【早い】と【速い】の意味と違い、使い分けや使い方

漢字には同じ読み方でも意味の異なるものが数多くあります。

当然、意味が異なるため、同じ文章で一緒に使われることはありませんが、中には意味が違ってはいても文章自体は成り立つものがあります。

それが、「早い」と「速い」です。

早いは基本的に時間が基準より過ぎていないことを指し、速いは動作の進行がすみやかであることを意味しています。

速いとは

「速い」を使う場合は、以下のようなスピードに対するものになります。

・動作を完了するまでに費やした時間が短い
・一定時間に動く距離、作用する量が大きい
・動作がすみやかである
例えば、「馬の足は速い」、「仕事が速い」などと表現されます。

また、「速」という漢字の入る熟語は「迅速」や「加速」、「高速」など、動作を表すものがほとんどです。

早いとは

「早い」の使い方は、以下のような時間に対するものになります。

・基準より時間、時期が前である
・開始後あまり時間が経っていない
・まだその時期ではない
従って、使われ方は「休暇が早く始まる」、「止めるにはまだ早い」などになります。

早の付く熟語も「早朝」や「早春」など時期がはやい、「早熟」や「早婚」など成すにははやいを示す言葉になります。

速の字の由来

「速」という字の「束」は、木を紐でまとめた様子を表しています。

つまり、「束」には、バラバラになっていたものをまとめる、縮めるという意味を持っています。

そして、「束」に進むという意味を持つ「?(しんにょう)」の付いた感じが速です。

従って、速という漢字は「進むことを縮める」という意味になり、時間を縮める、スピードを上げるという意味を持つようになります。

意味が違っても成り立つ文章

同じ文章で早いと速いが使われると、違った意味に解釈できます。

例えば、『明日の仕事ははやいぞ』と言われた場合、早いを当てはめると開始時間が早いと読めます。

一方、速いと書くと、スピードを上げて行うとなります。

実は、早いと速いの区分けには曖昧さがあります。

例えば、「早足」は速度を表しているのに、「速足」ではありません。

また、「素早い」も意味からすると、「素速い」が正しいように思えます。

暗記するしかない面が多くなっています。

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