皆さんは「ゲームテスター」という仕事がどんなものか知っていますか?ゲームが好きだという人は、すでにチャレンジしたことがあるかもしれません。
ゲームテスターとはその名の通り、これから発売する予定のゲームのソフトやスマートフォンアプリをテストプレイして、ゲームの中に潜んでいる可能性がある「バグ」を見つけ出す仕事です。
これだけ聞くと、「自分はゲームが好きだから、ゲームテスターの仕事をやってみたい」と、思うかもしれません。しかし、ゲームテスターという仕事は、意外なほどきつい側面があるのです。
そこで今回は、きついと言われるゲームテスターの仕事の楽しい部分やゲームテスターとして活躍できる人の特徴、さらに残念ながらゲームテスターの仕事を辞めてしまう人の特徴などについて、くわしく解説していきます。
目次
本当にきつい?ゲームテスターの楽しいところ
ゲームテスターというと、何十時間も同じゲームと向き合い続けなければいけない「きつい」仕事であると考えている人は多いものです。
確かに、好きなゲームを好きなようにプレイするのとは違い、ゲームテスターというのはゲームの中に潜んでいる可能性がある「バグ」を見つけ出すことが仕事ですから、きついと感じるのも当然でしょう。
しかし、ただ「きつい」だけではないのもゲームテスターという仕事の面白いところです。では、ゲームテスターとして働くことの楽しさとはどんなところにあるのか、見ていくことにしましょう。
没頭すると時間を忘れてしまうこともある
ゲームテスターは、同じゲームを様々な角度から何度も繰り返しプレイすることによって、ゲーム中に表示される文章に誤りはないか、誤作動をすることはないかなど、細かくチェックしていく仕事です。
担当するゲームについては隅から隅まで厳しくチェックしていきますから、同じ場面を延々と繰り返しプレイし続けることもあります。
そうした作業は、とらえ方によっては単調でつまらない作業に映るかもしれません。しかし、時間を忘れて作業に没頭してしまうこともよくあるのです。
ゲームの世界に入り込むことの楽しさ、未発売のゲームを完成品に近づけているのだという面白さから、次第に仕事をしている感覚が希薄になっていくという経験をしたことがある人も多いと言います。
未発売・未発表のゲームをプレイできる
未発売・未発表のゲームをチェックするのが、ゲームテスターです。まだ誰もプレイしたことがないゲームをいち早く体験できる機会というのは、めったにあるものではありません。
誰も触ったことがないゲームをいち早く遊べるというのは、ゲームテスターという特殊な仕事をしているからこそ経験できることであり、ゲームテスターとしての醍醐味でもあります。
あくまでもテストプレイですから、最初から最後まで単純にゲームを楽しむことはできません。それでも、世の中にまだ出回っていないゲームに触れることができるのは、ゲーム会社の人を除けばゲームテスターくらいでしょう。
現在はスマートフォンでプレイできるゲームもどんどん増えていますから、ゲームテスターの需要も倍増しています。きつい仕事ではありますが、トライしてみる価値はあると言えるでしょう。
「ゲーム作りたずさわっている」という実感が持てる
ゲームテスターとして仕事をするということは、「まだ世間の誰もプレイしたことのないゲームを完成に近づけるための作業をする」ということです。
それはつまり、自分もゲーム作りにたずさわっているということになり、ゲームのクリエイターの気分を味わうことができます。単調な作業であっても、ゲームテスターの仕事なしにはゲームを完成させることはできないのです。
そうして最終的に完成したゲームが発表された時には、ゲームのテストに費やした時間が長ければ長いほど、きつい時間が多いほど、何とも言えない充実感を味わうことができるでしょう。
「ゲームは好きだけど、本当にそんな気持ちだけでゲームテスターの仕事が務まるのだろうか...」と、迷っている人は、まずはチャレンジしてみることをおすすめします。
「やりがいがある!」ゲームテスターとして活躍できる人の特徴
ゲームテスターは、まだ発表される前・発売される前のゲームを体験することでゲーム内に隠れている不備をくまなく探し出していく仕事ですが、きついことも多く、辞めていく人が多いことも事実です。
しかし、中にはゲームテスターとしての仕事に「やりがい」
を感じて日々楽しんで業務に取り組んでいる人がいることも忘れてはいけません。
それでは、ゲームテスターとしての適性が高い人、やりがいを感じながらゲームテスターの業務を遂行できる人の特徴について、探っていくことにしましょう。
バグ探しに集中して取り組める
ゲーム内のバグ探しというのは、とてもきつい・気の遠くなるような作業だということは想像できるでしょうか。というのも、バグというのはいつ・どんな時に発現してくるものか予想ができないからです。
そのため、100回・200回と同じ場面をプレイする必要があります。また、集中して作業に取り組まないと、バグをうっかり見落としてしまう可能性もあるので、高い集中力が必要になってきます。
普段から細かい作業をするのが苦にならない、間違いを探し当てるのが得意、同じ作業の連続でも面白がって取り組むことができるという人は、ゲームテスターとして長く仕事を続けられるでしょう。
長時間コツコツと作業を続けることができる
ゲームテスターは、気の遠くなるような長い時間、同じゲームをプレイし続けることになり、人によってはとても「きつい」と感じる作業です。
毎日違う体験ができる・変化に富んだ仕事がしたいというよりは、日々コツコツと同じ作業を続けることにやりがいを感じるという人は、ゲームテスターとしての適性がある人と言えるでしょう。
また、長時間の座り仕事になるので、「動きのある仕事よりも落ち着いて仕事がしたい」という人にも、ゲームテスターとして活躍できる可能性が高そうです。
さらに、人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるよりは、自分のペースでもくもくと作業に取り組みたいという人にも、ゲームテスターの仕事をおすすめします
バグの内容を正確に把握・伝達できる
集中力があって長時間のコツコツ作業が苦にならない人がゲームテスターに向いているタイプであると述べました。しかし、さらにもうひとつ、重要なポイントがあります。
「見つけ出したバグの内容を正確に把握して、担当者に伝達できる力を持っているかどうか」という点です。せっかく見つけたバグも、うまく伝えられなければ意味がないからです。
発見したバグは、会社から所定されたフォーマットやワード・エクセルといったシートに直接書き込んでいくことがほとんどです。そんな時に、適切で分かりやすい日本語でまとめられるかどうかが大切になってきます。
バグの中身を的確な日本語で、誰が読んでもすんなり理解できる内容で残す必要があります。ですから、ある程度の文章力がないと、「きつい」だけの仕事になってしまうでしょう。
「きついからもう無理!」ゲームテスターを辞めていく人の特徴
楽しくゲームテスターの仕事に取り組める人がいる一方で、「きついからもう無理...」ということで、仕事を辞めてしまう人も少なくありません。
根気強さや集中力に加えて、ある程度の文章能力が求められる仕事ですから、きついと感じてしまうのも無理はないのかもしれません。
それでは今度は、ゲームテスターの仕事から早期に離れてしまう人の特徴について、掘り下げて考えていくことにしましょう。
淡々とした作業の連続を苦痛に感じる
ゲームテスターの仕事は淡々とした作業の連続です。そうした刺激のない仕事を長時間続けることを苦痛に感じてしまうタイプの人は、ゲームテスターの業務に向いていない可能性が高そうです。
というのも、ゲーム内のバグを見つけるためには、どうしても同じ場面を数十回以上繰り返しプレイしたり、とてつもなく長い時間をかけてバグを探し出したりする必要があるからです。
また、いろいろな刺激を受けながら仕事をしたい、変化を好むタイプの人も、ゲームテスターとして活躍することは難しいかもしれません。
興味本位でトライしたけど...実はそれほどゲームが好きではない
ゲームテスターとして仕事をするためには、「ゲームが好き」であることは、絶対に必要な条件ではありません。しかし、やはりゲームに興味がある人と興味がない人では、仕事が長続きする度合いも変わってくるようです。
日常からゲームに親しんでいる人であれば、ゲームをプレイする際の「コツ」のようなものをつかむのが上手です。しかしそれほどゲームに興味がない人は、まずはゲームの「感覚」をつかむところから始めなければいけません。
ですから、興味本位でゲームテスターの仕事にトライしてみたけれど、実はそれほどゲームに興味があるわけではないという人は、ゲームテスターの仕事を「きつい」と感じる確率が高そうです。
好きなゲーム以外はプレイしたくない
ゲームテスターは、自分の好みのゲームをプレイできるとは限りません。全く興味のないジャンルのゲームを担当することもあります。
そのため、「好きなゲーム以外はプレイしたくない!」「興味のないジャンルのゲームはやりたくない」という人にとっては、ゲームテスターの仕事は「きつい」以外の何物でもなくなってしまうでしょう。
ゲームテスターは想像以上にきついと分かったら!無理せず別の仕事を探すのもアリ
きついと言われるゲームテスターの仕事の楽しい部分やゲームテスターとして活躍できる人の特徴、さらに残念ながらゲームテスターの仕事を辞めてしまう人の特徴などについて、くわしく解説してきました。
ゲームテスターというと、「ずっとゲームをしていれば良い仕事なのであれば、ぜひ挑戦してみたい!」という人がいます。しかし実際には、ゲームテスターとは非常に地味で根気のいる仕事です。
そのため、実際に業務を体験してみて「想像以上にきつい」と感じるようであれば、無理をしないで別の仕事を探すのも仕方がないと割り切って、前に進むようにしましょう。