小学一年生で行き渋りや登校拒否になってしまう子どもは珍しくありません。
幼稚園時代あんなに楽しみにしていた小学校に、なぜ行けなくなってしまうのでしょうか。
今回は小学一年生の登校拒否について考えていきます。
目次
一年生はなぜ不登校になってしまうのか
小学一年生になった子どもがどうして学校に行けなくなってしまうのか。
その大きな理由として幼稚園や保育園から小学校への環境の変化が挙げられます。
一日の大半を遊んで過ごしていた子どもたちは小学校に上がると急にイスに正しい姿勢で座り長時間勉強をしなければいけません。
始めは学校がどんなものか分からずに期待に胸膨らませていた子どもたちも、実際の学校生活とのギャップに戸惑ってしまうのです。
母親と離れることへの不安
親や大人に送迎をしてもらっていた安全な幼稚園時代でしたが、小学校になると一人で学校に通わなければなりません。
集団登校など近所のお兄さんお姉さんは一緒ですが、はじめはそんな集団すら不安を感じることになるでしょう。
特に幼稚園に通っていたお子さんはお母さんと離れる時間が急に長くなるため、不安を感じることが多くなります。
お母さんに触っていると安心するという経験は大人になっても持つ方は多いのではないでしょうか。
なんとなく安心する母親という存在に触れられない時間が子どもの不安を大きくします。
教師との距離
幼稚園時代はみんなが先生を取り合いべったりと密な時間を過ごしています。
抱っこすることもあれば、抱きしめて安心させることも多いでしょう。
良いことをすればたくさん褒められるし、小さな話も親身に聞いてくれるのが園時代です。
しかし小学校に上がると、一クラスの人数も増え先生との距離も全く違うものとなります。
担任の先生に誤解されて怒られてしまったなど、信頼関係が気づけず学校に行けなくなってしまう子も少なくありません。
友達関係とのトラブルなども良くあることです。
しかしそのトラブルを教師にうまく説明できない、自分ばかり怒られるなど、理不尽な思いを抱えていしまうこともあります。
学校や教室への漠然とした不安
一年生が登校拒否になってしまう原因として、本人にも明確な理由が分かっていないこともあります。
漠然と学校が怖い、教室が怖いと思ってしまうことがあります。
他人の目が少しずつ気になり出す子もいます。
また、学校での失敗体験や先生に怒られた経験などがトラウマとなり学校に恐怖を感じてしまうこともあります。
どんな対応をすればいいのか
ここまで小学校一年生が登校拒否になる原因について考えてきました。
では続いて、どんな対応をしていけばいいのかを見ていきましょう。
思いきって休ませる
学校を休ませると休み癖がついて良くないのは?という思いから、泣き叫ぶ子どもをひっぱってでも登校させようとする親御さんもいます。
帰宅すると子どもはケロっとしており、平気な様子です。
しかし朝になると毎日のように「学校に行きたくない」と泣き叫びます。
このような場合、無理に学校に行かせるだけでいいのでしょうか。
もちろん長期休むことになると困るのですが、ただ学校に行かせるだけでは子どもの不安はますます大きくなるばかりです。
その場合は思いきって休ませてみましょう。
子どもが安心できる場所が家であるということは当然のことながら大切なことでもあります。
まずは、家でゆっくり休むことができるのだということを覚えさせましょう。
学校を休んで家にいると退屈になってきて学校に行きたいと思うこともあります。
家や母親のそばで安心して充電させてあげることも大事なことです。
学校に行く必要がないとは言わない
学校を思い切って休ませてみましょうとご提案しましが、「学校を休ませる=学校に行く必要がない」ではありません。
子どもに与える選択肢は「学校に行ってもいい」「学校を休んでもいい」にしましょう。
学校には行く必要がないと言うと、学校には行く価値がないと解釈してしまう子どももいます。
学校の大切さや必要性はしっかりと残しつつ、選択を子ども自身に与えていることを理解させましょう。
どちらを選んでも大丈夫。
というスタンスで、一番近いところで見守る姿勢をとりましょう。
子どもは親に認められていると思うことで自信がついたり安心したりして、自ら学校へ行こうという気持ちになります。
休んだ分の勉強は家でサポート
学校に行けない時は自宅で子どもと机に向かう時間をとりましょう。
一年生の勉強はそう難しくありません。
しかしこの先の学習のベースとなるため、もしもつまづくようなことがあると今後の勉強に大きなマイナスとなります。
少しでも遅れてしまい、学校への不安が増えてしまわないように学校と連携して家で学習のサポートをしましょう。
また、机に向かうこと自体がしんどいお子さんもいます。
その場合は一日数分でもいいので数回に分け、イスに座って勉強する時間を作りましょう。
座って勉強できたという成功体験の回数を増やすことが大切です。
そして出来たことや頑張った時間をたくさん褒めてあげましょう。
学校では先生にもよりますが、みんなが当たり前に出来ることで褒められることは滅多にありません。
人より秀でているとか、目立つ事に対して賞賛の言葉が与えられます。
しかしお子さんと学習するときは、子どもが当たり前にできることにも目を向け頑張りを認めてあげましょう。
子どもなりに一生懸命頑張っていることかもしれません。
できて当たり前のことも、できたことはすごいこと。
頑張れば見ていてくれる人が必ずいるのだということを教えてあげましょう。
親のスキルアップにもなる子どもの登校拒否
小学一年生の登校拒否について考えてきましたがいかがでしたか?
子どもがやっと一年生にあがったと思ったら登校拒否、という事になると親御さんはものすごく不安になってしまいますよね。
一番大事な時なのにこの先大丈夫かしら?と途方に暮れてしまいます。
しかし大丈夫です。
子どもの登校拒否は子どもとじっくり向き合える絶好の機会です。
子どもの話をじっくり聞き、子どもの考えや思いを一緒になって考える時間は親の成長も促します。
子どもの良いところに目を向けることは、何気なくしているつもりでも出来ていないことが多いです。
出来て当然、学校に行って当然と思っていませんか?
そんな考えから「今日も健康でありがたい」「今日も学校に行ってくれてありがたい」「○○がとても上手」「○○に興味があるんだなあ」など子どもに関することに感謝して確認していけることは、子育てにとって大切な事だと思います。
そのため一年生の登校拒否もマイナスに捉えるのではなく、親のスキルアップのために神様が与えてくださった試練だと思ってみてはいかがでしょうか。
焦らずどっしりと構え子どもと向き合うことで、子どもの心も落ち着き、「学校に行きたい」と言ってくれるかもしれません。