タクシー運転手はなぜきついのか?つらい仕事内容と向いていない人の特徴。

「車の運転をするのが好きだから」「乗用車を1日中運転していれば良い仕事なんてラクに決まっている」という考えから、タクシー運転手という仕事を選ぶ人がいます。

そうした人は早い段階で「タクシーの運転手がこんなにきつい仕事だとは思わなかった...」と言って、辞めしまうケースがほとんどです。

というのも、タクシー運転手という仕事に就くと、想像以上に過酷な労働環境に身を置くことになり、体力的にも気持ち的にもきつい・限界だと感じることが多くなっていきます。

そこで今回は、タクシー運転手のどんなところがきついのか?辞めたい人が減らない原因やタクシー運転手に向いていない人の特徴、そしてタクシー運転手という仕事の意外な面白さについて解説していきます。

「辞めたい人が減らない...」タクシー運転手はきついって本当?

タクシー運転手は車の運転が得意な人なら誰でも務まる仕事だと思っていたら大間違いです。タクシー運転手は「お客様を車に乗せて運ぶ」接客業ですから、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。

対応に苦慮するお客様に遭遇することも少なくありませんから、精神的にもきついと感じられる場面も多いでしょう。さらに体力の面でも無理をしなければいけないことも多く、大変な仕事であると言えます。

ではさっそく、辞めたい人が減らないタクシー運転手という仕事の、どんなところが「きつい」のか、具体的に探っていくことにしましょう。

担当地域の地理や交通事情を学ぶ必要がある

現在、ほとんどの車にはカーナビが装備されています。タクシーも例外ではありません。ですから、それほど土地勘がなくてもタクシー運転手として仕事をすることはできます。

ただ、お客様の中には「タクシー運転手=地理に精通している人」という認識が少なからずあるのはきついところです。目的地を告げてすぐにカーナビの操作を始める運転手には違和感を覚えることさえあります。

ですから、運転時間を短縮したり料金を極力抑えるなど、お客様のメリットになることを考えて、ある程度は担当地域の地理や交通事情を学んでおくことが必要と言えるでしょう。

工事によって道が通れない場合、渋滞で混んでいる場合の抜け道など、タクシー運転手ならではの知識を事前に仕入れておくことが大切です。

夜勤に隔日勤務も?過酷すぎる労働環境

タクシー運転手として勤務するのは、もちろん日中だけではありません。夜勤に加えて「隔日勤務」という特殊な勤務体系もあるため、体力的にきついと言われています。

隔日勤務とは、早朝に出社して深夜まで仕事をするという勤務体系です。トータルの勤務時間は1日20時間を超えることもあり、そのうち3時間を休憩時間としても合計17時間の労働を強いられることになります。

隔日勤務の翌日は休日になるとはいえ、やはり体力的にはかなりきついと言わざるを得ないでしょう。日勤・夜勤・隔日勤務と、タクシー運転手の毎日はとてもハードなのです。

せっかくの休日を体力を回復させるために費やすという人も少なくありません。また、「家族や恋人と過ごす時間が削られてつらい」と漏らす人もたくさんいます。

マナーが良くない乗客への対応が大変

タクシー運転手は接客業の一種です。そして、お客様を選ぶことはできません。ですから、時にはマナーの良くない乗客への対応に苦しめられることもあります。

夜などは酔っ払いを乗せることも多く、一方的に難癖をつけてからんでくる乗客も少なくありません。他に頼れる人はいませんから、すべてタクシー運転手ひとりで対応しなければいけないのはきついところです。

黙って運転していると「愛想がない運転手だ」と言って文句を言われることもあれば、「静かにしてほしい」とクレームが入ることもあるでしょう。

このように、接客業としてタクシー運転手という職業を考えてみると、とても一筋縄ではいかないきつい仕事なのだということが分かってきます。

タクシー運転手はきつい!向いていない人の特徴

車好き・運転好きというだけでは通用しないのが、タクシー運転手という仕事です。それでも、オフィスワークを離れて別の仕事をしてみたいと考えてタクシー業界に飛び込む人は多いものです。

しかし、理想と現実のギャップに耐えかねて、早々に「タクシー運転手はきつい」「もっとラクな仕事だと思った...」と言って去っていく人が少なくない現状もあります。

では、仕事を始めてから後悔してしまわないように、「タクシー運転手として向いていない人」の特徴について考えてみることにしましょう。

対人スキルが低いとタクシー運転手は務まらない

タクシー運転手は、「ただ車の運転ができる」というだけで務まるような簡単な仕事ではありません。自分ひとりでドライブするのではなく、お客様を乗せて運ぶのですから、立派な接客業です。

ですから、対人スキルに自信がない、コミュニケーション能力が乏しいという人には、タクシー運転手の仕事は「きつい」と感じられるはずです。

積極的に話しかけてほしいタイプのお客様なのか、そっとしてほしいタイプのお客様なのか、乗車してすぐに見極めて対応を決めることが重要になってきます。

たとえ短い時間であっても、せまいタクシーの車内という空間ですから、お客様を不快にさせない・できるだけ快適に過ごしてもらえるように配慮することが大切です。

ノルマがあることも!プレッシャーに弱い性格だときつい

タクシー会社によっては、売り上げのノルマが課せられている場合があります。売り上げを達成できなければ、もちろん給与の査定に響いてくることは間違いありません。

ノルマがあると思うと胃が痛い、そもそもプレッシャーに弱いという人には、そうした職場環境は「きつい」と感じられるに違いありません。

とはいえ、考え方を少し変えれば、「ただ何となく毎日タクシーを運転する」のではなく、「ノルマを達成するために目的意識を持ってタクシーを運転する」ことによってモチベーションをアップさせることも可能でしょう。

感情的になりやすい!物事を冷静に判断するのが苦手

タクシー運転手が接客業である以上、感情的になることは避けたいところです。タクシーに上司や同僚が同乗しているわけではありません。つまり、自分の身は自分で守る以外にないのです。

そのため、どれだけお客様に理不尽なことを言われても、難しい対応を迫られても、常に冷静に対処することが求められます。

ですから、感情的になりやすい・すぐに頭に血がのぼって相手にケンカをふっかけてしまうという熱血漢タイプはタクシー運転手としての適性に乏しいと言えるでしょう。

また、タクシーを運転中に不慮の事故などに巻きこまれた際にも、慌てずに対処できることが「タクシーを運転はきつい...」と感じるかどうかの分かれ道になります。

意外な面白さも?「きつい」タクシー運転手を続けようと思えるポイント

タクシー運転手の仕事のきついところや、タクシー運転手に向いていない人の特徴について述べてきました。イメージと違ったと言ってタクシー運転手を辞めてしまう人は増えるばかりです。

しかし、実は「きつい」と称されるタクシー運転手の仕事には、意外にも面白いポイントがたくさんあることをご存知でしょうか。

ではここからは、タクシー運転手の仕事が「きつい」と感じ始めたときに、「もう少し続けてみても良いかな?」と思えるようなポイントについて見ていくことにします。

誰にも邪魔されず自分のペースで仕事ができる

タクシー運転手はひとりで車を運転して、ひとりでお客様の接客をするのが仕事です。つまり、近くで上司が見ていたり、同僚と会話をしたりということがありません。

会社側から「この現場に向かってください」と、無線で指示が飛んでくることもありますが、基本的には自分の裁量で車を動かし、タクシーを探しているお客様を見つけることになります。

つまり、誰にも邪魔されることなく、自分のペースで仕事をすることができるのです。この点は、タクシー運転手ならではの特権と言えるのではないでしょうか。

長時間勤務や給与面、接客の難しさなど、さまざまなきつい点・不満なことはあっても、やはり他人の目を気にすることなく仕事ができるというのは嬉しいものです。

気の合うお客さんに出会えることもある

対応の難しいお客様が乗車してくることもあれば、時に気の合うお客様に出会えることもあるのがタクシー運転手という仕事の面白いところです。

タクシー運転手という、ごく一時的にかかわる相手だからこそ、気を許してポロリと本音をこぼすお客様や、気さくに話しかけてくれるお客様などに出会えた時は、「きつい」という気持ちもどこかへ吹き飛んでいきます。

上司にガミガミ言われることがないので精神的にきつくない

オフィスワークをしていると、時に上司がやってきて仕事の進捗状況を確認したり、ガミガミお説教をされることがあります。しかし、タクシー運転手にはそうした上司は存在しません。

もちろん、ノルマが課せられていたり接客がきついと感じたりすることはあるかもしれませんが、基本的にひとりで気楽に仕事ができますから、精神的にきついということはほぼないでしょう。

タクシー運転手は仕事をしていく上できついと感じる部分もたくさんありますが、ひとり仕事が苦にならない人にとっては、非常に魅力的な職業と言っても良いかもしれません。

向いていない人にはきつい仕事!「無理かな?」と思ったらタクシー運転手以外の道を探そう

タクシー運転手のどんなところがきついのか?辞めたい人が減らない原因やタクシー運転手に向いていない人の特徴、そしてタクシー運転手という仕事の意外な面白さについて解説してきました。

タクシー運転手は車を運転するだけが仕事ではありませんから、実際に業務に就いてみないと分からない部分もたくさんあります。

そのため、「イメージしていた業務と違っていた、こんなにきついとは思わなった…」ということも少なくありません。そして、向いていない人にはとことん「きつい」仕事です。

ですから、「自分にはタクシー運転手は務まらない」と感じたら、それ以上頑張らず、タクシー運転手以外の道を探してみるのも良いのではないでしょうか。

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