「ガソリンスタンドのバイトはラクそうに見える」「給油と窓ふきだけなら自分にもできるかも？」といった甘い考えでガソリンスタンドのバイトを始めて「失敗した！」と感じている人は意外なほど多いものです。
ガソリンスタンドのバイトは、見た目ほど簡単な仕事ではありません。想像をはるかに上回る仕事量に厳しい仕事環境が待っています。バイト開始から間もなく「辞めたい」という人が続出するのもうなずけます。
そこで今回は、ガソリンスタンドでバイトがおこなう仕事の実態やバイトをしていて良かったと思うこと、さらにガソリンスタンドのバイトに嫌気がさした時の乗り越えかたなどについて解説していきます。
目次
「辞めたいと思う...」ガソリンスタンドのバイトは想像以上に激務って本当？
ガソリンスタンドのバイトに対する多くの人のイメージは、「お客さんが殺到する感じでもないし、ヒマそうでうらやましい」「単純作業だしストレスも多くなさそう」というものが多いようです。
しかし実際は、ガソリンスタンドのバイトを辞めたいと感じている人がほとんどなのです。仕事のイメージにこれほどギャップのある職業も珍しいでしょう。
では、ガソリンスタンドのバイトが「想像以上に激務」であり、「辞めたい...」と感じている人が多いと言われる理由について探っていきます。
猛暑の夏も極寒の冬も屋外での仕事が必須
ガソリンスタンドでバイトをすることになった誰もが最初に感じることは、どんなに暑い季節でも寒い季節でも関係なく、屋外で仕事をすることが求められるということです。
車の窓ふきをする場合も給油をする場合も、当然ですが作業はお店の外、お客様の車の外からおこないます。つまり、いつでも・どんなときも、快適な環境で作業ができるわけではないのです。
夏は汗でびっしょりになりながら、冬は手荒れやしもやけに悩まされながら仕事をすることになるでしょう。それでも笑顔で接客しなければいけないのです。
自分を鍛えるためにあえてガソリンスタンドでバイトをしているという人以外は、体力的にも精神的にも相当にタフでないとガソリンスタンドでのバイトは続けられないのではないでしょうか。
仕事は窓ふきと給油だけだと思ったら大間違い
ガソリンスタンドのバイトの仕事は車の窓ふきと給油だけだと思っている人がいたら、それは大きな間違いです。意外と知られていない、ガソリンスタンド特有の業務がたくさんあります。
「ガソリンスタンドのバイトを辞めたい」と思う人が続出する大きな理由のひとつは、この仕事内容の多さにあると言ってもよいでしょう。
ガソリンスタンドのバイトがこなさなければいけない仕事は以下のようなものです。これ以外にも、細々とした業務がさらに追加される場合もあります。
- 車の窓ふき
- 給油
- 車の点検
- 手洗い洗車
- 会計
- タイヤ・バッテリー交換の営業
- 売り上げ等のデータ管理
- 店内や構内の清掃
ざっと挙げただけでもこれだけの仕事内容です。それぞれの仕事を覚えるのも大変ですが、バイトの人数も限られているので、ひとりひとりに課せられる負担はかなり大きいと言えるでしょう。
そのため、「ガソリンスタンドは思っていたよりもキツい」「長く続けられる仕事ではない、そろそろ辞めたい」と考える人がどうしても減らないのです。
ガソリンが売れないから給与も上がらない
ガソリンスタンドの仕事は多岐にわたるため仕事を覚えるのが大変であること、バイトの人数にも限りがあるため、従業員にかかる負担も大きいと述べました。
さらに深刻な問題になっているのが、そもそも「ガソリンが売れない」という問題です。性能も燃費も良いハイブリッドカーや電気自動車などが進出してきたおかげで、ガソリンの売り上げは年々落ちています。
そのため、激務であるにもかかわらず給与は下がることはあっても上がることはなく、「割に合わない」と感じてガソリンスタンドのバイトを辞めてしまう人も多いのです。
また、ガソリンスタンドで働き続けたいという意欲はあっても、給与が上がる見込みがないのでは続けていても仕方がないという考え方をする人もいるでしょう。
ガソリンスタンドのバイトをしていて良かった！と感じること
ガソリンスタンドのバイトは見た目ほど楽な仕事ではありませんが、どうやら「キツい・辛い」だけというわけでもないようです。
では、ガソリンスタンドでバイトをしたことがある人が、「ガソリンスタンドで働いていて良かった！」と感じる点について見ていくことにしましょう。
接客スキルがアップする
ガソリンスタンドのバイトというと、黙々と車の窓をふいていたり、洗車をしていたりするイメージがあるかもしれません。しかし、「タイヤの販売や車の点検をおこなう」のも大事な仕事のひとつです。
また、給油目的でガソリンスタンドに立ち寄ったお客様に、どうやったら新しいタイヤに興味を持ってもらえるか、買ってもらえるかを考えることも重要な仕事です。
ですから、気がついたら接客スキル・営業スキルががアップしていたということも十分にあり得ます。ガソリンスタンドで培ったスキルが他の職種で役立つということもあるでしょう。
人に話しかけるのが苦手だという人も、ガソリンスタンドでバイトをするうちに、いつの間にか話し上手になっていたり、人と話すことが苦にならなくなっていたりすることも考えられます。
仕事をしながら車の知識を習得できる
ガソリンスタンドでのバイトは言うまでもなく車を扱う仕事です。車が大好きで、車に関することなら何でも知りたいという人にはピッタリの職場と言えます。
特に仕事をしながら車の知識やメンテナンスに関する技術を習得できたり、危険物取扱者の資格取得を目指すことができたりするのも、ガソリンスタンドでバイトをするメリットでしょう。
また、ガソリンスタンドで働くこと自体はハードでも、自分の好きなことに関係する仕事ができるというのは、できるだけ長く勤めたいと思っている人には嬉しい条件です。
馴染みのお客様ができるとやりがいが出てくる
最初は戸惑いながら始めたガソリンスタンドの仕事も、次第に慣れてくることで手際も良くなり、お客様から声をかけてもらう機会が増えてくるかもしれません。
馴染みのお客様から「いつもありがとう」「寒いのに（暑いのに）ご苦労様」と、ねぎらいの声をかけてもらえるようになると、仕事に対するやりがいが出てくることもあるでしょう。
仕事内容が多いことやつらい側面ばかりがクローズアップされがちなガソリンスタンドのバイトですが、よく見ていくと良い面もたくさんあるのです。
「仕事がつらい・辞めたい」ガソリンスタンドのバイトに嫌気がさした時の乗り越えかた
ガソリンスタンドでのバイトには楽しい面もあるということは理解できたけれど、それでもやっぱり「仕事がつらい・辞めたい」と感じた時にはどうしたら良いでしょうか。
では今度は、ガソリンスタンドで働くことに嫌気がさしてしまった時の、上手な乗り越え方について見ていきましょう。
「仕事は仕事」と割り切って考えるクセをつけて乗り越える
それはガソリンスタンドのバイトに限らず、楽しいだけではないのが仕事というものです。うまくいく時もあれば、そうでない時もあります。
また、人間がおこなうことですからミスをすることもあるでしょう。仕事の大変さとミスが重なり、もう限界だと感じてしまうこともあるはずです。
そこで考え込んでしまうと前に進めなくなってしまいますから、できるだけ「仕事は仕事、自分は給与をもらうために働いているのだ」と割り切って考えるクセをつけるようにすると良いでしょう。
車関係の仕事をするための第一歩だと考える
車が好きで、車にかかわる仕事がしたいという気持ちからガソリンスタンドでのバイトを始めたという人も中にはいるでしょう。
そうした場合は「バイトを辞めたい」という気持ちが芽生えても自分のなかで踏ん張りがきく場合があるので、最終的にバイトを辞めずに済むこともあります。
「将来は車に関係する仕事に就きたい」という考えている場合は特に、ガソリンスタンドでのバイトは車に関係するさまざまな知識を習得するのにピッタリです。
就職活動をする際にもプラスに働くことは間違いありません。時には「辞めたい」と感じることはあっても、自分のためになるのだと考えれば、日々の業務も頑張れるのではないでしょうか。
期間限定で「自分を鍛えるための場所」なのだと自分を納得させる
いずれ就職する予定なのであれば、ガソリンスタンドでのバイトは「期間限定」「自分を鍛えるためにあえてここで働いているのだ」と、自分を納得させるのも、バイトのつらさを乗り越えるために有効な方法です。
今はまだ今後の就職について特に考えていない場合でも、この先もずっとガソリンスタンドで働かなければいけないわけではありません。「人生経験のひとつ」だと思えば、もう少し続けられるかもしれません。
「ガソリンスタンド以外にも働く場所はいくらでもある。次のバイトが決まるまで、とりあえずここで働いておこう」といった軽い気持ちでいることを意識してみると良いでしょう。
限界だと感じる前に！ガソリンスタンドのバイトをキッパリ辞めよう
ガソリンスタンドでバイトがおこなう仕事の実態やバイトをしていて良かったと思うこと、さらにガソリンスタンドのバイトに嫌気がさした時の乗り越えかたなどについて解説してきました。
ガソリンスタンドでのバイトは想像以上に激務です。ですから、働いた期間にかかわらず「辞めたい」と感じてしまうのはある程度、仕方がないことです。
ですから「もう限界だ！」と感じて心身ともにボロボロになってしまう前に、バイトを辞める・別のバイト探すという選択肢も用意しておきましょう。
「ガソリンスタンドのバイトも務まらないなんて、自分は何て弱い人間なんだろう」というふうにネガティブに考えず、「探せばもっといい仕事が見つかるはず！」と、ポジティブに考えて進んでいくことが大切です。