FXの集団心理とは?トレーダーの心理から見る相場のパターン。

FXの為替相場はランダムに動いているわけではなく、情報により動きます。

特に動きへ影響を与えるのはトレーダーの取引になるため、参加しているトレーダー達により動きは変わってくるのです。

逆に言えば相場で取引するにおいてはトレーダーの心理を分析するのがポイントとなります。

ではFXの取引においてトレーダーの心理はどう考えればいいのでしょうか。

トレーダーの心理から見る相場のパターン

FXの勉強をしていれば「こういう場面ではこう取引すればいい」という情報を当たり前のように見ます。

しかしこのような情報による相場の動きも実はトレーダーの集団による心理で成り立っているのです。

幾つかのパターンから「何故これはこう動くのか」をトレーダーの集団心理と共に見ていきましょう。

トレンド相場は偏って動くのが分かるからこその動き

トレンド相場は流れが一方に偏っている状態になっています。

単純にいえばこうですが、トレンド相場が成立するのは流れの方向に取引しているトレーダーの数が多いともいえるでしょう。

上昇トレンドであれば買い、下落トレンドであれば売るトレーダーが多いとなります。

トレンド相場で偏って動くのもトレーダーの集団心理が関わってくるでしょう。

トレンドが始まると流れが偏るため相場を見ているトレーダーとしても「この方向に動いている」という認識を持ちます。

そのため流れに乗って利益を出そうと考えとポジションを持ち、それが多くのトレーダーで成立するから大きく一方に動くのです。

もう一つとして現在FXにおいてトレンド相場で順張りをするというテクニックは当たり前となっています。

ネットの情報でも確認できるため、多くのトレーダーが「トレンド相場では流れに乗って取引するといい」という考えが一般なのです。

このような相場におけるトレーダーの「当たり前」もトレンド相場を成立させているでしょう。

他にもトレンドは一直線ではなく時には反転して動く時もあります。

トレーダーの心理は様々であり適度なところで決済した方、本当にトレンドかを見極めるために一旦手仕舞いした方と様々でしょう。

そして反転した後に抵抗線で跳ね返れば再びトレンドの方向に流れます。

トレンドの方向へ流れる際には「再び動いたのでトレンドの流れに違いない」と確信をして取引に入るトレーダーも多いでしょう。

トレンドは永遠に続くものではなく抵抗線を突き破ればそのまま反転するか終了してレンジ相場へ移ります。

これも「抵抗線を突き破ったからトレンドが終わった、逆方向へ動く」というトレーダーの心理が考えられるでしょう。

一方で抵抗線の外に逆指値として損切り注文を設定しているトレーダーは多いため、損切りが大量に発動して大きく動いているのも考えられるのです。

抵抗線を突き破る前に値が更新されなかったり幅が小さくなる時があります。

トレンド相場の終わる前触れと見られますが、これもトレーダーによる「そろそろトレンドが終わるのではないか」という心理が考えられるでしょう。

「そろそろ終わる」や「もう継続しなくていい」と集団が思えば相場に動きが出てトレンドは終わります。

レンジ相場は多くのトレーダーが静観する状態

トレンドとは逆にレンジ相場は持ち合い相場と呼ばれ、上下に方向が定まっていない場面です。

トレンド相場と違ってどう流れるかの指針がないため、参加しているトレーダー達も迷っている状態でしょう。

レンジ相場は一定の範囲を動きますが、これに関しては何かしらの理由でトレーダーが「ここが天井、底」と判断していると考えられます。

そして一度天井と底が考えれば反発し「ここがレンジ相場における範囲」と決められるため、静観しているトレーダーの集団も追随しやすくなるのです。

実際にFXの情報においてレンジ相場は範囲が決まって動いていると学んだ方も多いでしょう。

こうして「範囲」を学んだためにレンジ相場は成立しているといえます。

一方で範囲を支えている抵抗線を突き破る、ブレイクすれば相場は大きく動きトレンドへ移る可能性が高くなります。

これは「抵抗線を超えたから相場がこちらに動く」という集団心理が成立させているでしょう。

最もレンジ相場に限らずブレイクして大きく動くのはこのような集団心理が影響しているのですが。

テクニカル指標が成立するのもトレーダーありきだからこそ

基本的にFXで取引していく上で多くのトレーダーが使うのはテクニカル指標となります。

テクニカル指標には様々な種類があり、どれを使うかはトレーダー本人次第でしょう。

どの種類でもテクニカル指標は「この情報は何を示しているか」というものが明確になっており、取引する際には目安にして相場の分析とシグナルに役立てます。

しかしよくよく考えるとテクニカル指標自体は過去の値動きから分析して情報を出しているだけです。

そのため相場の値動きを決めるという情報として考えると不自然な点も考えられるでしょう。

現在テクニカル指標はトレーダーにとって当たり前に使われており、ネットでも少し調べれば多くのサイトでテクニカル指標の使い方を紹介しています。

そのためトレーダーにとって「このテクニカル指標はこう使う」という認識は当たり前であり、それがテクニカル指標を相場を動かす情報として成立させているのです。

例えば最も基本的な種類が移動平均線であり、これは期間の違う3本の線が推移して今の相場を表します。

線が値動きを支えるように推移していればトレンドが発生していると考えられ、短期間の線が長期間の線を突き抜けるクロスが出れば転換が考えられるのです。

何より情報としても「分かりやすい」のがポイントであり、多くのトレーダーに利用されます。

こうしたトレンドによる発生も「移動平均線はこう使うテクニカル指標」と認識されているため成り立っているでしょう。

もし移動平均線の見方が変わった歴史があれば、今とは違った使われ方になっていた可能性があるのです。

経済指標といった情報で動く心理

FXで取引する為替相場は政治、経済の情報に影響を受けます。

ファンダメンタルによる為替相場の動きも情報が直接動かしているわけではなく、情報を受けたトレーダーが取引の判断をして動かしているのです。

為替相場はレートという形で通貨の価値を表示しています。

通貨の価値は変動しますが、多くの人間が安心して持てる種類程高くなりやすいです。

逆に安心して持てない通貨は所持していると不安になるということで手放されやすくなり、価値も下がりやすくなります。

よく災害やテロといった負の情報が起きると為替相場は下落しやすくなりますがこれも「この通貨の価値がなくならないか」という心理から売られやすくなるのです。

特に災害やテロは国内でも海外のニュースとして大きく取り上げられやすく、多くのトレーダーに情報を認識させるでしょう。

多くのトレーダーが「持っていると不安」と思えばそれだけ暴落を起こすのです。

逆にこうした災害やテロが起きると特定の通貨はレートが上昇しやすくなります。

退避通貨とも呼ばれる種類で「持っていれば安心」と認識されているため、多くのトレーダーが買い求めレートが上がりやすくなるのです。

経済指標における情報もそうであり、情報により重要度の違いはありますがこれも「経済においてどれだけ重要か」から判断されているものになります。

注目されている情報として有名なのがアメリカから発表される雇用統計となりますが、雇用関係の情報は経済に大きな影響を与えるからです。

経済指標は予想の値が事前に公表されていますが、これも多くのトレーダーへ情報の取り方を判断させる目安となっています。

そのため予想より良いと相場は上昇、悪いと下落しやすくなっているのです。

一方で経済指標によっては大して相場が動かない場合もあります。

これは「相場を動かすのに弱い」として認識され、動くトレーダーが少ないために他のトレーダーも乗っからないのでしょう。

しかし政治、経済の情報はどう取るかはトレーダーによって変わるため、相場の値動きは予想しづらいです。

だましは大量のトレーダーを獲物にするポイント

テクニカル指標を始めとして様々な取引のタイミング、シグナルはありますが必ずその通りに動くとは限りません。

「だまし」と呼ばれる現象があり、その通りに動いたと見せかけて元の動きへ戻る時があります。

こうしただましも集団心理によってもたらされるものですが、明確にいえば集団心理を「利用」したものになるのです。

先ほども書いたように取引のタイミング、シグナルで注文に入るトレーダーは多くいます。

もちろん必ず法則通りの動きになるとは限らないため、損切りを設定するトレーダーも多いでしょう。

利用する側のトレーダーはこの損切り注文を狙って行動を起こします。

法則通りに値動きさせず逆行させれば損切りの注文が大量に発動し、一気に反対側へ動かすことができるからです。

だましを起こすのは個人ではなく機関投資家を始めとした大量にお金を動かせる立場の人間であることが多いでしょう。

多くのお金を動かせるとはいえ為替相場は様々なトレーダーの心理により動いているため、一気に動かす力はありません。

しかし取引のタイミングやシグナルの出た直後であれば少し動かせば集団の損切りにより大きく動かせる場面となるのです。

正に一部の投資家が集団心理を利用した手法といえます。

だましによる動き機関投資家に限った話ではありません。

トレーダーによって見ている情報は違うため、「間違った情報」を見てシグナルを認識していない場合もあります。

単純に言えば「勘違い」が集団で起こるようなものなため、修正するため相場を元に戻す動きとなるのです。

集団心理から分かる取引のやり方

集団心理が分かれば相場に参加しているのは自分だけではなく多くのトレーダーもいると分かるでしょう。

取引していく上ではトレーダーの存在と集団心理による物を理解してやっていく必要があります。

主の以下の点を理解して取引していきましょう。

簡単にチャンスへ飛びつかない

機関投資家によるだましがある以上、分かりやすいチャンスにすぐ飛びつくのは得策ではありません。

すぐエントリーしてしまえば簡単に餌食となってしまうでしょう。

チャンスが見えた場合はすぐ飛びつくのではなく値動きをしばらく見て、想定通りに動くと判断できたところで入るのが適切です。

ちなみに取引へ入る場合、損切りは必ず入れておきましょう。

損切りを狙って狩られる危険性はありますが、損切りを入れていないと今度は大きな損失を出す危険が出てきます。

トレーダーの心理は様々なため、逆行するのは仕方がありません。

大きな損失を出すよりはいいため必ず損切りは入れましょう。

相場から強さと流れを見る

相場の動きはトレーダーの心理を表したものです。

同じトレンド、レンジでも状態により今後どう動くかは変わります。

相場が強ければ継続しやすい一方で転換した時の相場も強くなりやすいです。

逆に相場が弱いとすぐに転換する可能性は高くなるでしょう。

多くの集団心理が作用する以上、どう動くかを完全に見極めるのはプロですら不可能です。

自分なりに分析して「この相場こう動くだろう」と予想を持っておきましょう。

自分ならどうするかを参考にする

集団心理を考える上で参考になるのが「この場面なら自分はどうするか」です。

多くのトレーダーが参加している相場ですが、現在取引している本人自体もその一人となります。

早い話こうした集団心理を分析したとしても無意識に自分が心理の一人になっている可能性は考えられるのです。

他人とは違う考え方をしていたようで実は同じだったというのもトレーダーにはよくある話となります。

チャートを見て「ここだったらこうする」と考えられれば、それは他人である多くのトレーダーも同じ考えをしている可能性はあるでしょう。

取引で勝つためにはそこから一歩踏み出して、勝てるためにはどう取引するか考えるのが大事です。

無意識にやってしまうため中々適切に考え取引をするのは難しいでしょう。

日々チャートを分析して集団心理と自分ならではの取引を考えていきましょう。

心理の前に勉強を忘れずに

持っている知識が基になり相場は動き、時には逆手に取られてやられてしまうのがFXの為替相場です。

しかし知識のほとんどない初心者トレーダーが勝てないのも事実となります。

何より為替相場自体が動く要員を知らなければ他トレーダーの心理を考えられません。

そのため初心者トレーダーはまず心理を考えず、FXについて必要な知識を身に付けるところから始めましょう。

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