どれも、反対意見を述べる、ということを意味していますが、どれもニュアンスが少しずつ異なります。
「苦情」は、「不満や不快感」に重点がおかれています。
「クレーム」はどちらかというと、言われる方の視点からの言葉です。
次に「文句」は、不賛成の言い分をさします。
最後に「抗議」は、すでに確定しているものに対する反対意見という意味合いがあります。
「苦情」の意味
被害を受けたり、不横柄な扱いを受けたり、迷惑を受けたりしたことに対しての不満や、不快な気持ちをさします。
また、それを述べた言葉そのものも「苦情」と言います。
用例として、「苦情を持ち込まれる」「階下の住人から苦情を言われる」「苦情処理の仕事は厄介だ」などがあります。
「文句」よりも冷静なニュアンスはありますが、不快感を伝えるという点では同じです。
「クレーム」の意味
本来の辞書的な意味は、商業における取引で、契約の当事者から出される損害賠償の請求を伴った苦情のことをさします。
そこから転じて、日常の中での一般的な苦情や注文を意味する言葉として使われることが多くなっています。
過剰にクレームをつける人のことを「クレーマー」と呼んだりもします。
「苦情」などと比べて、感情的な部分に重点を置いた苦言が、クレームです。
「文句」の意味
不平や、不賛成などの言い分をさします。
また、苦情をもほとんど意味は同じですが、こちらの「文句」には、賛成できないだけでなく機嫌を損ねている、というニュアンスも加わっています。
用例としては、「文句ばかり言って解決策を出さない」「文句なしの仕上がりだ」「姑から何かと文句をつけられる」などがあります。
クレーム同様、「つける」という動詞を用います。
「抗議」の意味
相手の行動や対応の仕方などに、反対の意見や苦情を述べることをさします。
また、その言葉自体も「抗議」と言います。
これは、決められら法令や決まり、すでに出てしまったスポーツなどの判定に対して使われることが多いです。
例えば、「審判の判定に抗議する」「その条例は人権を侵害していると抗議する」のように使います。