FXでは自分が取引しなくても機械側で自動に取引してくれる自動売買があります。
自動売買も一種類ではなく様々な種類があり、特徴に応じて選ぶ必要があるでしょう。
その中でも近年国内で有名になったのがリピート系と呼ばれる自動売買です。
しかし自動売買を利用したことがないトレーダーからすれば、リピート系とは何か知らない方が多いでしょう。
ではFXにおいて自動売買のリピート系はどのような取引で、どう活用すればいいのでしょうか。
目次
何度も取引を繰り返すリピートの自動売買
音楽を聴いたり動画を見たりしている方は分かると思いますが、リピートは繰り返すを意味する英単語です。
そのため自動売買においてもリピート系と呼ばれる種類は相場において同じ取引を何度も繰り返す形式になります。
例えばレンジ相場は値動きが定まらず上下に動く状態なため、取引をしようと思えば範囲内の天井か底を目安にするでしょう。
リピート系は値動きの中において天井と底に到達すれば取引をし、反対側へ動いたら決済する取引です。
しかし単純に書けばこうですがリピート系の場合は少し取引のやり方が違います。
天井や底に付けばそのまま反対側の方向へ相場を動くでしょう。
リピート系ではこの反対側へ到達するまで、その間に何度も売買を行うのです。
相場が下落から上昇に向かえば上昇している間に何度も買いで注文し、売って決済を短い間隔で繰り返しています。
短期間の取引を何度も行うことからリピート系と呼ばれるのです。
トレーダーが注文をする時は1回ごとに取引量、買うか売るかを設定しなければいかず約定されるまである程度のタイムロスがあります。
そのため短期間で何度も繰り返して注文をするのは不可能に近いです。
リピート系による短期間での繰り返しは機械側で行うからこそ自動売買ならではの手法になっているでしょう。
リピート系はFX業者が提供している
リピート系の自動売買を利用しようと考える場合、大抵の場合はFXで口座開設できる業者が提供しているのを使うことになります。
FXの業者は口座開設して取引できるだけでなく、様々な情報やサービスを提供していますがリピート系の自動売買もその一つです。
一言でリピート系と称しても提供している業者により特徴には違いがあります。
業者の中には特許を取得し、他の業者が真似して利用できないようにしているところもあるのです。
そのため選ぶ業者によりリピート系の使い勝手も変わってくるでしょう。
自動売買はプログラムでどう取引するか構築できるため、取引できる業者以外で提供しているツールを利用してリピート系の取引をすることも可能です。
有名なMT4もプログラムでどう取引するか決めるため、リピート系の内容に構築すれば擬似的に自動売買させられます。
しかし業者提供以外のツールは他者のプログラムを使えるといえど、一から用意して構築しなければいけません。
初心者にとっては敷居が高いため、基本的には業者の提供しているのを使う方向性で考えることになるでしょう。
業者で違うリピート系の種類
先ほど業者によってリピート系でも特徴は違うと書きました。
リピート系としては主に以下の業者と提供している種類があります。
マネースクエアのトラリピ
リピート系として国内において有名なのがマネースクエアが提供しているトラップリピートイフダン、通称トラリピと呼ばれるツールです。
実際多くの業者はトラリピを参考にしてリピート系を構築したため、国内におけるリピート系の元祖といってもいいでしょう。
先ほど業者の中には特許を、と書きましたがマネースクエアも該当しており、完全なトラリピを使うにはマネースクエアを使うしかない状態となっています。
トラリピとは名の通りIFD、イフダンの注文を繰り返し、その中でリピートとなる注文を設定しておく取引形式です。
リピート系は相場が流れる際、一定の間隔をおいて決済するポイントを決めています。
ポイントを決めることで到達するごとに注文、決済を繰り返して成立させているのです。
相場の流れに絶対はなく、同じような繰り返しの流れになるとは限りません。
時には動ききらず途中で反転してしまう時もあるでしょう。
トラリピの場合はポイントを決めておくことで反転した時に、損失とならないよう決済する仕組みとなっています。
トラリピでは他に決済トレール注文と呼ばれる機能があり、途中で決済をせず動くところまで動かして反転したところで決済してくれるものです。
このため1回の取引ではほとんど利益が出ないとされるリピート系でもリスクを抑えつつ大きな利益を狙えます。
他にもトラリピ管理表というものがあり、自分が設定しているトラリピを一覧で確認できるのです。
ちなみにFX以外にも株式でトラリピによる自動売買が可能になっています。
FXで取引するトレーダーにとっては無縁のものですが、他の投資を考えている方は頭に入れておくと役に立つかもしれません。
アイネット証券のループイフダン
トラリピ以外にリピート系として有名な種類がアイネット証券の提供しているループイフダンでしょう。
ループイフダンはトレーダーが提示されている選択肢を選び、それに応じて自動売買をしてくれるツールです。
トレーダー側がすることは取引する通貨ペアとシステムを選ぶ、たったこれだけとなります。
そのためほとんどFXについて知らない初心者でも簡単に扱えるツールになっているのです。
リピート系は自動売買の取引となるため、使う前にどう取引するかプログラムを構築する必要があります。
しかし初心者だけでなく自動売買を使ったことがないトレーダーでも、どう扱おうか困ってしまう時があるでしょう。
ループイフダンは選択肢が少ない故に迷う心配がないのです。
もちろん自動売買でも相場の状況によっては取引を繰り返すことで損失が出てしまう時もあるでしょう。
機械側だと判断できないため損失が出ていても止められませんが、ループイフダンの場合は話が変わります。
マイセーフティ機能というものがあり、設定した金額を超えて損失が出た場合、自動で取引をやめてくれるのです。
一方でトレーダー側ができることは少ないため、利用の幅が狭いのはデメリットといえるでしょう。
そのためツールとしては初心者向けともいえます。
インヴァスト証券のトライオートFX
インヴァスト証券が提供しているリピート系はトライオートFXと呼ばれるものであり、名前だけは聞いたことがある方もいるでしょう。
リピート系はポイントを決めて取引を繰り返す形式ですが、トライオートFXはこのポイントの幅を自分で決定できる特徴があります。
そのため相場の値動きに応じて幅を変えて対応できるのです。
単に流れの方向へ動いたらだけでなく「どれくらい反転したら取引するか」の幅も決められます。
別々に設定できるため、やり方によってはトラリピのような形式に構築することも可能です。
トラリピで取引したい場合はマネースクエアを選んだ方がよいのですが、他の面で別の業者を使いたいと考えるトレーダーは擬似的に利用してみてもいいでしょう。
ちなみにマネースクエアと同じく別の自動売買ツールを利用してFX以外の取引をすることも可能です。
インヴァスト証券の場合は株式以外もあるため、取引できる対象を考えて選ぶのもいいでしょう。
外為オンラインのiサイクル注文
外為オンラインは国内業者の中でも有名ですが、リピート系を普及させたきっかけの業者にもなります。
そんな外為オンラインが提供しているリピート系がiサイクル注文と呼ばれるツールです。
有名業者が提供しているツールだけあり、利用したことがない初心者向けの内容になっています。
通貨ペアと期間、ポジション方向を選択した後、内容からどのようなリピート系となるか機械側で自動に構築してくれるのです。
トレーダー側は構築する必要はなく決められた項目を設定するだけでいいため、知識がなくても利用できます。
他と違う大きな特徴として通常の取引だけでなくデモ取引にも利用できることです。
自分の資金を使うことなくデモという形でリピート系の自動売買がどういうものかを試せます。
リピート系の自動売買を使う時に考えること
リピート系に興味が出て使ってみようと考えても、単純に使おうとして勝てる程FXは甘くありません。
業者が提供している種類のを使う関係上、それも含めて考えなければいけないでしょう。
コストも考えて選び使う
自動売買は便利なツールですが、業者側も何もなしに提供しているわけではありません。
ツールを利用するシステム手数料を取るため、通常の取引よりスプレッドが広くなっているのです。
広がりの度合いは業者により違いますが、本来狭いはずのドル円でもリピート系を使う場合は他の通貨ペアと変わらない広さになってしまいます。
業者の中にはスプレッドだけでなく取引をすることで固定の手数料を取るところもあるのです。
手数料があれば利益を得たとしてもその分減ってしまいます。
手数料も考えてリピート系の利用ほ考えなければいけません。
逆に言えば選ぶ際にはどれくらいの手数料がかかるかを確認しましょう。
業者により特徴は違うものの、そこまで拘らない場合は手数料がかからない業者を選んだ方がいいです。
取引できる通貨ペアにも気をつける
手数料以外には通貨ペアも考える必要があります。
FXでは業者によって取引できる通貨ペアは変わり、メジャー通貨はどこでもできますがマイナーになると可能と不可能の差が現るのです。
メジャー以外で取引したい場合は提供している業者を選ばなければいけません。
気をつけたいのは通常の取引と自動売買における取引で扱っている通貨ペアの違いです。
業者によりますが通常では取引できても自動売買では選択肢に入っていないというケースも珍しくありません。
メジャーであれば問題ありませんが、マイナーの場合は通常では取引可能でも自動売買ではできないという事態に陥ってしまうのです。
使う前に取り扱われている通貨ペアの確認をし、場合によっては自動売買は割り切ってメジャーを中心に取引を考えるといいでしょう。
資金は十分に用意する
FXは取引量に応じて値動きで得られる利益と損失が変わってきます。
リピート系の自動売買では手数料がかかる以上、少ない枚数だと利益が減ってしまうでしょう。
値動きによっては減るどころか差し引きマイナスになってしまう恐れもあるのです。
更にリピート系は必ず利益が出るとは限らず、流れによっては損失を抱える時も出てきます。
そのためリピート系を使う場合は手数料が響かず損失も許容できるのを考えた上で十分な枚数による取引ができる資金を用意しましょう。
放置せず確認を忘れない
リピート系を使えば必ず勝てるというわけではありません。
自動売買は設定によって相場の強さが変わり、強い相場であれば問題ありませんが弱い相場になると負けの続く可能性が高くなります。
負けの続く相場で使い続けると資金を減らしていく羽目になってしまうでしょう。
ループイフダンであれば設定により損失は抑えられますが、他のツールを使っている場合は自分の目で確認し手で動かさなければいけません。
そのため放置せずに定期的に相場を確認し、使い続けるか停止するか判断しましょう。
大きな利益は出難い
リピート系は流れの中で取引を繰り返すため、手数料の存在もあって出る利益はそこまで多くありません。
リスクを抑えた取引はできますが、その分大きく稼ぐことはできないのです。
取引で大きな利益を稼ぎたいと考えている方はリピート系を使わず別の自動売買か自分の腕でやっていく必要があるでしょう。
トレーダーは大きなリターンは出ないことを理解してリピート系を利用しましょう。
リピート系だけに頼らない
リピート系は完全無欠の自動売買ではなく、これだけで勝てるようにはなりません。
実際リピート系だけで勝てていれば世の中に多くの負けトレーダーはいないでしょう。
リピート系は自分で考えなくてもいい分、取引に対する経験が積めないという大きなデメリットがあります。
そのため頼りすぎるといつまで経ってもFXの腕が上達しません。
初心者向けのツールもありますが、利用するとしても頼りっきりにならず自分でも取引していくようにしましょう。