数学における【π】と【Π】の意味と違い、使い分けや使い方

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「π」と「Π」は共に同じギリシャ文字で、「π」は小文字、「Π」は大文字です。

ローマ字の「p」および「P」に相応し、「パイ」と発音されます。

しかし、数学においては各々別の事柄を指し、「π」は円周率、「Π」は集合体の積を意味します。

「π」が一つの数値を表すのに対して、「Π」は計算方法を示唆する記号です。

「π」の定義

円周率「π」は、義務教育で誰もが習う「3.14」という一定の値です。

円周率とは直径が1の円の円周の長さを言い、本来は小数点以下に限りのない「無理数」と呼ばれる定数で、実用的な部分として小数点第二まで「3.14」を用いられます。

直径に対する円周の長さはどのような大きさの円でも同じなので、「π」を用いれば円の直径さえわかれば円周や面積を計算することが出来ます。

「Π」の定義

集合体の積「Π」は式を書く時に使用します。

集合体とは、特定の数値を一纏めにして扱う考え方で、例えば「100以下の自然数の奇数をNとする」と定義されると、Nは1、3、5、7...と全部で50個の数字を入れた箱のようなモノになります。

ここで、そのNの中身を全て掛け合わせたい(=掛け算したい)場合、「1×3×5×7×...」と全て書き出すのは面倒なので、「Π Ni」と書きます。

「i」はNの中にあるi番目の数字という意味なので、「i」は1から50まで変化できます。

なので「Π」の下には最初のiである「1」を、上には最後のiである「50」を書きます。

すると、この式は「Π Ni = (N1)×(N2)×(N3)×...×(N50) = 1×3×5×...×99」という意味になるのです。

無理数「π」への挑戦

「π」の計算は、スーパーコンピュータによる演算能力の向上を目的とする時に一つの目標とされています。

勿論、小数点以下に終わりのない値なので、いかに早く小さな位まで計算できるかという点が、演算能力と結びつくのです。

円周率の存在自体は古代で既に確認されていた程数学の中でも古い値で、まだコンピュータの無い時代でも、人の頭で小数点以下数十桁までは計算できたと言われています。

また、円周率の小数点以下をどこまで覚えているか、記憶の限界に挑戦する人もいて、演算も暗記もギネス記録の対象となっています。

存在感のある「π」とより専門的な「Π」

「π」は義務教育範囲であり、「美しい値」の一つとして数学好きの中で愛好家が多いです。

3月14日を「円周率の日」と制定する国や地域もあり、丸いパイを焼いて食べるなど「パイ」に因んだ祝い方をするのが定番です。

集合体の積「Π」は、学生時代に理系へ進まないと馴染みがないかもしれませんが、主に物理学、統計学、確率論などで使用される大切な計算記号です。

延々と式を書くだけで日が暮れる事を想像すれば、たったひと文字「Π」だけで済む事が如何に有意義かがわかるでしょう。

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