール、スタンプなどごほうびを用意してあげましょう。
また、子どもが言うことを聞かない状況で、まわりの目が気になってしまったとしても、自分の中で重要な事は何かはっきりしていれば毅然とした態度で子どもに接することができます。
見ず知らずの他人の親子に理不尽な説教をするような人と、自分自身と、どちらが正しいかそんな時はまわりから見てもわかるものです。
登園前の修羅場を乗り切るには
朝の忙しいときに限って「イヤイヤ」が始まってしまう、よくありますね。子どもを叱り、子どもがますますヒートアップし、まさに修羅場の光景です。
時間はかかりますが、そんなピンチもチャンスに変えることができます。
子どもにとってどうしてお母さんが怒るのか、どうして急がなければならないのか、そこから教えなければ分かりません。
「何時までに○○に行かなくちゃならないの」「ママが怒られちゃう。お給料もらえないとおやつが買えないよ。たすけて」と具体的に教えると、少しずつ分かり始めます。
出発の時間を決めてその時間までに家を出るというのが約束なら、子どもと約束してその通りにしましょう。
「テレビの天気予報が終わったら消してお着替え」など出発前の儀式があると子どもも納得しやすくなります。
そして成長とともに、毎日の支度が自分で判断してできるようになってきます。
小学校に入る前はとても大切なことです。できるようになったら、たくさんほめてあげることも忘れないでください。