仕事のストレスとしてよく聞かれるのが、「ノルマが厳しい」という声です。
販売や営業などの職種では、会社によって売り上げノルマが設定されている場合が多くあります。
ノルマは販売目標とは違い、達成しなければならないハードルあり、できなければ上司から叱責されますので従業員も必死です。
厳しいノルマのプレッシャーに耐えきれず、体調を崩してしまう人もめずらしくありません。
もし会社からのノルマに苦しんでいるのでしたら、早めに転職を考えるべきかもしれません。
仕事には向き不向きがあります。ノルマがつらくてたまらない人は、そもそもその仕事には向いていないのかもしれません。
そこで今回は、ノルマがつらくて悩んでいる人に向けて、ノルマに縛られない仕事への転職を解説します。
目次
なぜノルマがつらいのか
会社を維持していくためには、一定の売り上げが確保されていなければなりません。
またノルマがあるから頑張れる、クリアできれば達成感があるという考え方も間違ってはいません。
ですが、売り上げという数字へのこだわりに抵抗感のある人や、達成できない時のプレッシャーに耐えられない人には、ノルマはつらく感じられます。
ノルマとはどういうものか
ノルマとは、最低限クリアしなければならない課題として、従業員に向けて会社から設定される数字です。
月間に売らなければならない金額や、取らなければならない契約数など、主に販売や営業に携わる業務に課せられます。
目指すべき目標数とは違い、クリアできなければ叱責やペナルティを受けるなど、強制力があるのが特徴です。
ノルマには自分の意志は反映されない
このようにノルマは、自発的な意志による目標ではなく、会社から強制的に設定されるものです。
自分から進んで決めた数字ではないので、つらく思う人も少なくないでしょう。
ノルマを自分に課せられた目標と考えて、前向きに捉えられる人はよいかもしれませんが、そうでない人には大きなストレスとなります。
また数字にこだわるやり方は、仕事の本質を見失ってしまいがちになるので、ノルマに疑問や抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。
ノルマがクリアできなければペナルティがある
ノルマがクリアできなければ、なんらかのペナルティを受けることもめずらしくありません。
上司から厳しく叱責されたり、同僚の前で注意されたりと、ペナルティによる精神的な負担は相当にあります。
中にはクリアできなかった分の金銭的な補填を個人で負わされたり、降格の対象にされるといったケースも見られます。
もともとペナルティを前提として、達成の難しい数字をノルマとして社員に課すようなブラック企業も存在します。
ノルマのある仕事に向いている人の特徴
「数字という分かりやすい指標での評価が好きな人」
「失敗に対する不安が少なく、目標に向かって邁進できる人」
「自社の製品やサービスに自信がある人」
このような特長の人は、ノルマのある仕事に向いているかもしれません。
わかりやすい明確な基準があるから頑張れるという人や、不安よりも達成感を求める気持ちが強い人には、ノルマも有効です。
失敗があってもあまり落ち込まずに、気持ちを切り替えて前向きに頑張れる、楽観的な人にはよいのではないでしょうか。
ノルマのある仕事に向いていない人の特徴
「マイペースにひとつひとつ仕事をこなす人」
「失敗しないように慎重に仕事をすすめる人」
「自社製品の欠点を隠してお客様にすすめることに罪悪感がある人」
これらの特徴の人は、ノルマのある仕事には向いていないと思われます。
生真面目で正直な性格の人は、ノルマを消化するために数字にこだわる仕事のやり方には不満を感じるでしょう。
また失敗に対する不安が大きくプレッシャーに弱い人や、自分のペースを大切にしながら仕事をしたい人にも、ノルマのある仕事は向いていないと考えられます。
ノルマに追われない仕事とは
先に述べた例を参考にして、やはり自分はノルマのある仕事には向いていないと感じる人は、ノルマのない仕事への転職を考えてはいかがでしょうか。
自分の特性に合わない仕事をしていても、苦しい状態が続くだけです。
ノルマのない仕事に転職することで、のびのびとした気持ちで働けるようになります。
次に、ノルマのない仕事をいくつか紹介してみます。
医療・介護・福祉
医療や介護、福祉の業界は、需要も高く注目度の高い仕事です。
人手不足の状態が続いていますので、転職先も見つけやすいと思われます。
これらの仕事は社会貢献の側面が強く、売込みをして成果を上げるタイプの仕事ではないので、基本的にはノルマという概念はありません。
ただし施設の営業や入居者募集に関係した職種の場合は例外です。
専門職や一般事務の仕事にノルマはありませんが、営業職であればノルマが設けられている場合もありますので、注意しましょう。
秘書や事務職
秘書や事務職など、売り上げの数字に直結しない、いわゆるバックオフィス系の仕事にもノルマという考え方はありません。
ノルマのある営業や販売のサポートをするのが主な仕事に内容です。
ただし人事系の仕事では、人材の応募件数などにノルマが課せられる場合もあります。
事務職といえども例外がありますので、転職する前にしっかりと調べておきましょう。
製品サポート業務
自社の製品やサービスにトラブルが発生した時に、お客様からの問い合わせやクレームに対応するのが製品サポート業務です。
お客様からの要望があって発生する仕事ですので、ノルマはありません。
ただしクレーム対応はノルマと同じようにストレスのある仕事です。
決して楽ではないことを覚悟しておかなければなりません。
製造業
工場における製造の仕事は、内容がマニュアル化されており、一定のラインとスピードで仕事をすすめるで、ノルマという概念はありません。
製造の仕事では数をこなすことよりも、ミスが無いように注意しながら着実に作業を行い、製品の質を高めることが重要になります。
販売や営業と比べると、職人的な気質が求められる仕事です。
ノルマのようなプレッシャーはありませんが、きめられた時間内に仕事をすすめる規則正しさが求められます。
飲食店や娯楽施設での接客業
飲食店や娯楽施設、ホテルなどの宿泊施設における接客業も、個人的なノルマが設定されていない仕事です。
来てくれたお客様に対するサービスという、受け身的な側面が強いため、数字には換算できないのです。
また数字にこだわりすぎると、サービスの質が低下してしまう恐れもあるので、ある意味ではノルマによる成果主義とは対照的といえるかもしれません。
ただしこれは接客業の場合であり、これらの施設でも営業職であれば顧客獲得のノルマが設けられている場合があります。
また、全体としての売り上げ目標が掲げられている場合もありますが、これは皆で努力して目指す数字であり、個人的に課せられるノルマとは性格が違います。
ノルマのない仕事に転職するのは逃げではない
ノルマのある仕事に耐えられずに転職することに、逃げ出すような引け目を感じる人がいるかもしれません。
ですが仕事には向き不向きがありますし、ノルマの無くても素晴らしい仕事はたくさんあります。
大切なのは、自分の適性を活かせる職場で、のびのびと仕事をして成果をあげることです。
今の仕事に限界を感じて転職を考えるなら、転職エージェントを利用してみてください。
転職エージェントは豊富な求人情報を持っていますので、ノルマの無い自分に合った仕事が必ず見つけられるでしょう。
転職は逃げではなく、人生を豊かに生きるための方法だと前向きにとらえて、まずは動き出してみましょう。