弓道ってかっこいいですよね。シンとした静寂の中で弓を射る凛とした姿にあこがれ、弓道を初めた方も多いのではないかと思います。
けれども、実際、始めるにはどのようにしたらよいかわかりにくいですよね。
ここでは、弓道を始めるにあたり方法や必要なものなどをご案内します。
目次
弓道を始める方法
弓道を始める方法は、2つあります。
- 近くの弓道場や体育館、弓道連盟などに問い合わせる。
- 弓道部、弓道サークルに入る。
皆さんもご存知かと思いますが、弓道は武道の一つです。
しかも、武器の中でも飛び道具。安全に楽しむために、全国各地に弓道場が設けられています。
当たり前ですが、弓道は「弓道場がある場所」で始めることができます。
1.近くの弓道場や体育館、弓道連盟などに問い合わせる
市や県の体育館の中には、弓道場を併設している施設があります。
そのような体育館では、これから弓道を始めたいという方や、初心者、初級者を対象として講座を行っています。
講座では、弓具は道場にあるものを貸してもらえますし、服装も最初はジャージなど動きやすい服装でOKです。
また、指導してくださる先生もいるので、初めての方でも安心です。
募集時期や講座の開催時期、費用などを一度問い合わせてみるのがよいかと思います。
また、全日本弓道連盟という団体があります。
県や市など地域ごとにも分かれ弓道協会があるのですが、全日本弓道連盟のホームページに「弓道を始めたい方へ」というページがあります。そちらに相談してもよいかもしれません。
全日本弓道連盟公式ホームページ 弓道を始めたい方 http://www.kyudo.jp/begin/
2.弓道部、サークルに入る
中学~大学などの学校、実業団では、課外活動の一つとして弓道部や弓道サークルがある学校や企業があります。
中でも学校で始める一番のメリットは、同年代の人と一緒に始められ、切磋琢磨できることです。
また、学生体育連盟に属するので、学生を対象とした弓道大会にも参加が可能です。
道具の貸出については、各々の団体によって違うかと思いますが、最初は共用できる道具は貸出してくれます。
必要な道具
稽古に必要な道具を、段階別に簡単に紹介します。
- 初めて講座を受ける場合
- 継続することになったら必要
- 慣れてきたら必要
指導者や所属団体によっても、共用としたり、借りられるものもあるかと思いますので、あくまで一例と考えてください。
1.初めて講座を受ける場合
動きやすい服装、靴下、他。
特別なものは必要ありません。始めは道場に初心者用の道具が置いてあり借りられます。
道場は半分屋外の様なところが多いので、暑さ対策、防寒対策はしっかりしましょう。
2.継続することになったら必要
弽(ゆがけ)・胸当て(女性のみ)・矢(的前用、巻藁用)・矢筒・袴や足袋(稽古着)など。
個々人に合わせる必要がある道具は、自分用のものを準備しましょう。
自分に合った道具を使うと、自身になじんできますし、稽古のしやすさが断然違うと思いますよ。
3.慣れてきたら必要なもの
弓・弓袋一式、弦・弦巻、など。他に小物類も必要になります。
審査を受けられるレベルになったら、弓の購入を考えてもよいかもしれません。
ただし、始めのうちは、練習に励むことにより筋力が付き、自身にあう弓の強さが変わると思います。
指導してくださる先生に相談しながら購入する時期や弓の種類を決めた方がよいでしょう。
弓道を始めるメリット
継続していくことで、だんだんと身についてくるものがあります。
人によると思いますが、自然に生活や普段の考え方にも影響を及ぼしているように感じます。ここでは、3つ紹介します。
1.集中力・忍耐力・判断力が身につく
静寂の中、弓を引く動作に意識を集中し的を狙います。
そのため、継続していくとだんだん集中力が身に付いてきます。
また、弓を引く際には、引ききったところで伸び合い力をため、よいタイミングで矢を放ちます。一度止まって待つことが重要になるのです。
時期を待って、良いタイミングで離す、これを繰り返すことは忍耐力と判断力につながると感じています。
2.筋力・体力がUP
弓を引くだけでなく、正座や足捌きなどにより、腕・足だけでなく全身の筋肉が鍛えられます。
とても動きの少なく見えるスポーツですが、ゆっくりと動作を取ることで意外にも両肩や背中、太ももの筋肉がだんだんとついてくるのです。
また、筋力の増加に伴い、体力も上がってきます。
3.礼儀作法が身につく
弓道では、「礼に始まり礼に終わる」という言葉があるほど、礼儀を重んじます。
目上の方、仲間への態度はもちろん、いまさら聞けないお辞儀の種類や仕方まで習うことができます。
知っておくべきこと
さて、大変かっこいい弓道ですが、始める前に承知しておいてほしいことがあります。
- 弓を引けるのは、基本が身についてから。(根気が必要。)
- 慣れてきたら自分に合った道具を手に入れましょう。
- 礼儀作法と仲間との和を大切に。
次に詳しく説明していきましょう。
1.弓を引けるのは、基本が身についてから
弓道をはじめてすぐに弓を持たせてもらえるかというと、そうではありません。
弓を引く動作には、射法八節という動作の基本、いうなれば、形があります。この形が身につかなければ、弓を用いての練習はさせてもらえません。
筆者は学生の時に弓道を始めましたが、3か月間は弓を持たない徒手やゴム弓での練習でした。
他校の話では的前で矢を放てるまでに6か月かかることもあるそうです。
ただし、公共の弓道場での初心者講座では、コマ数が限られていますので、計画的に考えられていると思います。気になる方は問い合わせてみてください。
このように基礎を重視するには、大きく2つの理由があります。
1)的中率や射形に影響する。
2)ケガや事故を未然に防ぐ。
1)的中率や射形に影響する。
弓道には、「正射必中(せいしゃひっちゅう)」という言葉があります。「正しい射をとれば、必ず中る」という意味です。この「正射」をとるには、最初に学ぶ「射法八節」をマスターすることが近道になります。
「形を覚えるだけなら簡単」と思いがちですが、実はこれがなかなか難しいです。いざ道具を持つと、弓の重さ(強さ)や弽の感触、など感覚が違ってきます。加えて、的前に立てば、的の狙いや足の運び等、他にも気にすべき点は多くあります。
美しい射形をとり、的中率を高めるためにも、基本を習得することが不可欠なのです。
2)ケガや事故を未然に防ぐ。
弓を見るとわかりますが、弓に弦がかけてあるだけです。
ケガをしないような安全装置等がついているわけではありません。
ですから、弓の持ち方や引き方が、自身がケガをせず、また、周囲の人にもケガをさせないよう矢を正確に飛ばすためのカギになるのです。
筆者自身、今振り返ってみると、3か月も基礎練習のみで、よく我慢したと思います。同時に、射法八節の大切さを全く分かっていなかったと反省です。
弓道には、根気がいるということは覚悟しておいてくださいね。
2.慣れてきたら自分に合った道具を手に入れましょう
道具は、最初のうちは貸してくれるのが一般的です。
しかし、継続するなら自身の体に合うものを使ったほうがよろしいかと思います。
道具の記事でも紹介しますが・・・人によって手の大きさや形、腕の長さが違いますよね。
中でも弽は個人の手の形に合わせて作ります。
矢も、個人の腕の長さに合わせて調整しますし、服装としての袴(稽古着)も、身長や体型により変わります。
一方、弓にはその弓ごとに若干の癖があります。使い込むことで弽は手になじんできますし、弓の癖にも合わせられるようになります。
継続するようでしたら、ぜひオリジナルの道具をそろえてみてください。
3.仲間との和を大切に
弓道では、「和」を重んじます。準備や片づけを含め、周囲の方々と協力したり、互いに譲り合う気持ちも大切です。
もともと弓は武器として使われていましたよね。現代でも、一つ間違えば大きな事故につながることも十分にありえます。
固いことを言って恐縮ですが、安全の面からもマナーや規則を守り、みなさんで楽しく励んでいきましょう。
まとめ
弓道を始める方法は、1.近くの弓道場や体育館に問い合わせる、2.学校で弓道部に入る、の二通りあります。
最初は特に必要な道具はありませんが、継続する場合には、順々にそろえていくとよいでしょう。
また、基礎が重要で、いきなり的の前に立って矢を飛ばすことはできません。根気強く射法八節を習得することが必要になりますので、ご承諾ください。
いかがでしたか。弓道を始める方法やメリットなど「始める前に知っておきたい様々な事柄」を紹介させていただきました。
弓道を始める参考になればうれしいです。最初は何も必要ないので、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。