高齢ニートは兄弟が引き取るべきなのか?親が居なくなった後にできる事。

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現在若者のニート・フリーターより問題になっているのが、「高齢ニート」と呼ばれる、40歳以上の働かない人たちです。

この高齢ニートに含まれるのは、

  • 病気でもなく、働けるのに働かない人
  • 親の給料・年金で生活している人
  • 親や兄弟の財産を頼りにしている人

と言った、働ける環境・体でありながらも職探しをしていないなどです。

そのため、将来の夢ために現在勉強中であったり、病気で家から出られないなどの症状を持つ場合は含まれていません。

現在高齢ニートと呼ばれる長年に渡って、働かず生き続けてきた人たちが、親を亡くした時の引き取り先です。

たとえ兄弟がいたとしても、引き取ってもらえなかったり、躊躇されることが多くなってきているのです。

今回は高齢ニートを引き取った時に起こりうる事、高齢ニートが親族にいる場合、親以外の兄弟は将来面倒を見ないといけないのか、生活保護などについて紹介していきます。

ニートの家族を引き取るか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

高齢ニートを引き取ることで起こりうる事

高齢ニートを引き取ることにより、家庭内ではこれらの事が起こる可能性が高いです。

1.家族別居

ニートの家族を引き取ることで起こる可能性が高いのは、「家族別居」という問題です。

例えば夫の弟のニートを家に引き取った場合。夫からしてみれば、ニートの弟は血のつながった存在であり、働いてなくても、何もしていなくても、大切な家族には変わりありません。

しかし妻や子どもからしてみれば、ほとんど面識のないおじさんが急に家に上がり込んでくるようなものです。これらが原因で、妻はもちろん、子どもにとってもストレスを感じる環境になってしまいます。

こういったことが原因の1つとなり、妻や子どもは最終的に別居するというパターンも存在します。

2.離婚

ニートの弟を養うという事は想像に大変です。子どもならまだしも、成人した大人は光熱費・食費、その他もろもろ出費がかさみます。

昔から一緒に育ってきた兄弟だからこそ受け入れられることも、他人となると金銭面でも精神的にも、耐えられない部分が出てきます。

まだニートと他の家族が良好な関係を築けていればいいのですが、そういった例は少なく、ほとんどのニートは煙たがられる存在として扱われています。

ニート側も家族との交流を絶ちたがる傾向があるので、良好な関係を築くことは難しいことが多いです。

その結果、耐えきれなくなった相手側の妻や夫が、最終的に離婚にまで話を発展させてしまうこともあります。

3.金銭面の問題

一般的にサラリーマンの年収は、年齢にもよりますが、300万~400万と言われています。

一般的に子どもが私立の大学や習い事に行っている場合、4人家族で年収400万ほどの人は、人一人養う人が増えるだけでも、かなり厳しいですよね。

つまり年収がこれくらいの人にとって、人を養うというのは、想像以上に大変だという事です。

家族が習い事や、お金のかかる大学や学校に行っている場合は、必ずと言っていいほど生活は厳しくなっていくでしょう。

扶養するというのは、ただ単にその人だけを引き取れば終わりというものではなく、自分の家族を犠牲にしてしまうかもしれない、という事を念頭に置いておく必要があるのです。

ニートを引き取って、生活水準が変わっても大丈夫と思えないのであれば、引き取る前にしっかり家族と話し合いましょう。

高齢ニートを持つ兄弟には、扶養義務が発生するのか

未成年は親に親権があるので扶養される対象、だが高齢ニートは・・

未成年は親に保護される対象となるので、親は子どもを扶養する義務があります。しかしもう成人している、高齢ニートはどうなのでしょうか。

一般的には、高齢ニートは未成年ではないので、親であっても必ず保護しないといけないという事はありません。

しかし民法第877条には、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある、というものがあります。つまり血のつながった家族である人は、お互いに助け合って生きていかないといけない事になります。

ただしこの法は、必ずではなく拒否することもできます。あくまでお互いを助け合うための法なので、兄弟姉妹が自分の生活すらままならない状態なら扶養する義務はありません。

生活保護を受けさせることもできる、しかし・・

他の手段として、面倒をどうしてもみたくないという場合は、高齢ニート本人に、生活保護を受けさせることもできます。

しかしその場合、生活保護を出した本人の兄弟姉妹はもちろん、配偶者までもが照会(扶養照会)を行わないといけません。

扶養照会というのは厳密に行われる収入などを明らかにする調査です。そのため自分たちの収入、そして何にどれくらいお金を使っているかなど明らかにしないといけません。

この調査のやっかいな所は、今現在の家族だけではなく、元配偶者にも扶養照会が送られてしまうことです。もう離婚している元夫、元妻にも、家族のニートがばれ、さらに調査用紙が送られてしまうことになるのです。

そして厳密な調査の結果、経済的に余裕があると判断されてしまった家族がいる場合、どうにかニートの兄弟を養えないかという話になってしまうのです。

養う側の負担が大きくなるようなら、支援しない方向で考えるべき

と言っても、どうしても扶養したくないという場合もあると思います。この場合、扶養する立場であっても、拒否することはできます。

傍からみれば「家族なんだから面倒みなさい」「払える人がいるのに、国のお金を使うな」という意見もあるかもしれません。

しかし人を養うことによって、生活がままならなくなり、お金の事で常に頭がいっぱいで、気持ちが前向きになれない。という状態は、健康な状態であるとは言えません。

他に誰も見る人がいないから私の家が引き取るではなく、少しでも不安が残るのなら、絶対に引き取らない方がいいでしょう。

一度引き取ってしまうと、家から追い出すのも大変です。相手に気を使ってしまって、何も言えなくなるようなら、最初から一緒に暮らすという選択肢はしない方が、あなた自身の人生を生きるために大切な事です。

問題は金銭面だけではない

問題は金銭面だけではありません。

扶養したニートが原因となり、家の中が滅茶苦茶になる事がよくあります。例えば夫のニートの兄を家で養うことになった場合。

夫の立場になってみると、兄は兄弟であり、そこには多少なりとも情があります。しかし妻の立場からしてみると、働きもしない見知らぬおじさんが家の中にいるのは、気持ちが悪いものです。

そのストレスは、想像以上です。上手く断れないまま、なんとなく一人くらい養えるのではないか。そういった考えからニートを引き取った結果、最終的に自分たちの家族仲が悪くなってしまうこともあるのです。

社会復帰するための手助け、程よい距離感を保つ事が大切

引き取りを検討している家族や、ニート本人にとって一番いいのは、本人が働いて自立することですよね。

そもそも本人が働いてくれれば、こういった誰が引き取るのかという話にはならないのです。

仕事を紹介し、程よい距離感を大切にする

今はニートを支援する会社はいくつもあります。無料で、相談できるところも多いです。まずはそういったものを利用させるようにしましょう。

働く気がないニート本人に仕事を探させるのは至難の業なので、近くにいる家族が見つけてあげることも大切です。

そして時には、無料相談だけではなく、家族の輪にニートを入れてあげることで、周りとの違いを感じ、自分もしっかりしないとと思えたりするものです。

どうしても家族との交流がないと、自分だけの世界に閉じこもってしまいがちです。なので周りにいる人たちが、できるだけ家族の輪に入れてあげようとすることも大切です。

家から出たくないのであれば、家の中でできる仕事を探してみたり、人に合わないような仕事を探してみたりもできるはずです。

体裁や暮らしを気にしてお金を渡さないようにする

家族の中にニートがいると知られたくないがために、まとまった額を渡してしまう事はありませんか。

しかしこのように体裁を気にして、お金を渡すようなことをしてしまうと、引きこもりを悪化させてしまう一方です。

ニートである自分の存在を、他の人に知られたくないならお金を渡せ、というような半ば脅迫のように、お金をもらおうとする人もいるからです。

契約を結ぶ

よくニートは無理に復帰させるべきではない、という意見を聞きます。確かに心に大きな傷を負っていたり、病気が原因となり現在も引きこもりを続けているなら、無理に復帰させるのは逆効果となります。

しかし、働ける状況にも関わらず、それでも誰かの手を借りたいというのは「きっと誰かが助けてくれる」という思いが強かったり、「誰かが扶養してくれる」、そういう思いが根底にあるからだと言えます。

なのでそう言った人は、期間を決めてその時までは扶養するけど、それ以降は自分だけで生活してください、というような契約を結んでおくことが大切です。

突き放しているように見えますが、「もう誰も助けないよ」というアピールをしていかないと何も変わりません。

本当にピンチにならないと、人は動き出しません。皆から見放されたという状況に気付くことで、自分から行動を始めます。

どう見ても甘えだ、どうにかして自分で生きる力を持ってほしい。そう思うなら、このような形で期間を決めて、一度突き放してみるのも手です。

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