デメリットも多い自動車学校の教習指導員。将来を考えて早めの転職を。
自動車学校で免許取得のための指導を行う教習指導員。
自動車免許を持っている人なら、お世話になった経験があるのではないでしょうか。
実は自動車学校の教習指導員は、大変厳しくデメリットも多い仕事です。
そのため、教習指導員の仕事を辞めたいと考えている人も多くいます。
今回は、自動車学校の教習指導員の実態とデメリット、将来性や転職について考えてみたいと思います。
目次
自動車学校の教習指導員の大変さとは
自動車学校の教習指導員は、体力的な負担も少なく比較的楽な仕事と思われがちですが、実はデメリットも多い大変な仕事です。
生徒の運転でひやりとすることがある
当然ながら教習所の生徒は運転の経験がありません。運転経験のない人の車に同乗するのですから、危険を感じてひやりとするのも稀ではありません。
教習指導員の仕事をしている以上、ある程度仕方のないことかもしれませんが、一日中緊張した常態が続きますので、精神的な負担は決して軽くありません。
ある程度安全性が確保された教習所内ならまだしも、一般道での教習になると、最悪の場合は歩行者や一般車両を巻きこんでしまう事故にもなりかねません。
いくら経験を積んだ教習指導員でも、やはりひやりとする瞬間は多いようです。
重い責任を負っている
教習指導員は、大変責任を伴う仕事です。
経験が全くない人に対して、交通ルールを遵守し安全に運転がきるようになるまで、技術はもちろん道交法から心構えまでを教えなければなりません。
生徒がいいかげんな運転技術や、誤った知識のまま免許を取得して一般道に出たら、悲惨な事故を起こしかねないからです。
もちろん教習所を卒業して免許を取得した後の事故は、一義的には運転者本人の責任です。
ですが、交通の安全を考えた場合、自分は命にかかわる仕事をしているというのを、常に心にとめておかねばなりません。
お給料は高くない
自動車学校の教習指導員は、お給料があまりよくありません。
教習所を経営している会社によって違いもありますが、キャリアのある教習指導員でも、他の職種と比べて安いお給料で働いているケースがめずらしくありません。
近年は免許を取る人も減少している傾向がありますので、経営不振でボーナスが減らされるなど、さらに低賃金化が進んでいるようです。
冬の繁忙期は激務になる
自動車学校の繁忙期は冬になります。
これは、進学や就職を向かえる前に運転免許を取得しておきたいと考える学生が多いためです。
繁忙期には入学制限を設ける教習所もあり、指導員も一日中働き詰めで残業も増えます。
ただしそれ以外の時期は閑散としていることも多く、時期によって仕事量の落差が大きい職場です。
やる気を保つのが難しい
自動車学校の生徒は、数ヶ月程度の短期間で卒業していきます。
普通の学校と違い、ある程度の期間をかけて、決まった生徒を指導するのではなく、毎日違う生徒を相手に同じような指導をしなければなりません。
変化が少なく、生徒の成長を見続けられる仕事ではないため、やりがいを見失ってしまう人も少なくありません。
教習指導員の将来性について
次に、教習指導員の仕事の将来性について考えてみたいと思います。
仕事を考えるには、今のお給料や待遇だけではなく、会社の先行きや業界全体の見通しがどのようなものかも併せて検討する必要があります。
需要の減少が見込まれる
今後の日本は、少子高齢化がますます進みますので、自動車学校の需要は減少していくと考えられます。
若い人の数が減って、人口全体のパイが縮小すれば、運転免許を新たに取得しようと考える人の数も相対的に減っていきます。
需要が全くゼロになってしまうとは考えられませんが、既存の教習所が競い合って生徒を集める形になっていくと思われます。
また自動車学校は、自動車免許取得のための学校という明確な基本がありますので、新しいビジネスを展開する柔軟性に欠ける部分もあります。
交通安全に寄与する社会的な貢献性を踏まえたうえで、より魅力的なサービスを展開していかなければ、淘汰されてしまう学校も増えてくるかもしれません。
低価格競争が進んでいる
若い学生が少なくなっている地方の自動車学校では、生徒を獲得するために、教習費用の低価格競争が進んでいます。
商売において価格を下げてお客を集める方法は、もっとも手早いやり方かもしれませんが、注意しなければ大変なことになります。
今までの価格より下げるということは、利益が削るという意味なので、競争が激化してどんどん値段を下げていけば、そのうち限界になって会社を維持できなくなってしまいます。
余裕のない自動車学校から、順次淘汰されてしまう恐れが出てきます。
免許を持たない人も増える
最近はますます若者の自動車離れが進んでいます。
節約志向の流れをうけて、駐車場や維持費のかかる自動車を持たない人も多くなっています。
カーシェアリングやレンタカーのサービスも充実してきたので、必要な時だけ気軽に自動車を利用することができるようになったのも理由のひとつでしょう。
一昔前のように免許をとって自動車を持つというライフスタイルは、終わっているのかもしれません。
先述した少子高齢化の波もあって、自動車学校はますます厳しい状況を向かえると考えられます。
教習指導員からの転職を考える
自動車教習所の教習指導員は、デメリットも多く先行きの不透明な仕事です。
このまま働き続けていても、不安は解消されないかもしれません。
行き詰まってからいざ転職しようと思っても、応募先によっては年齢の制限が設けられている場合もあるでしょう。
幅広い転職先があるうちに、早めに行動したほうがよいかもしれません。
次に、教習指導員からの転職先には、どのような職種が考えられるのかと、面接の際の注意点を述べたいと思います。
今までの経験をアピールできる転職先がよい
教習指導員であれば、自動車の運転技術や安全意識が高いと思うので、運転をメインにするような仕事がよいと思われます。
例えば配送の仕事や運転手の仕事はどうでしょうか。
また、自動車が好きというのであれば、自動車を扱うディーラーや整備製造関係の仕事もよいかもしれません。
今までの経験をうまくアピールして、転職につなげましょう。
面接官には丁寧な応答を
教習指導では自分が教える立場なので、ざっくばらんな口調や、厳しい態度で生徒に臨むこともあったでしょう。
教習の場においては問題ないかもしれませんが、面接の場で横柄な態度をとるのは絶対にNGです。
長い間の習慣なので、本人は意識していないかもしれませんが、面接官が自分より年下だった場合などに、ついつい上からの目線で話してしまう人がいます。
相手先によっては、自分よりかなり若い面接官の場合もありますので、気をゆるさずに丁寧な言葉遣いを心がけるようにしましょう。
転職活動には転職エージェントを活用しよう
長く働ける場所を探すため、転職活動にはいろいろな会社の情報が必要です。
また、できれば今の仕事は転職先を見つけてから辞めるほうがよいでしょう。
在籍しながらの転職活動なら、転職エージェントを利用するのをおすすめします。
転職エージェントは豊富な求人情報をもっていますので、将来性のある業界や仕事についての情報を効率よく集めることができます。
さらに、転職支援のプロであるキャリアコンサルタントから、応募書類の書き方や面接時にアピールすべきポイントまで、役に立つアドバイスがもらえます。
希望の転職を成功させるために、転職エージェントを上手に活用しましょう。
転職に向けて動き出す
今回は、自動車学校の教習指導員の実態とデメリット、将来性や転職について考えてみたました。
参考になりましたでしょうか。
自動車学校は先行きの不透明な業界なので、早めに動き出して、理想の職場への転職を成功させましょう。