イタリアのコーヒーの一種カプチーノ、泡のミルク入りぐらいにしか分からない人が意外に多いのです。
そこでカプチーノとは?の疑問に詳しくご説明します。自宅で楽しめるおいしいカプチーノの作り方も必見です。
目次
カプチーノとは
大手コーヒーチェーンなどでおなじみカプチーノの由来についてご説明します。
イタリア発祥
カプチーノはイタリアで生まれたコーヒーの種類のひとつです。エスプレッソコーヒーにフォーム(泡立てた)ミルクを入れたものです。語源はカプチン会所属の修道士の茶色いフードから、または「カップッチョ=イタリア語で蓋」をスチームミルクで蓋をしたコーヒーに見立てた、など諸説さまざまです。
カフェラテとの違い
同じイタリアのコーヒーで「カフェラテ」というミルクを入れた飲み物があります。カプチーノとはどのように違うのでしょうか?
カフェラテの「ラテ」はイタリア語で、牛乳、ミルクという意味で、つまりミルク入りコーヒーです。イタリアでは通常フォームミルクを使うので、カプチーノと同じ中身だと言えます。
違うのは中身の配分です。
- カプチーノ エスプレッソ5:フォームミルク5
- カフェラテ エスプレッソ8:フォームミルク2
ちなみにカフェオレの「オレ」はフランス語で、ミルクです。カフェラテもカフェオレも同じミルク入りコーヒーです。ただしフランスではフォームミルクをコーヒーには入れないので、実際には違う種類のコーヒーです。
本場イタリアのカプチーノとは?
コーヒーの本場、イタリアではカプチーノはどのように飲まれているのでしょうか?
飲むのは朝だけ
イタリアではカプチーノは朝にクロワッサンのお供として飲むことがほとんどです。そして午後は普通はエスプレッソを飲みます。
朝のカプチーノは1日の元気の素、午後からのエスプレッソは1日のリフレッシュとして飲むのがイタリア式です。
カップ
エスプレッソは通常のコーヒーカップの半分の大きさのデミタスと言うカップに入れますが、カプチーノは通常のコーヒーカップで飲みます。
エスプレッソとスチームミルクは温度が低めであるため冷めにくいように、カップは厚みがあります。エスプレッソとミルクの泡が同時に、しかも同量を口に含めるのが理想的です。
ココアパウダー
シナモンパウダーやシナモンスティックではなく、ココアパウダーが一般的です。カプチーノに使うエスプレッソの香ばしさを引き立てます。
エスプレッソマシンで作るカプチーノの作り方とは?
近年はカプチーノを作れる家庭用エスプレッソマシンの品揃えが充実しています。おいしいカプチーノ作りのカギはフォームミルクです。
自動で淹れる
自動でカプチーノを作れるエスプレッソマシンがあります。エスプレッソの抽出からフォームミルクをのせるまでの一連の工程を自動で行ってくれます。自宅でカプチーノを飲む人のほとんどはエスプレッソマシンで淹れます。
手動で淹れる
エスプレッソ作りからフォームミルクまで、マシンを使って手動で淹れる機種もあります。自動式が車のオートマ運転であれば、手動式はマニュアル運転のようなもので、こだわりの愛飲家ならではの方法です。
エスプレッソマシンでは、スチーマーを使って蒸気でミルクを泡立てます。ミルクをクリーミーにするコツは、はじめの冷たい状態からスピーディに温めることです。できたフォームミルクを受けるポットも温めておきます。ポットは陶器よりも熱伝導率が高いステンレスなどの金属製が適しています。
高級機種
いかにキメ細かくて美しいフォームミルクが作れるかは、ハイグレードであるかで決まります。やはりグレードは価格に応じるもので、中には一部のコーヒー愛飲家は10万円以上の高級機種を買ってカプチーノを楽しむようです。
手作りカプチーノのコツ
日本では自宅でカプチーノを飲む習慣はあまりありませんが、自分好みの味で作ったものも格別のおいしさです。
エスプレッソを作る
まずはエスプレッソを作ってみましょう。コーヒーメーカーやエスプレッソマシンで作る他、直火式エスプレッソメーカーでも作れます。どちらもなければ、ドリップコーヒーでも構いません。通常のコーヒーの半分のお湯で淹れて下さい。
カプチーノの泡と相性がいいのは、ほろ苦いエスプレッソです。コーヒー豆は深煎り、フレンチローストやイタリアンローストを使いましょう。
ハンディーミルクフォーマー
クリーマーとも呼ばれる電動泡だて器です。エスプレッソマシンとは違い、空気を含ませて泡立てます。大手コーヒー機器メーカーから100円ショップまで幅広く取り扱いがあります。
冷たいミルクを使うスチーム式とは違い、予め温めます。ミルクフォーマーを使う前に、ミルクを予め電子レンジで70度前後に温めておきます。低脂肪乳や豆乳は脂肪分が低く、泡立ちが悪いことがありますので避けましょう。
注ぎ方
- エスプレッソが入ったカップを斜め45度に傾けて持ちます
- 半量のフォームミルクをゆっくりカップに注ぎます
- カップを水平に持ち、残りのフォームミルクを注ぎます
エスプレッソをフォームミルクで蓋ができたら成功です。カプチーノ作りに慣れたら、ロゼッタやファーンなどの絵柄をラテアートで作ってみましょう。
カプチーノの飲み方
次のような手法を取り入れるともっとカプチーノをおいしく飲めます。
シナモンスティック
カシアの木の皮を巻いてスティック状にしたもので、パウダー状にしたものはスパイスとして使われます。数回かき混ぜて香りをカプチーノに移します。
ココアパウダー
イタリアでは定番のココアパウダーをカプチーノに振りかけてみてはいかがでしょうか。見た目も華やかになりますし、ココアの栄養も摂れます。
カロリーが気になる場合は無糖のココアパウダーを使って下さい。製菓用であれば無糖のココアパウダーの取り扱いがあります。
デザインカプチーノ
バリスタがスティックを使ってカプチーノのフォームミルクの上に書いたものです。複雑な模様は難しくても、簡単な顔なら書けそうですのでぜひトライしてみて下さい。ココアパウダーも模様の一部になります。
よく比較されるのが、ラテアートです、デザインカプチーノはフォームミルクの上に絵を描くもの、対してラテアートはミルクを注いでフォームミルクの形状を変えて絵柄を作ります。
カプチーノに合うビスケットとは?
イタリアではカプチーノやエスプレッソにビスケットを浸して食べる習慣があります。食感はザクザクと硬めなビスケット2種類をご紹介します。
シナモンビスケット
その名の通り、シナモンパウダーを練りこんで焼いたビスケットです。イタリアではカプチーノにシナモンパウダーを入れませんが、このようなビスケットを食べながら飲みます。
ビスコッティ
ビスコッティは2度焼きしたザクザクとした食感のビスケットです。通常アーモンドパウダーを入れて作りますが、これがカプチーノと相性が高いのです。
イタリア本国では朝食にカプチーノとともにビスコッティを食べます。ドライフルーツやシリアルを入れて1日の活力になる朝食代わりにします。
ブラックコーヒー派もお試しを
カプチーノについてご紹介しました。ココアパウダーなどのトッピングやデザインカプチーノまで、外でも家でもカプチーノの楽しみ方は無限大です。そしてブラック派の人にもおすすめしたいコーヒーです。