FXでは値動きが定まらないレンジ相場があり、トレンドが出るまではレンジ相場で取引していかなくてはいけません。
レンジ相場では逆張りの取引となりますが、トレーダーの目からすればどこで反発するか分からないでしょう。
逆張りは順張りと比べ危険性のある取引なため、勘だけでやれば確実に痛い目を見てしまいます。
そんな逆張りの場面で効力を発揮するテクニカル指標がRSIです。
目次
RSIとはどんなテクニカル指標か
RSIはオシレーター系のテクニカル指標であり、チャート上では値動きの下に表示されます。
一本の線と0から100の範囲が表示され、線は相場の値動きに応じて推移していくのが分かるでしょう。
名称から分かるように他と同じく略称で「Relative Strength Index」の略で、日本語では相対力指数と表します。
読み方に関しては明確に決まっていませんが、単純にアールエスアイと呼ばれていることが多いです。
生み出したのはJ・ウエルズ・ワイルダー・ジュニアという方で彼は他にも様々なテクニカル指標を出しています。
年数としては1987年なため、そこまで昔というわけではなく最近といってもいいでしょう。
RSIが表すのは相場の強さ
0から100の範囲で線が推移しているRSIですが、その情報が表しているのは現在相場がどれくらい強いかです。
100に近い程相場が強い、多く買われていることを示し、0に近い程相場が弱い、多く売られていることを示します。
FXで取引する為替相場は買われれば相場が上がり、売られれば相場が下がるため上昇と下落の強さを示していると考えてもいいでしょう。
RSIを利用した取引
RSIを利用しての取引は基本的に相場が強くなったことによる反発を狙った逆張りです。
買われすぎと売られすぎによる反発
相場に永遠はなく上昇が続いてもいずかれは下落します。
相場において買われすぎ、売られすぎをトレーダーが感じるとそろそろ反発すると判断して反対側へ流れやすいのです。
そのため買われすぎ、売られすぎと判断できる数値まで動いたら反発を狙って逆張りをします。
買われすぎ、売られすぎのラインはトレーダーごとに感覚は違いますが、基本的に買われすぎは80か70、売られすぎは20か30の辺りで考えられるのが多いです。
そのため反発狙いて取引するとなれば、該当するラインに到達したところを狙いましょう。
基本の日数は14日
RSIを使えるとなれば設定で日数変更できるチャートも多いでしょう。
テクニカル指標の日数は短ければ短いほどシグナルの出る頻度が多くなりますが、逆にだましも多くなります。
逆に日数を長くするとだましも少なくなり明確なシグナルが出やすくなりますが、出る頻度は減ってしまうのです。
短くても長くても問題があるため適度な日数に設定する必要があります。
RSIの場合は一般的に14日が適切な設定されていることが多いです。
しかしトレーダーによっては14より減らした方が、増やした方がやりやすいケースも珍しくありません。
基本は14ですが、色々試して自分に合った日数を探してみるのもいいでしょう。
到達してすぐ注文はしない
RSIを利用しての取引でやってしまいがちなのが、ラインに到達してすぐ注文を入れてしまうことです。
トレーダーごとに買われすぎ、売られすぎの幅があるように、規定の数値に到達した場合でもそのまま流れる可能性はあります。
買われすぎを狙って80で売りの注文をしたとしても値動きと共に90まで動く可能性があるのです。
そのため規定の数値に到達したからとすぐ注文してはいけません。
注文するのはラインに到達した後、明確に反発して動くかを見極めてからです。
ラインに到達して伸びきり逆へ動けば反発したと判断できるでしょう。
確認した後に注文してください。
逆行による予想、ダイバージェンス
RSIの取引は基本的に逆張りとなりますが、順張りで利用できるシグナルもあります。
相場では時々テクニカル指標が値動きとは逆の方向へ動く現象が見られるのです。
ダイバージェンス、逆行現象と呼ばれるものであり、テクニカル指標の方が相場よりも先に流れを判断してしまったため起こるものといえます。
そのためダイバージェンスが起こると相場の方もテクニカル指標に遅れて流れを転換するケースが多いです。
ダイバージェンスが起これば相場も同じ動きになるため、普段の逆張りではなく流れに乗って取引する順張りをするチャンスとなります。
滅多に起きる現象ではなく見逃してしまうケースも多いですが、偶然見かけられたらチャンスを活かしましょう。
RSIが機能するのはレンジ相場と弱いトレンド相場
RSIは相場の買われすぎと売られすぎから反発するのを狙って取引するのを狙います。
しかし買われすぎと売られすぎで反発するのは相場の方向が明確に定まっていない時だけです。
方向が定まらず上下するレンジ相場、まだ偏る流れが弱く反発もしやすい弱いトレンド相場が対象となります。
逆に強いトレンド相場が発生すればRSI関係なしに相場は一方へ大きく動いてしまうでしょう。
トレンド相場の時はRSIも流れの方向へ応じた数値を維持してしまうため、逆張りすると高確率で損失となります。
トレンド相場では使えない、これがRSIの大きな欠点です。
そのためRSIだけで相場を分析しようとすれば痛い目を見てしまうでしょう。
RSIを利用する場合はトレンド相場を判断できるように
RSI単独で使えばトレンド相場になった時判断できず、そのまま流れに乗って損失を増やしてしまいます。
そのためRSIを利用する場合は他のテクニカル指標と組み合わせて使い、トレンド相場が起こっているか判断する必要があるのです。
基本的に組み合わせて使うテクニカル指標はトレンドの判断ができるトレンド系になり、以下のような種類を利用しましょう。
ちなみに以下は一例であり、オシレーター系列ゆえにRSIと組み合わせて使えるテクニカル指標も多くあります。
基本は紹介した種類で考えればよいですが、別のも試して自分なりの手法を編み出してみるのもいいでしょう。
線の動きで判断する移動平均線
テクニカル指標として最も基本的な種類で、多くのトレーダーが一度は使ったことのある種類です。
移動平均線は3本の線で構成されるテクニカル指標であり、線が値動きのどこにあるかで現在の相場が分かります。
上にあれば下落傾向、下にあれば上昇傾向ですがそれだけではトレンドが発生しているか判断できません。
トレンドを判断するのは移動平均線が抵抗線として機能しているかです。
実際にトレンド相場が発生すれば移動平均線は値動きを支えるように推移するため、視覚的に分かりやすく判断できます。
難点として移動平均線は単純移動平均線、SMAなため相場に応じた変化が遅く出てしまうことです。
取引タイミングが遅れてしまう可能性が高いため、判断に焦らないよう気をつけましょう。
バンドの形で判断するボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドはシグマと呼ばれる幅が上下に数本形成されるテクニカル指標です。
基本的に2本目のバンドを突き抜ける心配はないため、ボリンジャーバンドそのものも逆張りで使えます。
性質を利用してバンド幅まで来たところをRSIが規定の数値まで来たかと合わせて逆張りも考えられるでしょう。
RSIのためにトレンドの分析として使う場合はバンドの形がポイントです。
ボリンジャーバンドは通常バンド幅が平坦に推移していますが、トレンドが起こると幅が広がり流れの方向へ幅が向きます。
幅が偏ったと判断できたらトレンド相場が発生したと判断できるでしょう。
逆に幅が縮まり元に戻るとトレンド相場の終了と判断できるため、RSIを利用しての逆張りを再開する目安も分かります。
クロスで判断するMACD
MACDはRSIと同じオシレータ系ですが、トレンド系とみなされる場合もあるテクニカル指標です。
MACDはMACDとシグナルという2本の線が推移しており、線によるトレンドの転換を示すクロスを取引シグナルとするのが基本となっています。
クロスが発生したということは見方を変えれば相場の転換によりトレンド相場が発生したとも見れるのです。
クロスはゼロラインと呼ばれる真ん中の線から離れれば離れるほど、線の突き抜け方が綺麗な程説得力のあるシグナルとなります。
クロスが発生したと分かったらRSIでの逆張りはやめた方がいいでしょう。
逆にクロスも発生しておらずゼロライン付近で推移している場合はレンジか弱いトレンドであると判断できRSIも機能させられます。
線と雲で判断する一目均衡表
一目均衡表は3本の線にスパンと呼ばれる2本の線で作られた雲で構成される情報量の多いテクニカル指標です。
雲は抵抗線として機能し、値動きのどこにあるかで現在の相場が分かります。
トレンドを判断するために利用する分析方法は3本の線のうち、基準線と転換線と呼ばれる2本の動き方です。
3本の線は移動平均線と同じ性質なため、値動きを支えるように動けばトレンドが発生していると判断していいでしょう。
しかしこれだけだと移動平均線を使えばいい話であり、一目均衡表特有のプラスした分析方法としてはやはり雲の使い方です。
雲は単なる抵抗線としてだけでなく、その厚さで相場の強さを表します。
雲が厚ければ厚い程相場は強く抵抗線として機能し、逆に薄ければ弱く、簡単に雲を抜けてしまう可能性が高くなるのです。
雲を抜けられる程薄い場合は相場が大して強くない証明となるため、RSIを使える相場と判断できます。
他にも値動きが雲の中に入ると抜け出すまで時間がかかりやすくなります。
そのため雲の中に入った時もRSIによる逆張りを狙えるのです。
しかし中々出ない分雲を抜けると一気に抜けた方へ動くため、値動きが抜けていくかの判断もしましょう。
RSIを利用して取引をする場合
規定のラインまで到達したのをシグナルとし、取引すると書けばRSIを使ったやり方は一見簡単なように見えます。
しかしRSIを利用する場合、以下の点を理解しておきましょう。
相場を読み取るようにしておく
相場の状態で機能するかしないかが変わるため、RSIを使う場合は相場が今どのようになっているかを読み取れる力が重要になります。
先ほど紹介したRSI以外のテクニカル指標を利用して分析する方法はありますが、完全にトレンドの判断ができるとは限りません。
今の相場がトレンドか、RSIを使うのに適しているかは実際テクニカル指標による分析をし相場の経験を重ねないと難しいです。
トレンドの強さも分析しなければいけないため、RSIで取引を考える方はレンジ、トレンドだけでなくトレンドの強さも分析できるようにしましょう。
損切りできる判断を持っておく
RSIを使っての取引は必然的に逆張りが多くなります。
相場の流れに乗る順張りと比べ、流れに逆らう逆張りは危険度も高いやり方です。
そのため取引を続けていけば確実に予想が外れ、流れが反対へ行ってしまう時も出てくるでしょう。
RSIは0から100で推移するため、規定の数値を超えて流れたとしてもすぐ戻ってくると考えてしまいがちです。
しかしRSIの数値はあくまで売買の強さを表すものであり、高い、低い数値を保って大きく推移します。
ポジションをそのまま持ってしまえば大きな損失が出てしまうでしょう。
そのためRSIで取引をする場合は予想が外れた時にすぐ損切りする判断が必要となります。
損切りが必要なのはどのような手法でも同じですが、RSIの場合は逆張りがメインとなるため短い時間での判断が求められるのです。
まだ損切りが上手くできないと考えられる方は手を出さない方がいいでしょう。
トレーダーごとに可能性を秘めるRSI
RSIを利用したトレーダーの中には、チャート上で値動きではなくRSI側にトレンドラインを引くという手法を用いた方もいます。
実際にRSIへトレンドラインを引いたことにより、大きな利益を出したトレーダーも存在するのです。
このようにRSIは使い方次第で、より稼げる可能性を秘めているテクニカル指標ともいえます。
これからRSIの利用を考えている方は自分なりの使い方を探してみるのもいいでしょう。