食肉加工業のきつい仕事内容とは?向いている人、向いていない人の特徴

私たちがふだん何気なく購入している、スーパーなどで売っているパック詰めの豚肉や鶏肉、こうした製品を作っているのが食肉加工をする工場です。

食肉加工をする工場の仕事は、牛や豚、鶏肉といったさまざまな食肉を適切なサイズにカットするところから始まります。人々にとって安心・安全な食べ物を届けるためになくてはならない職業のひとつです。

しかし、食肉加工の工場は動物の血や肉を目にすることも多く、臭いも気になるということで「仕事がきつい」「長く務めるのは難しい...」と、離職者が多いことでも知られています。

そこで今回は、食肉加工の現場で長く勤められる人のタイプや食肉加工の仕事のきついところ、さらに食肉加工の仕事をするメリットなどについて、いろいろな側面から解説していきます。

食肉加工の仕事に向いている?長く勤められる人はこんなタイプ!

食肉加工の仕事は覚えてしまえばスムーズに業務をこなせるようになるため、未経験者でも入りやすい職場ということで知られています。

とはいえ「食肉加工の仕事」と聞いても、いまいちピンとこない人もいるでしょう。食肉加工の工場で働いている自分の姿を想像できないという人もいるかもしれません。

ということで、まずは食肉加工の仕事に向いているタイプ、長く勤められる人の特徴について考えてみることにしましょう。

暑いところがキライ!寒い場所で長時間の作業するのが苦にならない

食肉加工の現場というのは、生もの・食肉を取り扱う工場であるため、常に冷やされた状態になっています。ですから、暑さに弱い人にとっては働きやすい現場と言えるかもしれません。

夏も冬も関係なく工場全体が食肉の加工に適した温度に保たれているため、寒い場所で長時間作業をするのが苦にならない・常に涼しい環境で仕事をしたいという場合にはピッタリでしょう。

とはいえ、長い時間を冷えた空間で過ごすことになるのですから、ある程度体力に自信がある人の方が良いかもしれません。

そして逆に寒い場所が苦手な人や、冷え性の人にとっては、食肉加工の工場で働くことは体調面で「きつい」と感じられるはずです。

複雑なのはイヤ!シンプルで単純な作業を楽しめる

パソコンを使った事務作業や、新しいことをたくさん覚えたり習得していかなければいけない職場で働くのは向いていないという人にも、食肉加工の仕事はおすすめです。

食肉加工の仕事は一度仕事を覚えてしまえば、基本的にはその作業の繰り返しですから、仕事に刺激を求めない・できるだけ単調な作業に没頭したいという人に向いています。

何事も熱中して取り組める人、ひとつのことを始めると周りが見えなくなるほど没頭するタイプの人などは、食肉加工の仕事を長く続けられる素質を持っているかもしれません。

ですから、飽きっぽい人や長い時間同じ作業を集中しておこなうのが苦手だと感じるタイプの人には、食肉加工の仕事は「ちょっときついかな...」と、感じられるのではないでしょうか。

モクモク作業が好き!対人スキルが必要ない職場で働きたい

食肉加工の工場は食品を扱うところですから、衛生上の観点からも、基本的に私語は厳禁です。そのため必然的に誰ともコミュニケーションをとらずにモクモクと作業を進めることになります。

ですから、人と話すのが得意ではない・職場の同僚とはできるだけ距離を置きたいと考えている人は食肉加工の仕事が向いているタイプと言えるでしょう。

面倒な人間関係にわずらわされたくない、ひとりでおこなう作業をきついと思わない人にとっては、この上なく良い職場だと感じられるかもしれません。

一方で、「誰かとおしゃべりせずにはいられない」「職場の仲間と楽しく仕事がしたい」と考えている人にとっては、食肉加工の工場で働くことはきつい・しんどいと感じられるでしょう。

「もう続けられない!」食肉加工の仕事のきついところ

季節を問わず冷やされた環境の中で食肉と向き合い、食肉に必要な加工を施していく食肉加工の工場で働くこと自体は、それほど難しいことではありません。

食肉加工をする工場の職場環境が希望に合うものであれば、安定して働き続けることも可能でしょう。それでもやはり「仕事がきつい!」「もう続けるのは限界...」といって辞めてしまう人も一定数存在するのも事実です。

それでは、食肉加工の仕事のどのようなところがきついのか、食肉加工の現場で働くことの大変さについて見ていくことにします。

食肉独特の臭いがどうしても取れない

食肉加工の工場では生肉を扱いますから、どうしても「食肉独特の臭い」とは切っても切れない環境であることは間違いありません。

勤め始めたばかりの頃は特に、「食肉の臭いがきつい」と感じて気分が悪くなってしまう人も大勢います。しかし仕事を続けるうちに臭いに慣れ、そのうち気にならなくなるという人が大半のようです。

ただし、問題は工場を出たあとにあります。自分は食肉工場の臭いに抵抗がなくなってきているとしても、家族や周囲の人にはそう感じられない場合もあるのです。

「なんだか変な臭いがする」といって避けられてしまうこともあるかもしれません。染みついてしまった臭いというのは消臭剤を使っても簡単には取れないため、つらい・きついと感じることも多々あるでしょう。

人手不足と長時間労働で体力的にきつい

スーパーなどで豚肉や鶏肉、牛肉のパック詰めを目にしない日はないように、食肉加工の工場は連日休みなく稼働しています。日勤もあれば夜勤もあるという勤務体系です。

そのため長時間労働になることも多く、体力的にきついと感じて食肉加工の仕事を辞めることを決断する人も少なくないと言います。

「食肉加工の仕事は単調な作業だから難しくはないけれど、やはり自分のプライベートな時間も大切にしたいと言って職場を去っていく人もいるようです。

すると食肉加工の工場には人手が足りなくなり、さらに既存のメンバーが長時間の勤務を強いられるという悪循環に陥ってしまうこともあります。

正確で素早い作業が求められる

食肉加工の仕事がいくら単純で簡単な作業であるとはいっても、のんびり・だらだらと仕事をして良いはずがありません。機械の回転に合わせた作業が必要になりますから、正確で素早い作業が求められます。

そのため、ある程度仕事に慣れるまでは少しきついと感じられることもあるでしょう。時には先輩職員から「もう少しテキパキ仕事をするように」と注意を受けるかもしれません。

そうしたことから、「簡単でラクな仕事だと思ったのに、意外と重労働でおどろいた」「よく考えてみたら、食肉加工って結構きつい仕事だった...」と口にする人もいます。

最初は誰でも初心者ですからうまくいかないことも当然あるでしょう。食肉加工の仕事も例外ではありませんが、地道にコツコツ続けていけば必ずコツをつかむことができるということを覚えておいてください。

きつい!でも辞めるのはもったいない?食肉加工の仕事をするメリット

単純作業の繰り返しだからラクにこなせると思っていたのに、意外ときついことにビックリしたと言われることが多いのが食肉加工の仕事です。

とはいえ、一般的なパソコン仕事に比べれば簡単で面倒なことも少なく、手順をきちんと覚えてしまえば滅多なことでは失敗しなくなるでしょう。

そのため、食肉加工の工場で仕事を始めて間もなく「きついから辞めたい」と申し出るのは少しもったいない場合もあります。ということで、ここからは食肉加工の仕事をすることで得られるメリットについて見ていきましょう。

学歴や経験は不問!特別な技術や能力が必要ない

食肉加工の仕事に就くために、学歴や経験は必要ありません。また、特別な技術や能力がなくても仕事をすることができます。とても敷居が低く、安定した仕事であることは間違いありません。

ですから、「特に職種は選ばないから自分にできる仕事がしたい」「取り急ぎ仕事をしてお金を稼ぎたい」という人にとっては、食肉加工の工場での仕事はメリットだらけと言うことができるでしょう。

食肉加工の工場が簡単になくなることは考えにくいですから、「きつい」と感じることがければ、長く勤められる可能性が高いという点も魅力的です。

万が一、工場が閉鎖という事態に追い込まれてしまっても、食肉加工の工場はたくさんありますから、次の就職先を探すのもそれほど大変なことではないでしょう。

未経験から「ものづくり」にかかわることができる

食肉加工の仕事も、大きな視点から見ると「ものづくり」の一環です。ですから、経験はないけれど「何かものを作る仕事にたずさわりたい」という人は、食肉加工の仕事にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

仕事を始める前までは分からなかった、食肉を加工する作業の工程の面白さに目覚めることができれば、きついと思うこともなく毎日楽しく作業ができるでしょう。

気力と体力があれば長く続けられる

食肉加工の工場では、勤務している間はずっと立って仕事をすることになります。そのため、気力と体力さえ備わっていれば、長く続けられる仕事である点は大きなメリットです。

トレーニングをしていて足腰に自信があるという人はもちろん、健康のためにあえて立ち仕事を選択したという人にとっても、きついと感じにくい・非常に働きやすい職場と言えるのではないでしょうか。

食肉加工の現場は確かにきつい!「無理かも...」と感じたら他業種にチャレンジしよう

食肉加工の現場で長く勤められるタイプの人や食肉加工の仕事のきついところ、さらに食肉加工の仕事をするメリットなどについて、いろいろな側面から解説してきました。

食肉加工の工場で働いたことがない人の目から見ると「きつい仕事」に見られがちな食肉加工の仕事ですが、実は慣れてみればそれほど大変ではない場合もあります。

とはいえ、一般的な仕事に比べると特殊な食肉加工の現場ですから、やはり「合う」「合わない」が発生してくることは仕方がありません。

もしも食肉加工の仕事がきつい・自分には合わないと感じるようであれば、無理をせず、早めに他業種にチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。

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