部下からの嫌がらせ。逆パワハラに対処するにはどうしたらいいのか。
上司から部下へのパワハラはニュースで取り上げられることもあり、広く一般的に認知されるようになってきました。
一方、いまだに認識されにくいのは、部下から上司への嫌がらせ、「逆パワハラ」と言われるものです。
部下から無視をされたり、いわれのない陰口を広められたりといった嫌がらせを受けて悩んでいる人もいるでしょう。
あきらかに上司に対して取るべきではない態度の部下を、どのように注意をしてよいのかわからずに困ってはいませんでしょうか。
そのままにしておけば仕事にも支障が出ますし、なによりストレスによって精神的に参ってしまいます。
逆パワハラを感じているなら、黙っていてはいけません。
そこで今回は、逆パワハラへの適切な対策をして、良好な関係を取り戻す方法を考えてみたいと思います。
目次
逆パワハラとはどういうもの
パワハラとは、上司や先輩などが強い立場を利用して、部下に対して嫌がらせや暴言、無理な仕事や不利益を与えることです。
これに対して逆パワハラとは、部下が上司に向かって無視や嫌がらせをしたり、指示を聞かない、横柄な態度をとることなどです。
パワハラは近年問題視されており、テレビなどで取り上げられることも多いので、しっかりとした職場では注意されるようになりました。
一方逆パワハラは表面化されることが少ないようですが、部下からの嫌がらせにより体調を崩した場合に、労災認定されたケースもあり、今後は理解が進んでいくものと思われます。
SNSの利用が逆パワハラに拍車をかけている
スマートフォンの普及により今では多くの人がSNSを利用しています。
ですがモラルや意識の低い一部の人は、SNSに会社に関しての不満や上司の悪口を投稿して誹謗中傷を拡散します。
写真や個人情報などのプライベートがさらされる危険もあり、そうなれば名誉棄損の対象ともなります。
気軽に使えるSNSが逆パワハラに拍車をかけている一面があるようです。
逆パワハラは認識されにくい
逆パワハラはパワハラと比べて問題になることが少ないようです。
ひとつには逆パワハラは認識されにくいといった理由があるからです。
ではなぜ逆パワハラは表に出にくいのでしょうか。
管理能力を問われることになりかねないから
逆パワハラを受けるのは、中間管理職の人に多いようです。
社長や取締役などと違い、多くの社員にとって日常的に接する機会の多い、身近な存在だからでしょう。
通常のパワハラであれば、同僚や別の上司などに相談して、会社に対応を求めることもできます。
しかし中間管理職にある人は、部下からの嫌がらせを受けているのがわかれば、本人の管理能力や指導力を疑われることになりかねません。
そのため逆パワハラに悩む人は、おおやけにするのを避けて、ひとりで悩んで耐え続けることが多いのです。
プライドが邪魔をして相談できない
管理職にある人は、上に立って部下をコントロールする仕事ですから、自分がその立場にふさわしい仕事ができるという自負があります。
自分より年下の部下から嫌がらせを受けているのは、ある意味自分が尊敬されていないのを認めることになりますので、プライドが邪魔をして別の人に相談することができません。
そのため自分ひとりでなんとかしようとして、問題を表面化させるのを避ける傾向にあるのかもしれません。
問題化されることを避けたがる
中間管理職は部下をコントロールして仕事を円滑に進めるのが仕事ですので、問題が表面化してトラブルになることを避けます。
問題があるとなれば、管理能力を疑われることになり、自分の評価を下げる結果にもなりかねないからです。
そのため自分ひとりで我慢して、事が大きくならないようにするのです。
パワハラが利用されている
最近では働く人の権利に対する意識が進んできたこともあり、労働環境に対する法律的な知識もテレビなどで取り上げられることが多くなってきました。
そのひとつがパワハラへの認識を広げるきっかけとなりました。
以前であれば我慢するしかなかった上司からの理不尽な嫌がらせに対して、労働者側が声を上げやすくなったのです。
そのこと自体は大変良いのですが、生半可な知識をつけた一部の人が、自分が嫌がらせをしているにも関わらず、上司から注意を受ければパワハラだと騒ぎ立てるケースもあります。
パワハラを自分に都合のいいように利用する人がいるので、上司が部下に対して注意をしにくい環境になっているという見方もあります。
逆パワハラに対処する方法は
では逆パワハラに対処するために、具体的にはどのような方法をとればよいのでしょうか。
逆パワハラに対処する方法をいくつか紹介してみたいと思います。
あくまで毅然とした態度をとる
部下を教育して、会社の一員として仕事を円滑に進められるようにすることも上司の仕事です。
仕事がしやすい環境をつくるために部下と親しくなったり、相談しやすい雰囲気を作るのも大切ですが、上司と部下という関係性を壊してしまうようなことは避けねばなりません。
部下に気をつかいすぎて、変に下に出るようなことをすれば、部下からの尊敬を失いますし、責任の所在や仕事の指示系統が無意味になってしまいます。
あくまでも自分が上司であるというのを念頭におき、逆パワハラに対しては毅然とした態度をとることが必要です。
部下の不満を理解する
部下が上司に対して嫌がらせをするのには、なんらかの理由があると思われます。
最初から反抗的な態度や、失礼なふるまいをしていたのでなければ、なにか不満をもつきっかけや理由があったのではないでしょうか。
逆パワハラに対処するためには、まず部下の不満を理解することが必要です。
自分が気づかない間に部下を傷つけていたのかもしれません。
また直接的ではないにしても、部署内で辛い立場にある部下をフォローしていなかったり、特定の人を特別にひいきして扱っていたりすることがあったかもしれません。
自分では意識していなくても、部下にとっては不満となる場合があります。
まずは部下の不満を理解するために、一度話し合ってみることも大切です。
法律に関する知識をつける
中途半端な法律の知識を持っている人に限って、労働基準法やパワハラを逆手にとって上司に嫌がらせを行います。
法律を盾に嫌がらせを行う部下に対しては、こちらも法律的な知識をつけておく必要があります。
法律を持ち出されても、臆することなく対応できなくてはなりません。
また労働基準法などの法律は、さまざまな場面で必要となることがありますので、管理職として知っておいて損な知識ではありません。
証拠を残しておく
逆パワハラを受けていると感じたら、まずは証拠を残しておきましょう。
会話をボイスレコーダーに録音しておくのがもっとも効果的です。
また、いつどのようなことがあったか、名前や日付、時間とともにメモに残しておくのも有効です。できるだけ細かくメモしておきましょう。
メモや録音などの証拠は、会社側に相談するときに有利になります。
また会社では解決することが難しい場合は、労働基準監督署や弁護士など第三者に相談する方法もあります。
それでも問題が解決しない場合は
さまざまな対策をしても逆パワハラが解決しない場合は、思い切って部下に移動を命じることもできます。
しかし前述したように労働基準法などを逆手にとって難癖をつけてくる可能性もありますので、会社側と意見をまとめておく必要があります。
会社側が事を荒立てるのを避けて、取り合ってくれない場合もあります。
しかし我慢をし続けていれば、精神的にストレスがたまって体調を崩してしまうことにもなりかねません。
我慢できないほど辛くて悩んでいるのであれば、思い切って転職してしまうのも間違いではありません。
転職をするといっても、いきなり会社を辞めてしまっては、再就職までの間が大変になりますし、慌てて転職先を決めてもメリットはありません。
良い転職をするためには、準備が必要です。
もし転職を考えるのであれば、まずは転職エージェントに相談してみましょう。
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