全国の不登校調査では、年々不登校の児童が増えています。
いまでは小学生の不登校児童は30,000人を超え、1,000人中4.8人不登校児童がいるといわれています。
小学生の約200に1人が不登校という現状です。
中でも長期に渡る不登校が多いのが特徴です。一度学校に行けなくなると長引くことが多い不登校。
子どもたちはどんな不安や孤独とたたかっているのでしょうか。
今回は、そんな増え続ける不登校と親ができることについて考えていきたいと思います。
目次
どんな小学生が不登校になるのか
不登校になる小学生がいる一方、元気に登校している生徒もたくさんいます。
それでは、不登校になる小学生にはどのような特徴があるのでしょうか。
不登校になりやすい子のタイプは大きくわけて次の3つのタイプにわかれます。
- 感受性が強いタイプ
- 気が弱いタイプ
- プライドが高いタイプ
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
感受性が強いタイプ
不登校になる小学生のタイプには感受性の強い子がいます。
感受性の強い子はお友達や先生に言われた小さな一言が気になってしまったり、何気なく放たれた言葉に傷ついてしまうことがあります。
また周りがよく見え気が利く分、他人の顔色をうかがってしまい気にしすぎてしまうことがあり、しんどくなってしまう場合があります。
気が弱いタイプ
不登校になる小学生のタイプには気の弱い子がいます。
学校生活での気になることや意見を口に出すことができず、しんどくなってしまうんですね。
そして自己肯定感が低く、自分はだめなんだと感じてしまい不登校になってしまうこともあります。
プライドが高いタイプ
不登校になる小学生のタイプにはプライドの高い子がいます。
学校で先生や友達に間違いを指摘されてもプライドが高いため認められず素直に話しを聞くことができないのです。
また、劣等感や自信のなさを抱えているため、それを隠そうとして強く振る舞うような子もいます。
なぜ小学生は不登校になるのか
そして、不登校になる小学生には性格やタイプだけではなく環境や何かきっかけがあるのでは?と考えますよね。
それでは、次になぜ不登校になってしまうのかを考えていきましょう。
不登校にいたる原因はさまざまです。友達や先生と合わないという対人関係や非行、無気力など実にたくさんの理由が挙げられています。
長年100人以上の不登校児童を見てきた教員でさえ、「不登校の理由は100人いれば100人違う」と言います。
不登校は必ずしも原因が明白なわけではない
ここで知っておいてほしいことは、不登校の原因が必ずしもはっきりとわからないこともあるということです。
子どもが不登校になると親や教師は「なぜ学校に行けないのか?」を考えます。
そしてその原因が何なのかを突き止め、原因を排除することで子どもが学校に行けるように後押ししようと一生懸命働きかけます。
そして不登校である子どもに「なんでなの?」「なにが嫌なの?」「どうしたら行けるの?」そんな質問を投げかけてはいないでしょうか。
小学生、特に低学年の子どもたちは、多感でとても繊細です。
自分でも何がつらいのか、何が原因なのかはっきりと言えないお子さんも多いです。子どもたちの中にはなにか得たいの知れない、「不安」があるのです。
そんな事実を親御さんには特に知っておいてほしいと思います。
漠然と子どもが不安を抱え、不登校になるケースは決して珍しくありません。
不登校の小学生に対する解決策は?
ここまで不登校になる小学生の特徴や原因について考えてきました。
それでは子どもが不登校になった時、どのようにすれば学校に行けるようになるのか。不登校に対する解決策について考えていきましょう。
不登校への解決策はたくさんあります。
原因がいじめや先生とのすれ違いなど対人関係にある場合、話し合いの場を持たせたり、どうしてもうまくいかない場合は転校などの策をとることもできるでしょう。
また教育センターなどの市が運営する専門機関に相談したり、スクールカウンセラーなどを利用し、子どものカウンセリングなどで学校に行けるように不安を取り除いていくという方法もあります。
しかし最も重要なことは「親子の信頼関係」ではないでしょうか。
具体的には親が子どもを信頼し「見守る」ことです。
無理に行かせるのではなく、子どもの気持ちに寄り添って近くに居てあげることが一番大切ではないでしょうか。
不登校小学生の親ができるたった1つのこと
子どもが不登校になると、親は色々なことを考えます。
- このままでは学校にずっと行けなくなるのではないか。
- 勉強がおくれてしまうのではないか。
- 友達を作れなくなるのではないか。
- ただ甘えているだけなのではないか。
そんなたくさんの不安が頭を駆け巡りますよね。もちろん、子どもに対する責任と愛情が多いからこその葛藤です。
しかし、この考え方は子どもを追い詰めることになりかねません。
子どもは学校に行かなければいけないことも分かっています。学校に行きたいとも思っているのかもしれません。
でも行けないなにか、があるのです。その子どもの心に寄り添うことは、簡単そうに見えてとても難しい親の役目なのです。
子どもを大切に思っているからこそたった1つ、子どもを信じて「待つ」のです。
子どもが自分の足で学校に行こうとする日を。
”焦らなくていいよ。お母さん(お父さん)はいつも君の見方だよ。困ったらいつでも力になれるよ。でも、君のペースが大事だよ。”
そんなメッセージを無言で送りつつ、ひたすら待つのです。
勉強は学ぶ気持ちがあればいつからでも学べます。好きなことがあればそれをさせてください。
行けないことを責めるのではなく、自分の好きなことや夢中になれることをやらせてあげてください。
ご兄弟がいるお子さんには、お母さんを独り占めする時間を持たせてあげてください。
するとある日、ひょっこり学校に行ける日が来るかもしれません。
きっかけは、なんでもないことかもしれません。
それは子どもたちが自ら考え、自信がつき、心から安心して一歩踏み出す日なのです。