転職活動は在籍中に行うのがベストです。
仕事をしながらの転職活動は、時間的な余裕が少ないので、大変かもしれません。
また、職場の同僚に対する後ろめたさを感じる人もいるでしょう。
ですが、先に仕事を辞めてからの転職活動は、さまざまな面でデメリットがあります。
社会人になって働き始めてから、長い休みをとれる機会もなかったので、「転職活動は、少しのんびりしてから始めよう」と考える気持ちも分からなくはありません。
ですが最初は1~2週間程度の予定が、いつのまにか1ヶ月になってしまいます。
仕事をしない状態に慣れてしまうと、腰を上げるのも重くなり、あっという間に1年経ってしまったというケースもめずらしくありません。
退職理由によっては、転職活動を始める前に職場を離れねばならない場合もあると思いますが、転職活動はなるべく速やかに始めることをおすすめします。
そこで今回は、退職してからの転職活動をすぐに始めるべき理由について解説したいと思います。
目次
すぐに内定がもらえるとは限らない
まず、応募から内定がもらえるまでにどのくらいの時間がかかるのかを考えてみましょう。
個人差もありますが、応募から実際に働き始めるまでは、順調な場合で2~3ヶ月かかります。
実際には半年以上かかる人もめずらしくなく、仕事を探し始めてから1年以上就職先が見つからないケースもあります。
つまり、転職活動を始めてから実際に働き始めるまでは、ある程度の時間がかかるとを考えておきましょう。
ちょっとした数週間程度の休みと思っていても、全体としての無職の期間はそれだけ長くなるのです。
失業手当(基本手当)の給付日数は、最大で330日。
ですがこれは、倒産や解雇などの理由で離職せざるを得なかった、特定受給資格者などの場合であることを忘れてはいけません。
給付日数は年齢や勤続年数によって差がありますが、90日程度の人もめずらしくありません。
収入の面から考えれば、それほど時間的な余裕がないことが分かるでしょう。
失業手当はお給料と同じ額ではない
失業手当は給付日数だけが問題ではありません。
給付される金額についても考えておく必要があります。
失業保険の給付率は、以前の仕事でもらっていたお給料の50~80%が基本。
前職の満額がもらえるわけではなく、場合によっては半分程度しかもらえない場合もあるのです。
また健康保険料や年金、税金など、今までは会社が管理してくれていたお金も自分で払っていかなければなりません。
特に健康保険料や住民税などは、前年の所得から計算して金額が決められますので、収入の少ない状況で支払うのは大変です。
今までの感覚で生活していては、すぐにお金が足りないことに気づくでしょう。
ですがそこから転職活動を始めても、先に述べたように、すぐに仕事に就けるわけではないのです。
失業手当はもしものためのお金と考えて、できるだけ早く安定した収入が得られるようにしなければなりません。
無職の期間が長いのは問題
実家暮らしで家賃や食費がかからない、独身で養うべき家族がいないなど、収入が減っても生活にあまり困らない人もいるでしょう。
お金の心配がないので、自分には関係ないと思うかもしれませんが、デメリットはお金の問題だけではありません。
働かずに失業手当だけで生活できてしまうと、緩い生活に慣れてしまい、その期間が長ければ長いほど、転職活動に対する意欲を奮い立たせるのが難しくなります。
ズルズルと無職の期間が続き、働く意欲はますます損なわれてしまいます。
思い切っていざ転職活動に臨んでも、応募書類や履歴書では、ブランクの期間はしっかりと残ります。
「なぜ無職の期間があったのか」「ブランクの間なにをしていたのか」「以前のビジネススキルは保っているか」などの質問を面接官からされるでしょう。
会社としては、怠け癖のあるような人や働く意欲の少ない人を採用したいとは考えません。
相手が納得できるようなしっかりとした理由が答えられなければ、内定をもらうことは難しくなります。
焦りを感じて妥協が産まれる
転職活動に時間がかかり、なかなか次の仕事先が決まらなければ、焦りが生じます。
お金の余裕もなくなり、社会から取り残されている気持ちに拍車もかかるでしょう。
その結果、早く働き始めることにばかりに気が向いてしまい、転職先の会社をよく調べず、手あたり次第とにかく応募するようになります。
相手の会社の特徴を把握せずに面接に臨んでも、焦りによる緊張から本来の力が発揮できず、転職活動はますます難航します。
焦りはネガティブなループになって、採用される可能性を求めて会社や仕事のレベルもどんどんと下げざるを得ません。
妥協に妥協を重ねて就職できても、自分に合った職場や、能力を発揮できる仕事ではないので、またすぐに辞めたいという気持ちになるでしょう。
あまり短い期間で転職を繰り返すのは、職歴として不利になりますので、希望の仕事に就ける可能性はますます減ってしまうのです。
有給休暇の消化を活用する
会社を辞める際、退職予定日から逆算して残っている有給休暇を消化する場合があります。
最大40日の有給休暇が法律上認められていますので、長い人であれ約2ヶ月程度はお給料をもらいながら休むことができます。
お給料がもらえますので、つい有給休暇中はのんびりと過ごしがちになるかもしれません。
ですが有給休暇中は、転職活動を行う最適な期間です。
お給料があるため収入の心配はなく、転職活動に使う時間も自由に決められますので、面接日程などの調整もしやすいでしょう。
転職先も十分に吟味して決めることができますし、何より心に余裕があれば、転職活動にも前向きになれて、プラスの効果が期待できます。
有給休暇中に次の仕事が決まれば、新しい仕事への準備も余裕を持って行えるので、転職先でもすぐに力を発揮できるでしょう。
お金の心配もなく時間を自由に使える機会は、この時をおいて他にありませんので、有給休暇を効果的に利用してください。
少まずは転職エージェントに登録しよう
すでに退職している人や、退職の予定は決まっているけれど次の仕事先が決まっていない人は、まず転職エージェントに登録することをおすすめします。
少し休みたいという気持ちもわかりますが、登録するだけであれば手間はかかりません。
すぐに焦って動き出す必要はありませんが、転職についての情報をなんとなく受け取るだけでも、新しい仕事に対する興味やモチベーションを適度に保つことができます。
いざ本腰を入れて転職活動に臨む際にも、ある程度の情報や心構えがあれば、よりスムーズに次の仕事が見つけられるでしょう。
応募書類や履歴書の書き方、面接における注意点からアピールポイントまで、さまざまなアドバイスも得られます。
転職エージェントは無料で利用できますので、次の仕事が決まっていないなら、まずは登録してみましょう。
スムーズな転職を目指そう
今回は、退職してからの転職活動をすぐに始めるべき理由について解説しました。
働きづめの日々から解放されて少し休みたいという気持ちもわかります。
ですが、転職に時間がかかればかかるほど、希望の仕事に就ける可能性は減っていきます。
転職はなるべくスムーズに行いたいものです。
新しい仕事への希望やモチベーションを保つためにも、心に余裕をもって早めに動き出しましょう。