スキャルピングの損切りや利確のタイミング。取引の注意点とは?

スキャルピングは超短期取引であり、すぐに結果の出るスタイルなため採用しているトレーダーも多いでしょう。

すぐに決済する取引スタイルではあるものの、問題となるのが利確と損切りです。

相場の流れにもよりますが適当に決めて取引していると損失の方が大きくなる可能性は高いといえます。

ではスキャルピングにおける利確と損切りはどのように決めればいいでしょうか。

スキャルピングについて

利確と損切りの前にスキャルピングのおさらいをしておきましょう。

スキャルピングは取引スタイルの一種であり超短期取引と呼ばれる通り、僅か数秒から数分の範囲で注文から決済まで終わらせます。

流れにもよりますがFXで取引する為替相場は短時間で大きく動くことはほとんどありません。

そのため最大でも数分程度の動きであれば得られるpipsは限られます。

スキャルピングは他の取引スタイルと比べ1回の取引で得られる利益が圧倒的に少ないため、回数を増やすことで利益を積み重ねるのです。

短期間で取引するため他と違い指値注文を始めとしたツール側で自動に注文してくれる形式は使えません。

全てトレーダー本人の判断になるため、短時間による相場の流れでどこで取引、決済するかの判断が試されるのです。

よく初心者がすぐ結果の出る取引スタイルなため好みますが、判断力が問われるように初心者向けではありません。

利確、損切り以前にすぐの判断ができないと考えられるトレーダーはスキャルピングをやめた方がいいでしょう。

スキャルピングに向いているか

スキャルピングは短時間で取引の判断をするスタイルです。

そのため長くポジションを持っているようではスキャルピングといえません。

よくスキャルピングをやろうとするトレーダーでやってしまいがちなのが、損失が出た時の対応です。

特に初心者は損失を出すのに抵抗があるため、マイナスになるとしばらくポジションを保持してしまうことが多いでしょう。

しかしスキャルピングは損失が出た時もすぐに決済して次の取引へ備えるスタイルになっています。

損失の時だけ長時間持つようなやり方では残念ながらスキャルピングに向いていません。

スキャルピングの判断力は単に利益だけでなく損失が出た時の「思い切り」も必要になるのです。

また相場を見続けて取引の判断をするため集中力も必要になります。

集中ができないという方もまたスキャルピングに向いていないでしょう。

スキャルピングの利確と損失の決め方

スキャルピングで取引をしていく上で問題ないと判断できれば、利確と損切りをどうするか考えます。

幅の決め方はトレーダー次第だが、狭く広くしない

スキャルピングにかける時間はトレーダー本人によっても異なります。

そのためどれくらいの利確と損切りを取るかも正解はなく、トレーダーが決めるのです。

しかし1、2といったあまりにも小さい値幅に設定するのはやめた方がいいでしょう。

相場はあまり動かないとといえど短時間の動きにおいて1、2の誤差は当たり前のようにあります。

そのため1、2に設定すると上下のどちらに行くかギャンブルのような取引になってしまうのです。

勝てる場面で取引しても損失の出る可能性が出てきてしまうのはリスクの高い、勝率の低い取引になってしまいます。

最低でも3以上、できれば5以上を目安に考えた方がいいでしょう。

狭いのは問題ですが、逆にあまり広いのも問題です。

20を設定した場合、短期間で20動くような相場はまずありません。

絶対ないわけではないものの、スキャルピングで取引するチャンスが激減してしまうでしょう。

無理に激しい相場を狙うことにもなり、必然的にリスクの高い取引へ繋がってしまいます。

短期間で回数を増やし取引するスキャルピングとして考えるとあまりにも本末転倒です。

決める場合は多くても10以下の範囲にした方がいいです。

利確を先に決め、損切り幅を考える

決める場合、まずは利確を先にしましょう。

FXでは損失より利益を大きく取ることが大事であり、損切りは利益より少なくした方がいいのです。

スキャルピングも変わらず、どれくらい損切りの幅を取るかは利確の値で決まります。

しかしスキャルピングの場合は取る幅が必然的に狭くなるため、必ずしも損切りを利確より狭くしなくても構いません。

利確を決めたと同時に損切りを同じ幅にするのもいいでしょう。

的確に相場を選んで取引できる場合は損切り幅を利確より広げるのも手法の一つです。

一度決めたらすぐ変えない

利確と損切りで最も大事なのは一度トレーダー本人が決めたらすぐに変えようとしないことです。

もちろん決めた幅のルールに間違いがあるため、変更する必要性が出るケースはあるでしょう。

しかし自分の都合ですぐに変えてしまうと決めた意味がなくなってしま、決めた幅が本当に的確なものか判断できなくなってしまうのです。

変更する場合でもしばらく決めた数値で取引を続け「何か違う気がする」と思えば変更を判断しましょう。

FXの取引手法はしばらく使い続けなければ正しい、稼げるものか判断できません。

スキャルピングによる利確と損切りのルールも同じなのです。

特に初心者の方は損失が嫌ですぐに決済を割り切れないことも多いでしょう。

決めたところで割り切れない場合は残念ながらスキャルピングに向いていないと考えられます。

他の取引スタイルを考えた方がいいでしょう。

利確と損切りを決めた後のスキャルピング

利確と損切りを決めた後はルールに応じて取引をする必要があります。

幅によって取引のやり方も変わってくるため、以下の点を確認してどう取引していくか考えましょう。

適当に取引しないのは絶対条件

全てのスキャルピングにいえることですが、相場も考えず取引してはいけません。

適当な取引は勝つか負けるかのギャンブルとなってしまいます。

スキャルピングは取引回数を重ねるスタイルなため、勝率が低くなり損失の大きくなる可能性が高いのです。

スキャルピングでも確実に利確のできる場面で取引する必要があります。

また値動きがほとんどない場面で取引するとリスクの高い取引となってしまうため、ある程度値動きに幅のある場面を狙うのも重要です。

幅により取引する通貨ペアを決める

相場の動きは通貨ペアによって違います。

穏やかに動く相場もあれば終始激しい値動きをする相場もあるのです。

短時間で動く値動きの違いにもなるため、あまり動かない相場を選ぶとスキャルピングで取引する以前の問題となってしまいます。

まずマイナーと呼ばれる通貨の含まれるペアを選ぶのはやめましょう。

主に該当するのはトルコリラやランドとなりますが、これらの相場は1日にほとんど動きません。

どの利確、損切りに設定していたとしても1、2の幅を取ることすら難しいのです。

そこまで大きな幅を取っていない場合はドル円で取引するのが一番でしょう。

ドル円は基軸通貨として取引量が多い関係もあり、大きな値動きをすることは少ないです。

おかしな変動を見せる可能性も少ないため、値動きを読めれば素直に利確できる可能性が高くなります。

逆に普段あまり動かないため、ある程度の値幅を求めているトレーダーには向いていません。

ある程度の値幅を取りたい場合はユーロが含まれる通貨で取引するといいでしょう。

ユーロも基軸通貨で取引量がドルに次いで2位と多いですが、ドルの含まれる通貨ペアに比べ相場の値動きは大きいです。

大きいものの取引量が多い関係で突拍子な動きになることは少なく、相場の動きも素直なものになりやすくなっています。

値動きの大きい通貨として有名なのはポンドですが、激しく値動きをする分リスクも高いです。

上手く相場の流れを読めるトレーダーであれば選ぶ理由はありますが、まだスキャルピングに慣れていない方は手を出さない方がいいでしょう。

損切りの幅を決める関係上、あまりリスクのある取引をしない方がいいのです。

取引する時間帯にも気をつける

相場の値動きに関しては通貨ペアだけでなく時間帯にも気をつけましょう。

FXで取引する為替相場は東京、ロンドン、ニューヨークの3つの市場で構成されています。

市場によって動きのある通貨ペアと全体的な相場の値動きが変わるのです。

東京市場はそこまで動きませんが、穏やかに動くためリスクの少ない取引がしやすくなっています。

そこまで利確の幅を取らないトレーダーであれば取引する時間帯にしてもいいでしょう。

ロンドン市場は取引量が多い時間帯なため、相場の動きも全体的に活発となります。

ロンドンという名から分かるようにヨーロッパのトレーダーが入ってくるため、ユーロが動き始める時間帯でもあるのです。

ある程度の値幅を狙って取引したいトレーダーはロンドン市場で取引するのがいいでしょう。

ニューヨーク市場は最も激しく動く時間帯であり、短時間で相場も動くためスキャルピングのチャンスではあります。

しかし相場の流れが読み難いケースも多く、リスクの高い取引になりやすいです。

そのため相場の値動きを読む自信があるトレーダー以外は手を出さない方がいいでしょう。

経済指標に気をつける

スキャルピングをする上で気をつけたいのが相場における急激な変動です。

相場が急激に動くのは主に重要な情報、経済指標の発表が原因となります。

大きな値動きは普段以上のpipsを取れるチャンスとなりますが、激しく変動しスプレッドも拡大しやすいためスキャルピングでの取引には向いていません。

経済指標はいつ発表されるかスケジュールで確認できるため、重要とされる情報の出る前にポジションを持つのはやめましょう。

経験が必要となるスキャルピング

利確と損切りを決めたとしても相場はリアルタイムで動くため、確実に決めた値で決済できるとは限りません。

瞬間的に判断しなければいけないため、慣れないうちは上手くいかないケースも多いでしょう。

残念ながらリアルタイムの動きに関わる以上、自分で取引を重ねて慣れるしかありません。

すぐにできるものではないため取引を続けてできるようにしていきましょう。

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