紳士服業界は、スーツの販売が低迷していることもあり将来が不安視されています。
新しい事業を行うなどして利益を出している企業も中にはありますが、企業体質はそれほど変わっていないのが現実でしょう。
そんな紳士服業界の今後について、現状と合わせて見ていきましょう。
現在紳士服業界で働いている人、今後働く予定でいる人は、この記事を見て今一度考えてみてください。
目次
紳士服業界の現状と将来性
人口減少や少子高齢化、働き方などの時代変化により、スーツ需要は年々減りつつあります。
クールビズなどが浸透したことでさらに需要は減りましたし、団塊の世代などスーツを何着も持つのが当然だった人たちも退職したことで販売数はますます減っていくでしょう。
今後需要が増えることは考えづらいスーツ、それを販売する紳士服業界は将来はどうなっていくのでしょうか。
スーツを着なくても働ける社会になった
働き方が多様化し、在宅ワークやノマドワーカーなど、出社せずに働ける仕事が増えてきています。
場所を選ばない働き方は、スーツを必要としないことがほとんどです。
また、IT業界やベンチャー業界など、自由な社風の企業も増えてきて、私服での勤務も可能となってきています。
就職活動自体も短くなっており、若者を中心にスーツ離れが加速しているのです。
消費者からの信頼回復はできるのか
大手紳士服企業で、実際には値引き対象の商品が残っているのにもかかわらず、売り切れたと客をだまして高額商品を売りつけたという話は記憶に新しいでしょう。
それ以外にも、街中では開店・閉店セールを何度も見かけますよね。
同じ場所の店が何度も繰り返すセールに、疑問を感じる消費者も多いでしょう。
これらの状況を考えても、紳士服業界が迷走していることは明らかで、一度失った信頼を取り戻すことは容易ではありません。
タレントやモデルを起用しての宣伝、女性向けスーツの販売など、効果はあっても信頼につながるかといえばそうではないでしょう。
誠実な対応だけでなく、今までにないアイデアなど、紳士服業界が求められているものは非常に厳しいものとなっています。
業界内で加速する競争
紳士服業界では、大手数社が生き残りをかけて様々な戦略を仕掛けています。
そのため、価格競争をはじめ、顧客を増やそうと強引な接客をしてくる店もあるでしょう。
生き残るための競争が、結果的には消費者にマイナスとなる可能性もあります。
ただでさえ需要が減っている中、このままでは紳士服業界全体が衰退していってしまうでしょう。
厳しいノルマが課せられることも
紳士服業界では、厳しいノルマが課せられることも少なくありません。
しかし、何点も買う商品ではないですし、平日の店内の状況を見ても売り上げを伸ばすことは至難の業でしょう。
それに加え、以前からパワハラ体質を指摘されている業界です。
プレッシャーや達成できないノルマに耐えられず、せっかくの優秀な人材が業界を離れていくということもあります。
将来的にも給料は上がらない可能性あり
これだけ厳しい紳士服業界ですが、たとえ大手でも給料はそれほど多くはありません。
また、スーツの需要が減ってきていることもあり、今後業界自体が衰退していくことが考えられますから、給料が上がることは期待できないでしょう。
日本の将来は、経済の先行き不安や年金制度の崩壊など、不安要素が山積みです。
将来の給料が期待できないということは、自分の老後が不安定ということにもなりますから、非常に深刻な問題と言えるでしょう。
紳士服業界から転職するにはどこがおすすめ？
さて、先行き不安な紳士服業界、転職を考える人も多いでしょう。
それでは、どのような仕事が転職先として向いているのでしょうか。
百貨店やアパレル関係の仕事
紳士服業界での知識や経験を活かしたいのであれば、百貨店やアパレルの仕事がおすすめです。
紳士服を取り扱っている百貨店や衣料品を扱うお店などなら、即戦力として重宝されるでしょう。
ただし、これらの業界に転職する際は、時代の流れに柔軟に対応している会社を選ぶことが重要です。
たとえば、ネット販売など多様化する購買スタイルに対応できている会社などはおすすめできます。
また、百貨店なども今後は厳しい状況になっていきますから、地元に強く将来性がある店を選ぶようにしましょう。
接客のスキルを活かせる仕事
服飾関係の業界でなくても、おすすめできる仕事はあります。
それは、接客を活かせる仕事です。
スーツは、老若男女問わず幅広い世代の方が購入しますから、基本的なスキルだけでなく世代ごとの接客の違いも身についているでしょう。
特に、高齢化社会となっている日本において、年配の方に対する接客スキルはどの企業からも重宝されます。
落ち着いて冷静な接客ができるということを、しっかりとアピールしましょう。
ただし、希望する業界ごとに求められるものは異なります。
どの接客スキルが面接する企業に合っているのか見極めて、具体的なエピソードも添えながらアピールしていくとよいでしょう。
ノルマが苦でない人は営業の仕事も向いている
厳しいノルマを課せられていた人もいるでしょう。
その中で、自分の勧めた商品が売れたり、売り上げが伸びたりすることに喜びを感じていた人は、営業職をおすすめします。
営業職であれば、売り上げた分報酬が上がるなど、同じようにノルマがあってもやる気が違ってくるはずです。
頑張りが給料に反映される仕事であれば、やりがいを持って働けるでしょう。
異業種・異業界へ転職したいのであれば早めに行動を
接客、または服飾関係の仕事以外へ転職するのであれば、できるだけ早く行動することが大事です。
新しい業界であれば未経験という立場になりますから、年齢が上がるほど不利になります。
まずは、転職エージェントに登録してみてはいかがでしょうか。
豊富な求人の中から希望の仕事を探すことができますし、仕事をしながらでも無理なく転職活動をすることが可能になります。
転職フェアなどのイベントへ行けば、他業種など新しい仕事に触れるチャンスもあります。
将来を考え始めた今が行動する時です。
無料の転職エージェントに登録して、転職を成功させましょう。
紳士服業界から抜け出し、将来性のある仕事へ
紳士服業界の現状、理解いただけましたか？
今後ますます厳しくなっていく紳士服業界、将来を考えたら、早めの行動が重要となってきます。
異業種も含めて、将来性のある仕事への転職をおすすめします。