【効く】と【利く】の意味と違い、使い分けや使い方

「きく」という漢字の中に、「効く」と「利く」があります。

例えば、「パンチが効いた」や「気が利く」などと使われます。

どちらも、良い働きをするという意味に使われることは分かりますが、どのような働きの違いがあるのか分かりにくい面があります。

実は、働きの違いという点で、効くは他のものに作用することであり、利くはうまく機能するということを意味しています。

効くとは

「効く」は、別のものに作用することで、効果や結果を出すという意味になります。

例えば、「胃薬が効いた」というのは、薬が身体という別のものに作用し、体調を回復させる効果を生んだことを表しています。

効くは単に良い働きをするというだけではなく、別のものに効果や結果をもたらすことに使います。

従って、必ず「何々に」効くという形になります。

利くとは

「利く」とは、ものがうまく機能することを意味しています。

例えば、「鼻が利く」という言葉は、嗅覚が発達しており、他人よりも匂いをかぎ分ける能力が優れていることを示しています。

すなわち、利くは自身の働きのことであり、効くのような「他のものに作用して結果をもたらす」という意味はありません。

従って、何々に利くという言い方はありません。

効と利

効くの「効」の字を使った言葉として以下などがあり、全て他への働きかけを表しています。

・効果:働きかけによって現れる結果
・効能:良い結果もたらすことのできる働き
・効率:労力と成果の割合
利くの「利」の字を使った言葉には以下などがあります。

全て、自身に関わることになります。

・利益:事業の収益や自分の得
・便利:都合よく役立つ

作用の違い

効くは、あるものが別のものに作用する時に使われます。

例えば、「彼女のCMが効いた」は、彼女の魅力でユーザーが増え、売上が伸びたということです。

また、「冷房が効く」は冷房装置によって部屋の涼しさが増したということです。

一方、利くは、本来の働きを十分に果たすことを意味しています。

例えば、「右利き」は右手が本来の役割を果たしています。

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