FXで取引する為替相場は時間と共に流れが変わっていくため、上手くチャンスとなる時を狙うのがポイントです。
予期せぬ動きになる時はあるものの、一方で経済指標のような特定の日と時間帯にどう動くかある程度予想できる時もあります。
経済指標以外で特定の日と時間帯に動くイベントとして有名なのがゴトー日であり、特にドル円で取引する方は理解しておいた方がいいです。
ではゴトー日とはどういう日のことであり、該当する日はどう取引していけばいいでしょうか。
目次
5の倍数の日がゴトー日
ゴトー日はカタカナで名称だけ見ると分かりませんが、5のゴと10のトーと見れば分かるように5、10が付く日を指します。
最も10は5の倍数に組み込まれているため、5の倍数の日が該当すると考えればいいでしょう。
そのためゴトー日は5、10、15、20、25日が該当し、更に月末も該当します。
30日も5の倍数なため該当する考えてしまいがちですが、該当する時はあくまで月末の時だけです。
2月や31日が月末の月は該当せず、逆に月末の日がゴトー日となるため気をつけましょう。
ゴトー日は単純に言えば海外との取引が活発になる日です。
企業には決済日があり、その期日が5の倍数に集中しています。
ゴトー日が決済日ではない企業もありますが、大半の企業は決めているのです。
国内では円による取引が行われますが、当然海外となれば円は使われません。
世界では基軸通貨としてドルが使われているため、ドルが大量に購入されるのです。
そのためゴトー日はFXという視点から見れば「ドルが大量に買われる日」と考えていいでしょう。
ドル円の相場が上がりやすい
FXの為替相場はトレーダーの取引によりどう動くか決まります。
ドルが含まれている通貨ペアの相場はドルが買われることでレートが上がるため、相場としては上昇するのです。
ゴトー日ではドルが買われますが、一方で円は売られる傾向にあります。
そのためどちらも含まれているドル円の相場が上昇しやすいのです。
ドル円はスプレッドも狭く取引量が多い通貨なため、メインの取引先としているトレーダーも少なくないでしょう。
ドル円で取引しているトレーダーは「ゴトー日はドル円が上昇しやすい」と理解しておくといいです。
期日のズレに気をつける
ゴトー日を確認する上で気をつけたいのが休日と祝日のケースです。
FXの為替相場は土日取引ができませんが、祝日の場合は正月といった一部を除いて取引できます。
土日に取引ができない時はその前日、金曜日に行われるケースが多いです。
そのため土日がゴトー日の場合は金曜日に動きが出ると考えましょう。
気をつけたいのは土日ではなく祝日の時であり、基本的にFXで取引する為替相場は祝日でも動いています。
為替相場は国内だけでなく海外でも取引されるものなため、国内の休日は関係ないからです。
しかしゴトー日による取引は話が別であり、国内の企業が取引を行うため祝日はゴトー日に該当しません。
土日の時と同じく前日に行われる可能性が高いため、祝日にゴトー日がないか確認しておきましょう。
ゴトー日にドル円はどう動くか
ゴトー日にドル円の取引をするトレーダーは、どう動くか理解しておかなければいけません。
全ての通貨ペアが影響を受ける
ゴトー日は円が売られ、ドルが買われる日になります。
「別にドル円で取引していないから関係ない」と考えるトレーダーもいるでしょう。
しかしゴトー日による影響は全ての通貨ペアが関係してきます。
円が含まれている通貨ペアはクロス円と呼ばれ、必ずドルの取引が仲介されて行われているからです。
全ての通貨ペアではドルの取引が前提になっているため、ドルによる動きの影響を受けるようになっています。
ドル円以外の通貨ペアで取引をしている方もゴトー日は意識しておきましょう。
動きの終わりは仲値が決まる9時55分
まずゴドー日による動きの影響がどこまで続くか理解しておきましょう。
ゴトー日に限った話ではありませんが、銀行は9時55分の時に付けているレートを仲値とします。
仲値とはその日に取引の基準となるレートであり、1日は決定されたレートで取引が行われるのです。
為替相場で取引していれば分かりますが、レートはリアルタイムで変動しています。
現在のレートを参考にして取引するとなればわざわざ確認しなければならず、更に確認と取引する時にもレートは変わるでしょう。
そのため仲値という形で基準のレートを決めるわけです。
基本的に決定された仲値が変更されることはありませんが、為替相場は時に大きな変動を起こします。
もし相場のレートが大きく変わった時は再び仲値が変更されるのです。
企業、銀行にとっても基準となるレートを決める重要な時間帯なためゴトー日にも意識されます。
そのため仲値が決まった9時55分が終わりの時間帯であり、それ以降はゴトー日の影響がなくなるのです。
取引をする場合は9時55分を意識して決済の目安を考えましょう。
始まりの時間帯は相場を見て予測する
問題となるの終わりの時間帯ではなくゴトー日の影響がいつ出るか始まりの時間帯です。
為替相場はトレーダーの取引によって動くため、始まるのはゴトー日をトレーダーがどう意識しているかで変わります。
ゴトー日の前日から意識してドルが購入され相場が上昇するケースもあり、いつ動きが出てくるか分からないのです。
ゴトー日で取引を考える場合は相場が影響を受けて動いているか分析しなければいけません。
前日の相場を見て他に上がる要素がほとんどないのに上昇して場合は影響があると判断していいでしょう。
見方を変えれば影響があるか判断するために、今取引している相場の情報を仕入れた方がいいといえます。
終わった後は下落する可能性もある
仲値を迎えればゴトー日による取引は一旦終わったことになります。
更に明確な「終わる時間帯」がトレーダーに知らされているため、目安にしてポジションを決済する方も多いでしょう。
そのため終わった後は決済が行われることにより、相場が下落するケースも多いです。
終わった後なためどれくらい下落するかは分かりませんが、動きに変化があるのは事実になります。
9時55分を過ぎた後は下落に気をつけて取引を考えましょう。
ゴトー日だから必ず動くとは限らない
気をつけたいのはゴトー日だから必ず上昇するとは限らないという点です。
FXの為替相場はトレーダーの取引や政治、経済の情報で動きが決まるため、時にはゴトー日の影響がほとんど出ない場合もあります。
影響がなければ下がる可能性もあるため、上がると考え買ってしまうと損失を出してしまうでしょう。
実際ゴトー日に影響を受けて動く確率はそこまで高くありません。
そのためゴトー日の時は本当に影響を受けて動いているか確認して、取引に入った方がいいでしょう。
ゴトー日でどう取引していくか
動きの特徴が分かったところでポイントになるのが取引する本人がどのようにやっていくかです。
ゴトー日は以下の点を抑えて取引していきましょう。
基本的に決済は仲値の決まる9時55分
取引の前に決済についてですが、やはりタイミングとしては仲値が決まる9時55分となるでしょう。
他のトレーダーも目安にして決済するため、相場が下落しやすくなります。
必ずするとは限りませんが、可能性を考えれば持っているより決済した方が利益は大きくなるでしょう。
タイミングとしては9時55分ではなくその数分前にしても構いません。
取引は上昇を確認できてから
ゴトー日だから必ず上昇するとは限らないため、ポジションを持つのは影響を受けていると判断できた時になります。
相場を見て上昇傾向にあるか確認しましょう。
どう判断するかは他のトレーダーも同じなため、相場が上昇していると分かれば他のトレーダーも入ってくる可能性は高いです。
テクニカル指標を使う等して上昇トレンドのようになっている確認してみましょう。
しかし始まりの時間帯が早いと仲値の発表が来る前に流れが衰えるケースもあります。
日を跨いで取引を考えていないトレーダーの場合、上昇の幅がどれくらいになっているか確認しましょう。
幅があまり大きくない場合は勢いが弱くなっていると考えられるため、取引に入らない方がいいです。
下落を狙うのも一つの方法
仲値の決定時間を過ぎると下落しやすい関係から、狙って売りのポジションを持つやり方もあります。
しかしゴトー日と同じように下落も必ず起きるとは限りません。
特に普段の相場で上昇傾向が強い場合はそのまま勢いを借りて動く可能性も考えられます。
狙う場合は普段の相場の状況も確認し、上昇がゴトー日による一時的なものだったと判断できる時にしましょう。
長期取引の場合は手仕舞いの判断だけにする
ゴトー日による影響は短時間によるものであり、長期取引で狙うものではありません。
長期取引をしている方はゴトー日で取引することはないでしょう。
しかし影響による流れでポジションによっては損失の出る可能性は考えられます。
そのため流れを見て損失の出る方向に動くか分析し、今のポジションを決済して手仕舞いするか判断しましょう。
あえて避けて取引するのも一つの方法
ゴトー日は必ず影響を受けて動くとは限らないため、トレーダーによっては分析し難い相場になるでしょう。
取引がやり難い時間帯と考えた場合はあえて静観するのも一つの手です。
ロンドンやニューヨーク市場であれば既にゴトー日の影響は終わって普段通りの流れとなるでしょう。
自分のやりやすいと思う時間帯に取引するのもFXにおいて大切です。
ゴトー日で踊らされないように
ゴドー日も影響の一つに過ぎず、FXの為替相場は様々な情報からどう動くか決められています。
特定の日と時間帯が分かっているため、意識を持っていかれてしまいがちです。
しかし他の情報がおざなりになっていると不意の動きにやられてしまう可能性が高くなります。
取引をする時はゴドー日ということだけでなく別の情報も頭に入れて考えていきましょう。