ダイエットのためにはカロリー制限が必須である。とにかく摂取カロリーを抑えてカロリー収支をマイナスにしなければならない。
この考え方自体は間違いありません。しかし、ただ闇雲にカロリー摂取を抑えることだけを考えていては、なかなか上手くいかないのが実情です。
なんとか上手い方法はないのか考えてみましょう。
カロリー収支はマイナスに
上手い方法と言っても、体重減少の基本的なメカニズム「摂取カロリー<消費カロリー」は変えることはできません。
世にある多くのダイエット法はこの状態を作り出すための方法論であり、この法則を無視して体重が減少していくことはありえません。
ただ痩せること、体重を減らすことだけが目的であれば、どのような方法を使っても「摂取カロリー<消費カロリー」の状態を作り出しさえすれば良いです。
その差が大きければ大きいほど体重が減っていくスピードも早くなるでしょう。
しかし実際には、それまで好きなようにカロリーを摂取してきた人がなんの目安もなく何となく摂取カロリーを減らして痩せていくことは難しいと思います。
さらに健康的に、そして持続的にリバウンドせず、となるとより難しく感じるかもしれません。
適正カロリーの計算方法
何にしても、まずは現在の自分がいったいどれくらいカロリーを消費しているのかを知ることから始めましょう。
基本的な消費カロリーの算出方法は「基礎代謝量×身体活動レベル」で計算します。
基礎代謝量とは呼吸や心臓の鼓動など人間が生きていくうえで最低限必要なエネルギー量のことで、算出するための計算式はいくつかあるのですが、今回はハリス-ベネディクトの式を紹介します。
男性:66+13.7×体重kg+5.0×身長cm-6.8×年齢
女性:665+9.6×体重kg+1.7×身長cm-7.0×年齢
この式で基礎代謝量を算出できますが、実際には完璧に基礎代謝量を算出することは難しく、筋肉量や体温などによって多少の誤差が出ます。
ただ、ダイエットのための目安という程度であれば、この式で十分に役立つでしょう。
そしてこれに身体活動のレベルに応じた係数をかけ合わせます。
レベル1:1.50(生活の大部分を座って過ごす)
レベル2:1.75(たまに移動や立ち仕事、買い物や軽いスポーツなども入る)
レベル3:2.00(移動や立位多い。スポーツなどの運動習慣あり)
ネットで検索すれば自動で計算してくれるようなサイトがいくつもあるようですので利用すると良いでしょう。
例えば女性30歳、160cm、60kgの方であれば、基礎代謝が1303kcal、一日に必要なカロリーが2280kcalとなります。
これは上記の条件の女性が今の体重を維持するためには2280kcal必要ですよ、ということを意味します。
そのため、摂取カロリーを2280kcal未満に抑えれば体重は減っていきます。
かといっていくらでも減らしていけばいいというわけではありません。
基礎代謝を下回るような減らし方をしてしまうと、体に不調をきたしてしまいますので論外です。
ダイエットやり始めで気合が入っているときは、摂取カロリーも抑えることができるでしょうが、それをいつまで続けなければいけないのか、目標の体重になったらどうするのか、などを考えておかなければなりません。
カロリー制限の考え方
摂取カロリーをたくさん減らせば減らすほど、早く体重は減るでしょう。
でも続きますか?
短期間で摂取カロリーをものすごく抑え、体重を減らせたとしても、いずれ戻すのであれば体重もいずれ戻ります。
今の摂取カロリーから300減らそうとか、500減らそうなどという摂取カロリーの目標値設定のやりかたでは、長く続けづらい方が多いのではないでしょうか?
そんな方は考え方を変えてみましょう。
例えば上記のケースで、目標体重を55kgに設定したとしましょう。55kgを維持するためには上の式で一日の適正摂取カロリーは2196kcalです。
この2196kcalに摂取カロリーを合わせるのです。
2196kcalは55kgを維持するために必要なカロリー量ですので、一日平均2196kcalをずっと続けていれば、いつか55kgになります。
言い換えると55kgの人は一日平均2196kcal摂取する生活を維持しているから55kgなのです。
ですからいま一日に2280kcal摂取しているところを2196kcal摂取にして、それに慣れてしまえば、体重は知らないうちに55kgに減って、そのままずっとキープしていけるでしょう。
このケースであれば5kgのダイエットに必要なのは一日わずか84kcalの制限です。食べる量は減らさずに運動で一日84kcal余分に消費することもそれほど難しくないでしょう。
まとめ
カロリー制限のやり方は人それぞれでしょうが、減った体重を維持できないとダイエットの意味がありません。
続けられる方法を選んで理想の状態をキープできるよう工夫しましょう。この記事が少しでも参考になれば幸いです。