よく曖昧な対応をしたり、中途半端な態度をとったりする人に対して『適当な奴だ』とか、『いい加減な人だから』などと言います。
適当といい加減が悪い例えとして使われていますが、本来は違う意味もあります。
適当には、ある条件や目的などに上手く当てはまっているという意味があり、いい加減には、物事が相当な程度に達しているのでもう終わって欲しいという意味があります。
適当とは
「適当」には、以下の異なる意味があります。
1)条件や目的に当てはまっている、また程度が丁度良い。
2)やり方が投げやりである。
適当は、前後の文脈によって違った意味を持つことになります。
例えば、『この役は彼をおいて適当な人材がいない』は、彼がふさわしいことを表します。
また、『適当にやっておけ』は、ぞんざいさを意味しています。
いい加減とは
「いい加減」も適当同様、2つの意味があります。
1)物事が相当な程度に達している、またはこれ以上必要が無い。
2)無責任である、または徹底していない。
例えば、『プールの水量はいい加減になっている』は十分ということであり、『雨はいい加減にやんで欲しい』はこれ以上必要が無いの意味です。
また、『いい加減なことを言うな』は無責任なことを指しています。
同じ意味での使われ方
適当といい加減は、一つのことを表現する場合に、どちらの言葉でも通用することがあります。
例えば、仕事を最後まで終えずに、途中で投げ出した人に対して、『仕事が適当だ』でも『仕事をいい加減にしている』でも意味は同じです。
逆に、丁度よい場合にも、『この温泉は適当な温度だ』や『この温泉の温度はいい加減だ』と併用することが可能です。
2つの意味
適当といい加減は、どちらも良い意味と悪い意味で使うことができます。
適当は、条件や目的などに上手く当てはまっている意味と、投げやりという2つの意味があります。
一方、いい加減は、相当な程度になっているや、これ以上必要が無いという意味と、無責任という2つの意味があります。
従って、前後の文章でその意味を判断することになります。