化粧品販売に携わる美容部員は、女性に人気のある仕事のひとつです。
販売店などで優雅に働く姿は、同じ女性から見ても美しく、その立ち居振る舞いに憧れて美容部員になったという人もいるでしょう。
しかしその仕事の内容は、外から見るイメージと大きく違い、想像以上に激務です。
そのため、実は人気はありながらも、すぐに辞めてしまうが人多い、離職率の高い職業なのです。
がんばって美容部員の仕事をしているけれども、自分の性格や適性にあっていないと感じて、辛い思いをしている人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は美容部員のきつい仕事内容と、向いていないと思われる人の特徴、その転職先について考えてみたいと思います。
目次
美容部員の大変な仕事とは
では実際に美容部員として働く人は、どのようなことを大変だと考えているのでしょうか。
具体的な例をいくつかあげてみます。
体力的に厳しい立ち仕事
美容部員の仕事は立ち仕事がほとんどで、ゆっくりと腰をおろすことはできません。
また、ただ立っていればいいわけではなく、常に美しく見えるように背筋を伸ばして、見た目を意識した姿勢を保っていなければなりません。
スタイルがよく見えるように、高めのハイヒールを履くことも多く、足腰に負担がかかります。
一日の大半をその姿勢で過ごすうえ、お客様にメイクのサービスを行う際は、中腰の姿勢をキープしたり腕を上げ続けていなければならず、肉体的にはかなりの苦行です。
それでもお客様の前では辛い顔を見せることなく、笑顔をキープしつづけなければなりません。
難しい職場の人間関係
美容部員の職場で働く人のほとんどは女性です。
女性は仲間意識や連帯感に敏感な傾向があるので、働く人たちの仲がよければいいのですが、難しい面も多々あります。
先輩後輩の上下関係に厳しい職場では、ちょっとした態度にも注意しなければなりませんし、仕事をスムーズにこなすためにも、協調性が重視されるなど、なにかと気をつかうことも多くあります。
場合によっては先輩から厳しい叱責を受けたり、仲間うちで理不尽な扱いをされることもあり、職場に行くのが憂鬱になってしまう人もいます。
売り上げ重視でノルマなどに厳しい
仕事である以上、売り上げを伸ばすのは当然なのですが、そればかりを重視するあまり、厳しい売り上げ目標やノルマなどを定めている職場もあります。
目標達成のためにはいかに商品を売るかが求められ、お客様に無理な営業を行わなければならないことに、ストレスを感じている販売部員もいます。
新しい情報には常に敏感でなければならない
次々と発売される化粧品には、時代に合わせて最先端の技術が取り入れられています。
商品がリリースされるスピードは速く、日々新商品が開発されるうえ、世の中のブームで売り上げが大きく左右される業界ですから、常に新しい情報に敏感でなければなりません。
また自社の商品をアピールするためには、業界全体の動向や、他社の製品にもある程度精通している必要があります。
常にアンテナをはって、情報を取り入れていく努力をしていなければ、美容部員の仕事を続けていくことはできません。
美容部員に向いていない人はどんな人
美容部員に向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか。いくつか紹介してみたいと思います。
女性が多い職場での人間関係が苦手な人
女性は仲間意識や協調性を大切にする傾向にあり、特に同性の間での評価を重視します。
良い点としては、トラブルを助け合って乗り越えたり、悩みを相談しあえるなど、仕事の支えになる面もありますし、お互いを励ましあうことでスキルアップしていける関係が作れます。
その反面、仲間の輪から外れるようなことは、勝手なふるまいとして非難される対象となります。
常に協調性を意識して、周りとあわせる行動をとらなければなりません。
それは時にプライベートに関してまで及ぶことがあるので、自分は自分であるといった独立心の強い人や、周囲の人とあわせるのが苦手という人には難しい職場かもしれません。
感情がすぐに態度に表われてしまう人
美容部員は接客業ですので、感情がすぐに顔や態度に表われてしまう人には向きません。
お客様の気分が晴れやかになるような商品を販売する仕事ですから、感情がすぐ顔に出てしまい、お客様に不快な思いをさせてしまうようでは美容部員としては失格です。
これは接客業全般に言えることですが、お客様の前では常に笑顔で快い接客を心掛ける必要があります。
コミニュケーションがとれない人
美容部員の仕事は、単に化粧品を販売すればいいというわけではありません。
豊富な知識と経験を使って、お客様に最適な商品を選びだすことも美容部員の大切な仕事です。
またお店には、化粧品に対する知識のあまりない人や、自分の肌にとってなにが最適が見つけられないでいる人など、色々なお客様が訪れます。
そのようなお客様の話をひとつひとつ聞き、希望をうかがったうえで、最適な商品をすすめなければならないのです。
必要によっては化粧品の使いかたお客様に伝えたり、おすすめのメイク方法などを実演したりすることもあるでしょう。
美容部員の仕事は普通の商品販売とは違い、お客様との優れたコミニュケーション能力が必要になるのです。
コミニュケーション能力に不安がある人や、話すのが苦手な人には向いていない仕事です。
興味の対象が狭く知識の幅が狭い人
新しい技術や最先端の流行を取り入れて、めまぐるしく商品がリリースされる化粧品の業界は、まさに日進月歩です。
移り変わりの早い業界において、今の流行だけでなく常に一歩先をいった情報にもアンテナを張ることが、美容部員に求められる条件です。
またお店にはさまざまなお客様が来店するので、それぞれのニーズにあった商品をすすめることができなければなりません。
興味の対象が狭く、自分の好きなものの知識しか持っていないのでは、お客様の要望に応えることはできないのです。
美容部員である以上は、常に情報に敏感になり、勉強し続ける姿勢を持たなくてはなりません。
体力に自信のない人
販売の仕事は基本的に立ち仕事です。
そのうえ美容部員はただ立っていればいいというわけではなく、常に美しい姿勢やたたずまいをキープしていなければなりません。
みっともない姿勢で接客していては、お客様の信頼を失います。
服装にも気をつかい、高いヒールの靴を履いて仕事をすることもあたりまえです。
さらにお客様にメイクを施す際は、中腰のまま作業しなければならないので、一日の仕事における肉体的な疲労は相当なものです。
職場によっては少人数のスタッフでローテンションを回している場合もあり、休みをとることもままならないといった声が聞かれます。
体力の自信がない人には続かない仕事です。
向いていないと感じたら転職を考える
自分が美容部員に向いていないと感じるなら、転職考えてみることをおすすめします。
憧れて入った業界でも、日々の仕事が辛く、楽しと感じられないのであれば、遠からず限界がくるので、早めに転職を決断するのも間違いではありません。
楽しく働けるような職場は、他にもたくさんあるはずです。転職をひとつのチャンスと考えて、まずは検討してみましょう。
転職するにはどうすればいいのか
では転職とは具体的にどのようなものなのでしょうか。美容部員の転職としては、以下のような例が考えられます。
美容部員という仕事はそのままにブランドを変える
美容部員の仕事には喜びを感じており、楽しい仕事だと思っているが、現在の職場には不満があるという人には、働くブランドを変えてみるという方法があります。
環境を変えてみるだけで驚くほど働きやすくなったという例もあります。
また、職種が同じであれば今まで培ってきた経験を活かせますし、身に着けたスキルは転職に際しても有利に働きます。
転職先の商品について勉強する必要はありますが、基本的に即戦力として採用されますので、すぐに仕事を始められるという利点もあります。
美容にかかわりつつも別の業界に転職する
美容に関する仕事は化粧品の販売だけではありません。
ヘアスタイルに関わる美容室やネイルサロン、スキンケアのためのエステなど、女性が美しくあるためのお手伝いができる仕事は多岐にわたります。
転職に際しても、美容に関する知識や接客技術など共通する部分が多いので、今までの経験が高く評価される可能性もあり、再就職への道も広がります。
思い切って全く別の業界に飛び込んでみる
全く別の業界に移った場合、美容に関する知識や経験はあまり訳にたたないかもしれません。
しかし身に着けた接客というスキルは、どのような業界や業種でも高く評価されると思われます。
同じ接客業であればもちろんですが、事務職などにおいても電話や来客の対応など、人と関わる技術はどの仕事でも必要とされます。
今までとは違った業界でも、意欲をアピールできれば転職の道も大きく開けます。
思い切って積極的に行動してみることが、成功に結び付く方法です。
自分の適性がわからずに迷っている場合
転職を考えてはみたものの、自分の適性がわからず、どんな仕事を探していいのかに悩んでいる人もいるでしょう。
そのようなときは一人で悩むのはやめて、転職エージェントの無料適性診断を受けてみる方法があります。
簡単な入力で適性を診断できますので、まずは試してみることをおすすめします。ひとつの目安として参考になるでしょう。
また転職に関するフェアや求人イベントなどに、積極的に足を運んでみることも必要です。
さまざまな仕事を知れば世界が広がりますし、あらためて自分のしたいことや、思ってもいなかった発見が得られるかもしれません。
どちらにしても、まずは動き出してみることで道は自然に開かれていきます。
転職を決断したら
美容部員からの転職を決断したなら、まずは転職エージェントに相談することをおすすめします。
ひとりでは不安な転職活動を、転職のプロフェッショナルである転職エージェントがサポートします。
ハローワークや求人情報誌で仕事を探すより、豊富な情報をもった転職エージェントであれば、最適な転職先を見つけ出せるでしょう。
必要な書類の書き方から、面接の際に注意するべきこと、どのような点をアピールしていったらよいかなど、小さな疑問にも答えてもらえます。
転職エージェントへ相談することは、よりよい転職を成功させるためにプラスの力になります。
みつけるべきは自分にあった仕事
美容部員に向いていないと思われる人の特徴とその転職先についていくつか紹介しました。
美容部員はハードな仕事ですので、続けられないと思ったら、無理をせず転職しましょう。
大切なのは自分にあった仕事をみつけて楽しく働くことです。