携帯ショップを訪れてみると、比較的若い販売員が多いことに気がつくでしょう。
携帯ショップの販売員は学歴や経験がなくても就職がしやすい職種と言われており、誰にでもできる簡単な仕事だと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には多くのお客様の対応をしなくてはなりませんし、次々とリリースされる新商品やサービスプランの情報など、覚えなければならないことも多く、想像以上に激務です。
若い販売員が多いのは、負担にくらべてお給料が安い場合も多く、将来性が不安なことから、長く続ける人が少ないといった理由もあります。
携帯ショップで働いていて、仕事に不満があったり、先行きに不安を感じているのであれば、早めに転職を考えることが必要です。
今回は携帯ショップの販売員によくある苦労やデメリットと、早めの転職を検討するべき理由について解説します。
目次
携帯ショップ販売員はここが大変
携帯ショップの販売員は、考えているほど楽な仕事ではありません。
お客様に商品の説明だけをしていればいいというものではないのです。
そこで実際に携帯ショップで販売員として働いたことのある人たちに、携帯ショップ販売員の仕事の大変さを聞いてみました。
仕事の中心は商品やプランの説明
重い荷物を運んだり、炎天下や寒い屋外での作業と違い、屋内での座り仕事がほとんどの携帯ショップの販売員は、楽な仕事と思われがちです。
しかし訪れるお客様の対応をして、一日中商品やプランの説明をしゃべり続けることは、相当の体力を必要とします。
人と話すことが好きという人でも、大半の内容は会話ではなく説明になりますので、あまり楽しいものではありません。
覚えることが山のようにある
日進月歩でテクノロジーが進歩する携帯業界では、次々と新しい機種がリリースされます。
数年前に比べても携帯でできる機能は飛躍的に伸びており、便利になる一方で覚えなければならないことも増えています。
また各社の競争もはげしく、顧客獲得のための新しいサービスプランが続々とリリースされています。
携帯ショップの販売員には、それらの情報をすべて把握して、お客様のために最適な機種とプランを提案する知識が求められます。
加えて接客業の基本であるクレーム対応や、手続きに関するパソコンの操作など、覚えるべきことが山のようにあるのです。
休日や祭日などは息つくひまもない忙しさ
接客業全般にいえることかもしれませんが、休日や祭日は携帯ショップを訪れる人が急増します。
平日は仕事や学校で忙しい人や、家族づれのお客様などが集中することが多く、休日の携帯ショップは目の回る忙しさです。
長く待たされてイライラしたり、休みのあいだに携帯の不調をなんとかしたいお客様などの不満が爆発することもあります。
お客様の前では常に笑顔でも、スタッフのあいだでは緊張した状態が続きますので、一日の終わりには疲労困憊です。
満足に休憩をとることもできない
お客様はこちらの都合にあわせて来店してはくれません。
昼休みでも関係なくお客様は訪れますし、タイミングによってはひっきりなしに対応しなければならないこともあり、満足に食事や休憩がとれないことも稀ではありません。
店長がローテンションに配慮してくれる人であればいいのですが、売上に必死なお店などでは、無理をしてでも仕事をさせられる場合があります。
仕事が終わらずに帰宅が遅くなることも
携帯ショップの営業時間は、特別深夜営業をしているということはなく、だいたい常識的な時間に営業が終わります。
しかし帰宅途中に立ち寄るお客様もいるため、19時~20時頃まで営業を行うところが多く、一般の企業に比べるとやや遅めの時間となります。
ですが営業時間が終わっても仕事が終わるわけではありません。
集計や残務処理などの締め作業は閉店後に行われるため、場合によっては仕事の終わりが22時を過ぎることもあります。
労働基準法がありますので、始業から終業まで働かされ続けるということは、制度的にNGですが、早番で出社してそのままズルズルと終業まで働くはめになるといったケースも多いようです。
さらに本来ルール違反ではあるのですが、新人研修を業務時間外に行う店舗もあったりするので、時間通りに仕事を上がれるとは限りません。
帰宅時間が遅いことは、携帯ショップで働く人からよく聞く悩みのひとつです。
残業代がつかないこともあたりまえ
これも労働基準法に違反しており、本来あってはならないことなのですが、残務処理などで残業しても報酬に反映されないというお店もあります。
昨今では労働基準監督署などの指導も進んでおり、あからさまにサービス残業を指示するようなことはありません。
ですが、職場全体にタイムカードを押したあとでも残業するのはあたりまえといった雰囲気がつくられ、半ば強制的に残業を強いられているといった声も多く聞かれます。
お客さまからのクレーム処理は日常業務
日々進歩している携帯電話。いまではスマートフォンがあたりまえで、その機能はちょっとしたパソコン並みになっています。
そのような精密機器でありながら、日常的に持ち歩くものですので、故障などの不具合が起きることも少なくありません。
あきらかに機種の問題であればクレームを受けるのも仕方のないことです。
ですが、誤った操作や乱暴な使い方による故障や、サポート対象外のアプリについてまで、理不尽とも思われるクレームも多くあります。
興奮して一方的に責め立てられるようなクレームを受け続けることで、精神的にまいってしまう販売員もいます。
優先されるべきは売上という売上至上主義
ますます高性能、多機能になるスマートフォン。使いこなせる人にはいいのかもしれませんが、よくわからない人や年配の人にとっては使いかたを覚えるのも大変です。
ですが売上を上げたいことから、必要のなさそうな人たちにも様々なオプションをすすめる販売店があります。
知識のないお客様は、よくわからないままにハイスペックな機種や必要のないオプションをつけて買わされてしまいます。
このような売上至上主義的な店の方針に疑問をもち、罪悪感を抱えながら仕事をしている販売員もいます。
複雑な機能を年配のお客様に説明するのが難しい
年配のお客様が多いような販売店では、多機能なスマートフォンの使いかたを説明するのは大変です。
最近は簡単に使えるような機種もリリースされていますが、新しいことを覚えるのが難しい年配のお客様には、苦労される方も多いようです。
そのようなお客様に対応して、手とり足取りひとつひとつ説明するのは時間がかかかりますし、忍耐力も必要になります。
低賃金で働かなければならない
携帯ショップの販売員のお給料は、あまり高くありません。
覚えることも多く大変な仕事であるにもかかわらず、正当に評価された収入が得られているかと問われれば、その可能性は低いと言わざるを得ません。
お給料が高ければ激務にも耐えられるかもしれませんが、やる気をそこなって辞めてしまう人が多いようです。
職場の人間関係に疲れる
携帯ショップの販売員は比較的女性が多い傾向にあります。
女性だからという理由だけではありませんが、お店によってはいじめや陰口などの陰湿な雰囲気や派閥争いなどがあります。
年齢層も若いことから、飲み会や合コンなど職場の付き合いも多く、断ることがなかなか難しいため、苦手な人には大変つらい環境です。
販売員の中には人間関係に悩んで体調を崩したり、精神的に追い詰められてうつ病などになってしまう人も少なくないのです。
働けなくなってからでは元も子もありません。どうしようもなくなってしまう前に、信頼できる人に相談したりすることが大切です。
携帯電話の業界とショップの将来性
数年前までの携帯市場はいくつかの大手通信会社が独占しており、比較的安定していました。
ですが近年では格安スマートフォンや新規会社の参入により、低価格競争が激化してきているようです。
利用料金などに関しても、いままでの大手会社の設定価格に疑問が投げかけられ、是正される動きになっています。
今働いている職場が将来的に安定しているかどうかは約束できません。
将来を見据えてもう一度考えよう
接客業の楽しさや、やりがいを感じることのできる携帯ショップの販売員は、もちろんいい面もありますが、長い目で考えると疑問が多い職種です。
仕事に関する将来性と、自分自身の今後の人生をもう一度じっくりと考えてみることが必要です。
早めに転職をするのは間違いではない
ひとつのところで働き続けるのは決して悪いことではありませんが、先行きに不安を感じているのであれば、早めに転職を決断するのも間違いではありません。
今後携帯市場が縮小されていった場合、自分が働いている職場だけでなく、他にも多くの同業者が仕事をなくすことが考えられます。
そうなれば再就職のための競争は激しくなりますし、希望する転職先は年齢的に制限されてしまうことがあるかもしれません。
未経験でも新しい仕事に対するやる気があり、様々なことにチャレンジする力があるうちに転職を考えるのは悪いことではありません。
早めに転職を決断することはチャンスでもあるのです。
探すべきは働き続けることができる仕事
転職を考えるならば、転職エージェントに相談することをおすすめします。
探すべきは長く働き続けることができる職場です。
接客やパソコンの操作、商品の管理などといった携帯ショップで働いた経験を活かすことができる事務系の仕事などがいいかもしれません。
素早い対応や、ルールに沿った仕事、ひととおりのマナーや言葉遣いが求められる事務関係の仕事には、いままで得たスキルが必ず役立つはずです。
またそのスキルをアピールすることで、再就職への道も開けます。
転職エージェントであれば、そのような適性にあわせた仕事や、希望する職場に沿った再就職先を探すお手伝いをすることができます。
転職先を探すことから、面接やちょっとした疑問にまで、転職エージェントがサポートいたします。