FXは24時間取引できる投資ですが、中には取引している暇がない、自分の取引したい時間帯にできないという方もいるでしょう。
そのような自分で取引できない方のためにあるのが自動売買と呼ばれるツールです。
都合で取引できない方だけでなく一般のトレーダーにも自動売買を使うメリットはあります。
一方で自動売買は使えば問題ないツールではないため、適当に利用を考えてはいけません。
ではFXにおいて自動売買はどのようなものであり、どのように使えばいいでしょうか。
自動売買とは機械側で判断して自動に取引してくれるツール
まず自動売買についてですがその名の通り、機械側で判断して取引をしてくれるツールです。
人間と違い機械は自分で考えるのではなくプログラムで動きが構成されているため、設定された通りに取引を行います。
例えばドル円のレンジで取引しようとし100と110の範囲で決めた時、ツール側は該当する数字に到達した時取引を行い、もう片方の数値に行けば決済してくれるのです。
もちろん単純な例であり、プログラムを駆使すればより複雑に取引条件を構築して様々な相場に対応して取引してくれます。
上手く利用すればトレーダー本人が一切取引しなくてもツール側が自動で稼いでくれるようにもなるのです。
自動売買のメリットについて
自動売買において考えられるメリットは時間に関するものだけではありません。
一般のトレーダーも使う価値があるのです。
24時間いつでも取引してくれる
最も分かりやすいメリットはやはり24時間ツール側が取引してくれることでしょう。
24時間取引できるというものの、人間である以上常に対応するのは不可能です。
夜型のトレーダー以外はしっかり睡眠を取らないと、次の日に影響が出てしまいます。
しかし自動売買は機械なため疲れ、睡眠といった概念はありません。
普段人間が休んでいる時間でも問題なく取引してくれるのです。
トレーダーが動かす必要のない以上、普段取引できない時間帯にも問題ありません。
普段は取引するが、自分が取引できない時間帯は自動売買に任せるという方法もいいでしょう。
ツール側が機械的に取引してくれるため、人間の判断が入らない
自動売買は機械側で設定どおりに取引してくれるため、取引しないという判断はありません。
そのため普通の取引と違いトレーダー、人間側の判断が入らないのです。
人間の場合は取引をする時チャンスを逃したり、損失が出ているのに損切りできないというケースもあります。
自動売買であればチャンスの部分も問題なく取引してくれ、損切りも感情が入らずしてくれるのです。
損切りできないのを始め、感情が入って上手く取引できないトレーダーも使う価値はあります。
他人の取引手法を利用して自分よりも稼げる可能性がある
自動売買ツールの中には自分で設定するのではなく、他人が構築したプログラムを使える種類もあります。
自分で考えずとも他人の取引手法を自動売買という形で使えるのです。
特に多くのトレーダーが使っているツールは勝てている凄腕のトレーダーも使っており、そんなトレーダーの技術を自動売買で使える時も出てくるでしょう。
確実に稼げるとは限りませんが、まだ知識、経験共に不足しているトレーダーにとっては上級者の手法を借りて取引できるのです。
自分よりも稼いでくれるだけでなく、自動売買を通じてどう取引すればいいか学べるのも大きいでしょう。
余計な時間を取られる必要はない
普段の取引では相場を分析して流れを予想し、どう取引するか考えなければいけません。
そのため取引する前にどうしても分析で時間を使ってしまいます。
しかし自動売買の場合は設定をする必要はあるものの、相場でどう取引するかは機械側で判断してくれるのです。
相場の分析をするのが不要になるため、トレーダー本人が時間を使う必要もなくなります。
初心者にとっても分析をする必要がなくなるのは大きなメリットになるでしょう。
自動売買のデメリットについて
完全無欠であれば誰もが自動売買を使うでしょう。
しかし使わないトレーダーもいるようにデメリットはあり、使う場合は理解しておく必要があるでしょう。
設定するのにある程度の知識が必要
勝手に最適化されるわけではないため、利用する時は当然トレーダー側で設定をしなければいけません。
そのため全くの初心者が利用できるツールではなく、使う前に最低限自分で取引できるぐらいの知識は必要となります。
ツールによっては本当にプログラムを構築する必要があり、該当するプログラム言語の知識が求められるでしょう。
種類により求められる知識は変わるため、例えプログラム言語に精通していたとしても自分が身につけたことのない言語を求められる可能性もあるのです。
しかし他人の手法を使えるタイプの場合は自分で設定しなくても、簡単に流用できる場合があります。
プログラム言語に対する知識がないからとすぐ諦める必要はないでしょう。
予期せぬ動きに対応できない
機械的な取引のため余計な判断が入らない自動売買ですが、決していいことばかりではありません。
FXの為替相場は様々な情報を参考にして動くため、重要な情報が入り急激な変動が起こる時もあるのです。
普通の取引であればチャートで相場を見て急激に動くため、取引をしない方がいいと判断できるでしょう。
しかし自動売買は相場の状況によって取引の判断をすることはないため、急激な変動が起きてもお構いなしに設定通りの取引を行います。
設定を考えれば急激な変動が起きると高確率で損失になるでしょう。
感情による余計な判断が入らない代わりに人間の頭と違い臨機応変に対応はできないのです。
時にはトレーダー側で操作して不適切な取引の停止、損切りの実行をしなければいけないでしょう。
操作できる機会があれば、何か急変する情報が出ると判断した時は利用停止した方がいいです。
設定を間違えれば修正することなく取引が続く
人間であれば取引を間違えた時、その場で考えて修正が可能です。
しかし機械側は設定通りに取引を行うため例え間違ったものであっても間違いと気づきません。
設定の仕方を間違えれば修正されることなく不適切な取引が延々と行われるのです。
トレーダー側は自動売買を使う時、間違った設定をしていないか確認する必要があるでしょう。
ツールによって使える状況が限定される
自動売買は便利なツールですが、全てのFX業者で使えるとは限りません。
むしろ国内業者は自分達の提供しているツール以外使用を禁止しているところも多いです。
有名なツールでも対応していない場合は使えず、頼らずに自分で取引するしかありません。
一方で海外業者は自動売買ツールに対応しているところが多いです。
有名な自動売買ツールを使いたい場合は海外業者を利用するといいでしょう。
しかし海外業者でも全てが対応しているとは限らず、ツールの種類も変わります。
自分の使いたいツールが使えるか口座開設前に確認しておきましょう。
通常の取引に比べ手数料が高くなる
主に業者が提供しているツールに該当しますが、通常の取引に比べ機械側で処理するためか手数料が高くなる場合が多いです。
FXにおいて手数料といえばスプレッドであり、通常と比べスプレッドが大分広がることになります。
スプレッドが広がる以上、通常の取引と同じ感覚で設定すると上手く行かないでしょう。
スプレッドの広さに関しては使う自動売買ツールと業者により変わります。
もし業者のツールで自動売買をする場合は、ツールによる取引のスプレッドも比較して口座開設する業者を選びましょう。
ちなみにスプレッドが広がる以上、スキャルピングによる自動売買は諦めた方がいいです。
全ての相場に対応できない
自動売買における最も大きなデメリットは相場において無敵ではないことでしょう。
全ての相場に対応できる設定ができるわけがなく、設定により得意、不得意とする相場は変わります。
不得意な相場で自動売買をさせてしまうと負ける可能性が高くなってしまうでしょう。
一つのプログラムに固執せず、状況に応じてトレーダー側で変更する必要があります。
自動売買ソフトの選び方と使い方
メリットとデメリットを理解して自動売買ソフトを使う必要があるものの、種類の選び方と使い方も考えなければいけません。
適当に選ぶと負けてしまう可能性が高くなるため、自動売買ソフトの選び方と使い方は以下の点を踏まえてやりましょう。
有料のを使う必要はない
自動売買ソフトは無料で提供されているものと有料で提供されているものがあります。
無料であれば費用をかけずに利用でき、有料であればお金をかけなければ使えません。
ソフトと言われるものの大半は無料より有料の方が性能としては高いです。
しかしFXにおける自動売買ソフトの場合は話が変わってきます。
有料だからと無料より高性能とは限らないのです。
むしろFXの自動売買ソフトにおいて有料と該当するのはほとんどが役に立たず、お金を騙し取ろうとする悪質なものも存在します。
そのため自動売買ソフトを有料で選ぶのはお金だけでなく時間の無駄になる可能性も高いでしょう。
無料で有名かつ信頼性の高いツールは多く存在するため、それらから選んだ方がいいです。
評判のいい無料のツールを選ぶ
無料のでも質に違いはあるため適当に選んでしまえば質の悪い物に当たってしまい、悪質な有料のを選んだのと同じ形で資金が無駄になってしまうでしょう。
自動売買に限らず無料ソフトを選ぶポイントは利用した人間の話、評判となります。
多くのトレーダーから評判のいい自動売買ソフトであれば選んでも問題ないでしょう。
実際にMT4を始めとして無料ソフトで有名な種類は幾つか存在します。
迷った場合は有名どころを選べばひとまずは安心といえるでしょう。
一方で評判がいいからと自分に合ったソフトとは限りません。
単に評判がいいだけでなく、どのように使えるソフトかの情報も集めて判断しましょう。
しばらく経緯を見て変更の判断をする
設定の仕方により成績は変わるため、問題があると判断すれば変える必要があります。
しかし設定を変える場合でもすぐ変えず、しばらく使い続けましょう。
FXの取引では手法を試して勝てるものか確認しますが、すぐに分かるとは限りません。
今は結果が出なくても使い続ければよい結果が出て使える手法と判断できる場合もあるのです。
自動売買による設定も同じであり、今はあまり勝てなくても長い目で見ると利益を出せている場合もあります。
短期間で駄目だからと変えれば、折角勝てると思う設定を見逃してしまう恐れがあるのです。
見る期間はトレーダー次第になりますが、すぐには変えずある程度の経過を見ましょう。
放置せず定期的に様子を見る
急激な変動に弱い、設定により勝てる相場が違う以上、長期間放置するのは危険です。
勝てているからと放置していると、気づかないうちに相場が変わって負けてしまっている場合もあります。
自動売買は機械なため、トレーダー本人が処理しない限り取引は止まりません。
自動売買に任せている間もチャートで相場の確認はし、転換や急激な変動が起こった後は自動売買にも影響がないか確認しましょう。
通貨ペアは普段動きのある種類を選ぶ
自動売買の設定をしても相場が動かなければ取引のしようがありません。
そのためほとんど動かない通貨ペアを選んでも自動売買を設定する意味がないのです。
自動売買をする場合はドル円を始めとした一定の動きのある通貨ペアを選びましょう。
通貨ペアによって相場の流れも違うため、それに応じた設定の構築をする必要はあります。
自動売買頼りにならないこと
自分が取引しないため便利な自動売買ですが、完全無欠ではなく負ける時は負けます。
最近では自分でプログラムを構築する必要もなくなったため勉強不足のトレーダーでも簡単に利用できるでしょう。
しかし自動売買に頼りすぎると自分の取引が成長せず、いざ通用しなくなって自分でどうにかしなければならない時困ってしまいます。
時間の関係で取引できないトレーダーは仕方ありませんが、一般のトレーダーは頼りっきりにならず自分で取引できるようにしましょう。
