【通院】と【入院】の意味と違い、使い分けや使い方

医療が進歩して、最近では日帰り入院なども増えて来ました。

そのため、入院なのか通院になるのかよく分からないケースも多いです。

一番手っ取り早い確かめ方は、医療機関での支払いの際に貰った医療費の領収書を見ることです。

この領収書の入院基本料という項目を見てみましょう。

この欄に保険点数が書いてあれば、入院扱いです。

通院の場合は「入院基本料」は発生しません。

「通院」の意味

病院や医院に通うと書いて「通院」です。

文字通り病院や医院やクリニックに治療のために通うことを、通院と言います。

40歳以降のビジネスマンの中には、高血圧や悪玉コレステロールが高いなどの理由で、1~2か月に1回クリニックに通っている人も多いでしょう。

診察を受けたり採血をして検査を受けたりして、その結果に基づいて医師が薬を処方します。

患者さんは服薬したり血圧を測ったり食事に気を付けるなどで、自身で自分の健康管理を行います。

そしてその結果を次回の診察時に医師に報告します。

医師は、検査結果や診察結果と合わせて、今まで通りの薬でOKか薬を変更や追加を検討し、患者は医師から処方された薬を服用し、食事に気を付ける等で自己管理するのが通院です。

気分不良で夜中の2時に救急搬送されて、外来のベッドで点滴を受けて、朝の8時には元気になって「帰宅していいですよ」と言われた場合はどうでしょうか?
「1晩病院で寝たのだから、入院じゃないの?」と思うかもしれませんが、病院側が入院基本料を徴収していなければ通院扱いとなります。

病室ではなく外来のベッドで1晩寝た場合は、通院となることが大半です。

「入院」の意味

外来診察室や外来処置室での治療や検査では不十分な時や手術が必要な時に、病棟内のベッドで処置や治療を受けたり、手術を受ける必要がある時は入院となります。

では、次のようなケースはどうでしょうか?
朝10時に手術をして、その後病棟のベッドで点滴などを受けて、夕方の5時に会計を済ませて病院を出て家に帰ったときは、入院なのか通院扱いなのか判断が難しく感じるでしょう。

「1泊もしていないのだから、通院かなあ?」と思う人も少なくないと思います。

このケースは、おそらく日帰り入院になるでしょう。

領収書の入院基本料が、何点か点数がついているはずです。

日帰り入院は、入院日と退院日が同じで入院基本料が発生していると言う条件が必要になります。

夜中の2時に救急搬送されて朝の10時に退院した場合も、入院基本料が発生していれば「日帰り入院となります」

日帰り入院になるケースが多い疾患

昔は入院して治療していた疾患も、今では日帰り入院で対応できるようになりました。

例えば、初期の虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術や内視鏡による胃や大腸のポリープ切除、痔の手術、下肢静脈瘤、尿路結石の破砕術、左右両方の親知らずを抜歯する、などは日帰り入院で術後の経過を数時間の間、病室で管理してから何もなければその日のうちに退院となることが多いです。

40年くらい前は、盲腸で1週間入院などはザラでした。

昔はお腹を3センチほど切って開腹しての手術でしたが、今は開腹しなくても腹腔鏡で5ミリほど切っただけで手術ができるので、数時間後に退院です。

朝入院して夕方には退院というケースが多いので、「早く仕事に戻れて良かった」と思う人がいる一方で、「病気の時くらいは、もう少しゆっくりのんびりしたいよ。

ここの看護師さんはみんな美人で優しいからなあ」などと思う人もいるでしょうね。

通院と入院の違いは「入院基本料」が発生するかどうかです。

入院扱いになるのか、通院扱いなのかどちらか分かりにくい治療も増えて来ました。

判断に迷った時は、医療機関から貰った領収書の「入院基本料」が発生しているかどうかを見てみましょう。

ここに点数が書いてあれば入院、何も記載がなければ通院という事になります。

加入している生命保険の種類によっては、日帰り入院の場合でも、生命保険会社から給付金が出ることがあるので、日帰り入院なのか通院なのか、どちらになるのか分からな時は、あらかじめ事務員さんなどに聞いて確かめておくと良いでしょう。

入院患者にはもれなく付いてくるという感じの生命保険の書類のために、医師は夜遅くまで残って書類の作成をしています。

生命保険会社からの書類は、できる限り早めに医師や看護師に渡しておいてください。

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