ブレイクアウトを狙った取引のポイント。だましを回避するには?

FXで取引する為替相場はトレンドとレンジの2つであり、トレンド相場を狙って取引するのが基本です。

しかし相場の大半はレンジと言われているため、単にトレンドを狙って取引するだけでは機会が減ってしまいます。

レンジ相場は逆張りで取引するのが基本となりますが、もう一つ取引手法がありそれがブレイクアウトを狙ったものです。

ブレイクアウトはレンジだけでなくトレンドにも使える手法であり、理解しておけばより取引で利益を得られるチャンスが増えます。

ではブレイクアウトとはどのようなものであり、どのように取引すればいいでしょうか。

ブレイクアウトとはラインを抜けて一気に動くこと

レンジ、トレンドどちらの相場にも抵抗線と呼ばれるものが存在します。

抵抗線は名の通り値動きに抵抗するラインであり、意識されているラインまで行くと値動きがその方向へ動き難く反発しやすくなるのです。

抵抗線があるのは相場で取引しているトレーダーの心理状態にもあり「ここまでなら動かない」と多くの人間が思い、動き難くなっています。

しかし逆に抵抗線を超えたとなれば「相場の状況が変わった」と感じて、越えた方向へ動きやすくなるのです。

このように抵抗線を超えて相場が動くことをブレイクアウトといいます。

動きやすくなるということはそれだけ値動きも大きくなりやすいため、その分差額による利益を期待できるのです。

損切りがブレイクアウトの動きになる

トレーダーの心理として考えると、損切り注文がされるのも動きが大きくなる要因です。

抵抗線は反発する可能性が高く、超えれば大きく動きやすいと書きましたがブレイクアウトを狙わないトレーダーもそれを把握しています。

そのため「ブレイクアウトしたら損失が大きくなる」と判断して抵抗線の近くに損失を抑えるための損切り注文を設定する方が多いのです。

損切り注文は損失を抑える行為ですが、損失の出る決済をするという好意は変わりません。

そのため抵抗線を超えると損切りによる注文が次々と行われ、流れを促進させることになるのです。

ブレイクアウトが起きるのはどのような相場か

ブレイクアウトを狙って取引を考える場合、当然ブレイクアウトが起きると考えられる相場を理解しておかなければいけません。

ブレイクアウトの起きるのは主に以下の相場となっています。

保ちあいであるレンジ相場

ブレイクアウトする相場として最も基本的なのはレンジ相場です。

レンジ相場は値動きが定まらず上下に行ったり来たりしている相場になっています。

しかしランダムに上下動いているわけではなく、相場においては範囲が決まって動いていることが多いのです。

そのためレンジ相場では動いている範囲を分析し、そこから超えないラインを目安に逆張りするのが基本となっています。

一方でレンジ相場は保ち合い相場と呼ばれており、上下に定まって動かないのはどちらに動くかを決めている時期だからです。

見方を変えれば動く範囲を決めている線を越えた時、動く方向が決まったため一気に越えた方向へ動く可能性が高いといえます。

保ちあいなために超えた時はレンジ相場からトレンド相場へ移る可能性も高いでしょう。

ブレイクアウトで大きく動くため、レンジ相場での逆張りに初心者は手を出さない方がいいと言われる理由にもなっています。

範囲が狭くなっていくレンジ相場

一言でレンジ相場と称しても必ず同じ範囲を保ち続けるわけではありません。

相場によっては動く範囲が段々と狭くなっていく時もあるのです。

狭くなっていくパターンは3つあり、高値が変わらず安値を切り上げていく、安値が変わらず高値を切り下げていく、高値と安値どちらも更新していくになります。

通貨ペアにもよりますがFXの相場で大きく動くことは何かしら重要な情報が出る時以外はありません。

しかし相場というのは動く範囲が狭くなれば、その分次に方向性が決まった時に大きく動きやすくなります。

そのため一定の範囲を動いているレンジ相場と比べると、狭くなった時のブレイクアウトは大きな動きになりやすいのです。

パターンによっても動きやすい方向性に決まりがあり、高値変わらず安値を切り上げていくのはその分ジリジリと上へ向かおうとしています。

反対に高値を切り下げていくのは下へ向かおうとしており、どう狭くなるかで取引のタイミングもある程度予想できるのです。

トレンド相場で前回の最高、最安値を更新する

トレンド相場は一方に偏って流れていますが、正確には高値と安値を更新しながら動いています。

上昇トレンドであれば高値と安値を切り上げ、下落トレンドであれば切り下げるように動くのです。

一方に動くだけでなく一時的に反転し、再びトレンドの方向へ動くのを繰り返します。

再びトレンドの方向へ動いた時に目安となるのが、前回の高値と安値です。

高値と安値を更新して動いていくため、トレーダーからすれば反転する前の値が現時点で一番大きく動いたポイントになります。

トレンド相場は更新して動いていくため、前回の値まで動かなければトレンドが転換、終了したと考えられるのです。

逆に言えば前回の値を更新すれば「まだトレンドは続いている」とトレーダーは判断して順張りしやすい状況になります。

そのためトレンド相場は基本抵抗線を基準にして取引しますが、前回更新した値を目安にしてブレイクアウトを狙った取引もできるのです。

トレンド相場が転換、終了する

一方でトレンド相場のブレイクアウトといえば抵抗線を超える場面もあります。

トレンド相場における抵抗線は値動きを支えて動いているため、超える場面があればトレンドが転換、終了したと考えられるのです。

トレーダーも同じように考えることが多く、抵抗線を超えた時は「トレンドが終わった」と考えて反対側の取引をするようになります。

ブレイクアウトして反転した時の流れが大きくなるのはこのような心理による取引が原因となっているのです。

ブレイクアウトとだまし

ブレイクアウトする場面を見つけ、超えた時に取引すれば簡単に大きな利益が得られると、考えがちですが残念ながらそんな甘い話はありません。

どのような相場でもブレイクアウトをしたら絶対にその方向へ動くとは限らないからです。

動いたと見せかけて反転し、元の相場へ戻る時も珍しくありません。

このように動いたと見せかける現象を「だまし」と呼びます。

ブレイクアウトによる大きな動きがトレーダーによりもたらされるように、だましもまたトレーダーによって起こるものです。

現在FXはネット上において当たり前のように情報を集められるようになりました。

初心者であるトレーダーも今この文章を見ているようにブレイクアウトに関しての情報を簡単に知ることができるのです。

簡単に知ることができればブレイクアウトを理解して取引に参加するトレーダーも多くなります。

多くなればブレイクアウトで引っ掛け、反対側へ動かして利益を狙おうと考えるトレーダーも出てくるのです。

先ほどブレイクアウトの動きは損切りによる注文も関わっていると書きました。

損切りによる注文もブレイクアウトを見せかける原因の一つであり、相場では狙って損切り注文をさせる「ストップ狩り」と呼ばれる手法も行われるのです。

相場に参加するのがトレーダーという人間な以上、様々な思惑があります。

ブレイクアウトを狙うために必要なこと

ブレイクアウトはライン超えを狙って取引する手法です。

逆に言えば超えるべきライン、抵抗線が分からなければ使えない手法になります。

レンジ相場は水平線を用いて

レンジ相場でブレイクアウトを狙う場合は範囲と値動きを阻んでいるラインを理解しなければいけません。

しかしテクニカル指標のほとんどはトレンドを分析するものなため、レンジ相場の範囲を理解できるものはないのです。

レンジ相場でラインを理解したい場合は水平線を利用して自分で抵抗線を引きます。

一見難しそうに見えますがそれ程ではなく、単に現在の最高値と最安値に線を引くだけです。

線を引いて値動きを阻んでいれば抵抗線として機能していると判断できます。

トレンド相場はテクニカル指標を使う

トレンドラインを自分で引いてもいいですが、トレンドであればテクニカル指標を使うのが簡単でしょう。

トレンド系列と呼ばれる種類のテクニカル指標はどれも抵抗線として機能する情報を表示してくれます。

何が抵抗線となっているかを理解すれば利用は簡単です。

しかしテクニカル指標は設定を変えて表示させる情報も変わるため、完全に信頼できる情報ではありません。

だましに遭う可能性も高いため、一つではなく幾つかの種類と組み合わせて使った方がいいでしょう。

ブレイクアウトを狙ってどう取引するか

だましがある以上、単純にブレイクアウトを狙って取引しては勝てません。

ブレイクアウトを狙って取引する場合は以下の点を抑えてやりましょう。

ブレイクアウトしたからとすぐ取引せず分析する

まずはブレイクアウトが起きたからとすぐ取引しないのが基本となります。

起きた時点では本当にブレイクアウトしたのか、だましなのか判断できないからです。

そのためまずは相場全体を分析し、信頼できるブレイクアウトかを確認しましょう。

確認すべきはブレイクアウトするまでどのように相場が動いたかになります。

全体的に上昇している場面が多い場合、下落によるブレイクアウトが起きたとしてだましになる可能性は高いです。

反対に下落している場面で上昇によるブレイクアウトも同等といえます。

他にもブレイクアウトは抵抗線が機能すればする程強力になるでしょう。

何回も同じラインで跳ね返っていれば、その分超えた時の動きも大きくなりやすいです。

トレンド相場も長動きして緩やかになってくれば、抵抗線を超えて反転する時の流れも大きくなりやすいでしょう。

あまり短絡的なブレイクアウトは簡単に信用しない方がいいともいえます。

安全に行くなら抵抗線を目安に取引する

リスクを抑えて取引したい場合はブレイクアウト後に抵抗線を目安に取引をしましょう。

だましではなく正しいブレイクアウトが起こっていれば、それは相場の状態が変化したことを示します。

変化が起きたのは相場だけでなく、それまで値動きを抑えていた抵抗線もです。

抵抗線はブレイクアウトが起これば終わりなものではなく、起こった後も機能します。

ブレイクアウトした後は同じ抵抗線でも内容は違い、上昇を抑えていたのであれば今度は下落を抑えるラインに変わるのです。

そのためブレイクアウトをした後も抵抗線を利用して取引ができます。

抵抗線を跳ね返って動くようであればブレイクアウトが明確に行われたと判断でき、超えた方向へ乗り取引できるでしょう。

損切りはどうするか

だましによる動きがある以上、損切りをしておかないと大きな損失になってしまうでしょう。

しかしトレンドでの順張りやレンジの逆張りと違い、ブレイクアウトの取引で目安となる損切りポイントは存在しません。

そのためどこに損切りを設定すればいいか悩むトレーダーも少なくないでしょう。

ブレイクアウトによる損切りは残念ながら明確なポイントはなく、今の相場から判断するしかありません。

だましであり戻ってきたと判断すればすぐに決済、ある程度は許容して離れた位置に設定すると、どう考えるかはトレーダー次第です。

予め自分自身でブレイクアウトした時の損切りルールを決めておきましょう。

情報で大きく動いた時を狙う

経済指標を始めとした政治、経済による情報で動いた時もブレイクアウトの狙い目となります。

重要な情報が発表されると相場は大きく動きますが、抵抗線が意識されているのは変わりません。

情報によって抵抗線を超えた場合は「超えたため相場が変わった」とトレーダーが判断しやすくなり、越えた方向に動きやすいのです。

変動の仕方によっては手を出すと危険ですが、落ち着いた時に超えていれば取引を考えてみましょう。

もちろん重要な情報による変動は予想するのが難しいため、リスクもある程度存在する方法です。

危険と感じる場合は手を出さないと判断するのも正しい選択といえます。

基本を理解する必要がある手法

ブレイクアウトは見て分かるようにトレンドとレンジという相場の状況と抵抗線に関して知識がなければいけません。

取引をするにはFXに関する基本的な知識が必要となるのです。

ブレイクアウトで取引したいと考える初心者はまず相場と抵抗線、テクニカル指標と基本的な見方と使い方を理解するところから始めましょう。

おすすめの記事