【思考】と【思案】と【思索】と【思慮】の意味と使い方・由来や例文

どれも、「考える」という意味は含んでいますが、微妙にニュアンスが違います。

まず「思考」は、単に考えることや、考えそのものをさします。

次に「思案」は、考えを「巡らせる」ことに重心がおかれています。

続いての「思索」は、筋道を立てて、深く考えるという意味があります。

最後に「思慮」は、慎重に考える、という意味があります。

考えの深さなどが、それぞれ異なることがわかります。

「思考」の意味

「考えること」や、「考え」そのものを意味します。

「思考力」という言葉があるように、この思考というのは、能力としても重視されているものです。

有名な例文として、夏目漱石の「我輩は猫である」の中の、「余は思考す、故に余は存在す」というものがあります。

自分は考えるのだかた、ここに存在するのだ、という意味です。

「思案」の意味

「考えを巡らせること」を意味します。

また、その考えそのものも、思案と呼びます。

「しっかりと思案を巡らす」「こんな危険性ももあるのでは、と思案してやまない」などのように使います。

また、二つ目の意味として、心配や、物思いという意味もあります。

「思案の種」などという使い方をした場合には、こちらの意味になります。

「思索」の意味

「筋道を立てて、深く考えること」を指します。

ただ、考えるという意味の「思考」とは、その考えの論理や深さというてんにおいて、ニュアンスが異なります。

また、類義語として「思惟(しい)」というものがあります。

用例として、「時間がたっぷりあるので、思索に耽ってみよう」「彼は静かに思索する」などがあります。

考えにどっぷりと浸っている様子が想像できます。

「思慮」の意味

「いろいろと慎重に考えること」を指します。

また、「慮」という字からも見て取れるように、「慮る」という意味も持ち合わせています。

よく使う言い回しとして、「思慮深い」「思慮分別がある」などがあります。

例文としては、「そのような思慮にかけた行動は控えなさい」「彼女は物静かで、思慮深い」などが挙げられます。

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