「ブラック」と評判?!なぜ施工管理の仕事はきついのか?その実態に迫る!
施工管理の仕事と聞いて、皆さんはどのような業務を想像するでしょうか?建築現場で職人をたばねて指揮をとり、建築業務がとどこおりなく進むように管理する業務だと考える人が多いかもしれません。
もちろん現場で働く職人の指揮をとるのも施工管理の仕事のひとつです。ただ、施工管理の仕事はもっと大きな枠組みで現場全体の状況を把握することにあります。
工事期間のスケジュール調整や安全管理・品質管理などを総合的におこなうのが施工管理の仕事です。万が一にも事故が起きないように、スケジュールに遅れが出ないように、常に全体に気を配る必要があります。
このように施工管理の仕事内容は非常に多岐にわたるため、きつい・大変・簡単には務まらない業務であると言われています。
そこで今回は、施工管理の仕事が「ブラック」と言われてしまう理由や施工管理の仕事が向いていない人のタイプ、そして施工管理の仕事の魅力について、いろいろな側面から解説していきます。
目次
「なぜこんなにきついのか...」施工管理の仕事は限りなくブラックって本当?
施工管理の仕事は現場を仕切る立場なのだから、オフィスワークがメインになるのではないかと考えている人がいたら、すぐにその考えを改めるべきです。
確かに工事や建設現場の全体を見る監督的な立場になることは間違いありませんから、決められた工事期間に作業が完結できるように日程を組み、滞りなく作業がおこなえるように手はずを整えます。
さらに作業員と一緒に現場に立ち、実際に作業をおこなうことも多くあるのですから、デスクワークのみをこなしていれば良いという一般的な「管理者」とは大きく異なるのが実情です。
それでは、施工管理の仕事は限りなく「ブラック」である、「きつい」と言われる本当の理由について迫っていくことにしましょう。
言葉遣いが荒い人も多い!人間関係の構築が難しい
施工管理の現場はつまり、工事現場や建築現場です。スーツを着た社員がオフィスで働くのとは違い、現場ではさまざまなタイプの人が働いています。
一歩間違えば大事故につながりかねないのが現場ですから、安全を確保するために大きな声で注意をすることも多く、現場に入ったばかりの頃は特に「大変なところに来てしまった」と驚く人も少なくないようです。
また年齢に関係なく言葉遣いが荒い人も多く、「仕事を覚えるのはもちろんきついけれど、現場に馴染んで人間関係を築くのはさらに難しい...」という声も聞かれます。
このように施工管理は自分の業務をとどこおりなく進めることが求められるだけでなく、現場の職人との付き合い方や適度な距離感を意識する必要があるきつい仕事なのです。
仕事はきつくなるのに給与は「上がらない」という現実
工事現場や建築現場では、必ず「作業できる期間」が決まっています。期間に合わせてスケジュールを立ててスムーズに工事が進むようにすり合わせていくのが施工管理の仕事になります。
しかし実際には悪天候や資材の入荷遅れなどの原因により、予定通りにスケジュールが進むとは考えにくいのがきついところです。
それでも作業の進み具合が良くないと「施工管理が良くないから」ということになり、責任を負うことになりますから、精神的にもきつい仕事であることは言うまでもありません。
また、仕事自体はどんどんきつくなるのに、給与はそれほど上がらないとういう現実も、施工管理の仕事がきつい・ブラックだと言われる理由のひとつでしょう。
給与アップはモチベーションにも大きく影響してきますから、「仕事内容に見合った対価が得られないのなら...」と、現場を去っていく人も少なくないのです。
自由な時間はほぼゼロ?残業続きで心身ともに疲労がピークに達する
工事の完了期間が迫っている時や計画通りに全体が進んでいない時などは、残業はもちろん休日も返上で作業をおこなうことがあります。
施工管理とは言うものの、実際は現場仕事もこなさなければいけないハードワークですから、肉体的にも精神的にも大きな疲労を抱えることになるのです。
そのため、自由になる時間は限りなくゼロに近くなり、満足に体力を回復することもできなくなるため、心身ともに疲労がピークに達してしまうこともあります。
ただ、やはり施工管理者は現場を監督する立場にある人です。いくら仕事がきついとはいえ、弱音ばかり吐いていては現場の職人たちをたばねていくことはできないというのもつらいところです。
施工管理の仕事を楽しめない・きついと感じるのはこんなタイプの人
過酷な現場に日々立ち続けなければいけない施工管理の仕事は決してラクなものではありません。体力的にも精神的にも極度に消耗することが予想されます。
「現場監督」という響きに憧れて施工管理の仕事を選んでしまうと、あとになって「こんなにきついとは思わなかった」「自分には向いていないかもしれない...」と、後悔することになります。
では、施工管理の仕事を楽しめない・きついと感じやすい人のタイプについて、考えてみることにしましょう。
現場仕事もこなす必要あり!臨機応変に対応できない
施工管理の仕事は表向きは管理業務ということになりますが、実質的にはデスクワークをこなす割合は低めです。というのも、施工管理の仕事はオフィスではなく、実際に工事が進められている「現場」でおこなうからです。
特に現場では人手が不足していることも多いことから、職人と一緒に作業をすることも頻繁にあります。施工管理の立場で夏も冬も関係なく現場で体力仕事をするというのは想像以上にきついことです。
「施工管理だから現場仕事とは無縁でいられると思ったのに...」と、理想と現実のギャップに苦しみ、やむなく施工管理の仕事を辞めていく人も多いようです。
対人スキルが低い・現場の職人とうまくコミュニケーションが取れない
工事や建設の現場の状況を常に把握し、進捗状況を見ながら指示を出すこと、現場仕事をするという2つの業務を上手にこなすことができなければ、施工管理の仕事は務まりません。
加えて「高い対人スキル」が求められるのも、施工管理の仕事をしていくうえで重要なポイントです。基本的にコミュニケーション能力が高ければ高いほど、仕事はやりやすくなるでしょう。
というのも現場では、年配のベテラン職人から若手の職人まで多種多様な人々が働いており、必ずしも優しく声をかけてくれる器用な人たちばかりではないのです。
時には口の悪い職人たちから邪険にされたり怒鳴られたりして「きつい」と感じることもあるでしょう。そんな時に弱腰になってしまう・気が弱いタイプの人は、施工管理の仕事に向いているとは言えません。
ですから、職場の職人たちとうまくコミュニケーションが取れる、社交的なタイプの方が、施工管理という仕事を続けやすいといえるでしょう。
感情的になりやすく冷静な判断ができない
現場で働く職人たちとうまくコミュニケーションが取れず感情的に発言をしてしまう可能性があるという人は、施工管理の仕事には不向きと言えるかもしれません。
感情的になりやすく、焦ると冷静に判断することができなくなってしまうタイプの人も、施工管理の仕事を「きつい」と思うことが多いでしょう。
工事や建築の現場では思いもよらないアクシデントや、工事の遅れが発生することがよくあります。そんな時に管理者が慌ててしまうと周りは混乱してしまうのです。
施工管理の仕事はきついけど楽しい?その魅力とは?
施工管理の仕事が「きつい」と言われる理由や向いていない人のタイプなどについて述べてきました。それほどまでに施工管理の仕事は大変な業務なのです。
とは言うものの、「施工管理の仕事はきついけど楽しい」と言って取り組んでいる人々の存在も忘れてはいけません。
では、意外と知られていない施工管理の仕事の魅力は一体どんなところにあるのか、探ってみることにしましょう。
さまざまな専門知識を身につけてスキルアップできる
きつい業務であるにもかかわらず、給与がそれほど高くないため離職者が減らない施工管理という職業ですが、さまざまな専門知識を身につけることでスキルアップを図ることはできます。
建築業法にもとづいて制定された国家資格を取得していけば、給与に資格手当が上乗せされる場合もあるでしょう。積み上げた経験と資格を活かして、さらに上の役職を狙うこともできるかもしれません。
将来にわたって「形」に残る仕事ができる
現場で働いている時には「きつい」「つらい」「苦しい...」という気持ちであふれていたとしても、いざ工事完了・建物が完成してみると、深い達成感に包まれることでしょう。
施工管理の仕事は決して簡単にこなせる業務ではありませんし、日々苦悩することもたくさんあります。それでも、将来にわたって「形」に残る仕事ができるというのは感慨深いものです。
自分のたずさわった建物を眺めることは、「施工管理の仕事をしていて良かった」と、実感できる瞬間ではないでしょうか。
建物の利用者から「感謝」の言葉を聞いた時にやりがいを感じる
工事が終わり、建築物が完成し、さらに建物を利用する人々から「ありがとう」「助かっています」という言葉を聞いた時の気持ちは、何物にも代えがたいものではないでしょうか。
「施工管理の仕事は間違いなくきつい、それでも人の役に立つ仕事ができた」と実感できることは、自分にとっての大きな財産になるでしょう。
施工管理はきつい仕事!体力・精神力ともに無理だと感じ始めたら早めの転職活動を
施工管理の仕事が「ブラック」と言われてしまう理由や施工管理の仕事が向いていない人のタイプ、そして施工管理の仕事の魅力について、いろいろな側面から解説してきました。
施工管理の仕事はきついものです。誰にでもできる業務ではありませんし、生半可な気持ちで続けられるものでもありません。
業務内容的に体力・精神力ともに極限まで削られていきますから、「もう限界かもしれない...」と感じ始めたら、少しでも早く転職活動をすることをおすすめします。