教育業界と一般の企業では、仕事に対する考え方に違いがあり、転職については難しい面があると言われています。
一方、教育業界から異業種への転職を考えている人は、決して少なくありません。
厳しい側面があるとはいえ、一般企業への転職を成功させて活躍している人も多くいますので、挑戦をためらう必要はありません。
そこで今回は、教育関連の仕事と一般企業の違いと、転職を目指す場合に注意するポイントを紹介したいと思います。
目次
なぜ一般企業への転職を考えるのか
小学校や中学校といった義務教育から、塾や予備校の講師に至るまで、教育業界にもさまざまな仕事があります。
教育業界は、社会的貢献度の高い仕事なので、夢や志を持って仕事に就いた人も多いのではないでしょうか。
それでも一般企業に転職を考えるというのは、それ相応の理由があるはずです。
まず代表的なのは、人間関係による悩みです。
子どもたちの親への対応や、教育業界に残る古い体質に、限界を感じる人は少なくありません。
また教育の仕事は激務で知られており、授業だけでなく下準備や課外活動にも時間がとられるため、長時間労働に対する悩みもあるでしょう。
理由はひとそれぞれかもしれませんが、教育業界特有の悩みが、一般企業への転職を考えるきっかけになるのかもしれません。
教育業界と一般企業では何が違うのか
まずは、教育関連の仕事と一般企業の仕事ではどのような相違点があるかを考えてみましょう。
転職活動を始める前に、しっかりと確認しておいてください。
一般企業で重視すべきは利益が基本
教育の仕事と一般企業で最も違うのは、利益に対する考え方です。
教育の基本は子どもたちを導き育てることであり、その過程ではそれぞれの個性を大切にします。
売り上げがいくらという明確な数字があるわけではなく、むしろその過程こそが重視されるといってよいかもしれません。
それが教育という分野の特殊性であり、またやりがいでもあるのです。
一方、一般の企業では経済活動という基本的な使命がありますので、利益という結果が重視されます。
どれほど頑張っても、売り上げという結果に結びつかなければ評価されませんし、利益がなければ会社はつぶれてしまいます。
多くの従業員が、生活の糧として仕事をしている以上、利益を追求するのは社員の生活を保障するためであり、決して悪いことではないのです。
教育関連の仕事でも、塾や予備校の講師であれば、やや一般企業に近い考え方があるかもしれません。
塾や予備校というのは、一般企業が教育に参入しているとも言えるからです。
ですが、学校の教師など公的な意味が強い仕事をしてきた人は、利益を追求する一般企業の考え方にギャップを感じるかもしれません。
教える立場から教えられる立場へ
教育業界での仕事はほとんどが教える立場です。
生徒たちからは先生と呼ばれ、指導する立場と教えられる立場の明確なラインが引かれています。
ですが一般企業に転職すると、そのほとんどが未経験の仕事ですので、教える立場から教えられる立場になります。
たとえ年齢が自分より下であっても、業務については自分より習熟した先輩になりますので、謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
教えられる立場に慣れてない人は、ついつい横柄な態度をとったり、上から目線になってしまいます。
偉そうな人は、周りに扱いにくい印象を与えてしまうので、職場の人間関係においても悪影響となります。
扱いにくい人に親切に仕事を指導してくれる人は稀ですので、結果として自分自身のためにもならないのです。
教育業界で長い間働いて、先生という立場に慣れてしまっている人ほどこの傾向は強いようです。
教える立場から教えられる立場へのスタンスの切り替えができない人は、一般企業で働くのは難しいかもしれません。
一般企業のほうが仕事が楽だとは限らない
昨今、教師の負担や長時間労働に関して問題視する声が上がっています。
責任ある立場に加えて、授業や試験の準備、部活動の指導など、精神的にも体力的にも負担の大きい仕事として知られています。
ですが激務なのは教育業界に限ったことではありません。
一般企業でも、サービス残業や理不尽な長時間労働が横行している会社はめずらしくないのです。
特に利益という結果が目に見える仕事では、どれだけ働いても結果が悪ければ評価されないので、教育関係とは別の面で厳しいと言えるかもしれません。
これは一概にどちらが大変だと比較できるものではありませんので、一般企業のほうが仕事が楽だと思って転職すると、後悔することにならないとも限りません。
転職に成功するためには
前述のように、教育関係の仕事と一般の会社では、仕事に対する考え方に違いが見られます。
次に、教育業界から一般企業への転職を成功させるために、覚えておくべきポイントをいくつか解説します。
感情のコントロールはアピールポイントになる
一昔前のテレビドラマなどでは、熱い感情を表に出して生徒たちとぶつかり合う、いわゆる熱血教師が人気を集めました。
本音で生徒と向かい合う姿勢は、教師としての真摯な姿勢としても受け止められ、現実の世界でも熱い先生が評価された時代もありました。
ですが現在では、感情を抑えてできるだけ冷静な姿勢を保たなければならないように変化しています。
多感な時期である生徒は、それこそ千差万別で、熱い思いだけが通用するわけではありません。
保護者の考え方や家庭環境にも違いがありますので、冷静な姿勢と幅広い対応能力が求められるようになっているのです。
一般の仕事においても、このような冷静な姿勢と対応能力が求められます。
取引先から理不尽な要求をされても激昂してはいけませんし、合わない上司や同僚ともうまく付き合っていかなければなりません。
感情をコントロールして物事に対応できるスキルは、大きなアピールポイントになります。
転職理由はポジティブなものに
転職の理由は、できるだけポジティブなものにしましょう。
教育関係の仕事は社会的貢献度の高い仕事なので、なにか夢や志があったのではないかと思われます。
その仕事から転職するからには、なにか相応の理由があるのではないでしょうか。
ですが、仕事の大変さや人間関係の悩みなど、ネガティブな理由は転職理由としてマイナスにとられてしまいます。
そのような悩みは、一般の企業でも多かれ少なかれあることなので、同じような理由ですぐに辞めてしまうのではないかと受け取られる可能性があります。
転職の理由としては、教育の仕事を辞めてもやりたい仕事であるというような、前向きな答えができるように考えておきましょう。
転職活動には転職エージェントを利用する
慣れない転職活動では、戸惑うことも多いでしょう。
先に述べたように、教育業界と一般の企業では考え方の違いもありますので、どのように自分をアピールすればよいのかわからないかもしれません。
また長い間教育関係で働いてきたのであれば、他の仕事に対する知識も少ないでしょう。
そこで、転職活動には転職エージェントを利用するのをおすすめします。
転職エージェントは、豊富な求人情報を持っていますので、最適な転職先がきっと見つかるはずです。
求人先の会社に関する情報にも精通しており、あらかじめどのような会社なのかを知ることができます。
また実際の転職活動においても、転職支援のプロフェッショナルによるサポートやアドバイスが受けられますので、採用される可能性も高まります。
転職エージェントは無料で利用できますので、まずは登録から始めてみましょう。
転職に向けて動き出す
今回は、教育関連の仕事と一般企業の違いと、転職を目指す場合に注意するポイントを紹介しました。
長く勤めた業界を離れて、慣れない仕事に挑戦するのは不安があるかもしれません。
ですが、今までの経験を活かして成功できる仕事は必ずあります。
まずは転職に向けて動き出してみましょう。