皆さんは看護助手という仕事をご存知でしょうか。看護師とは違い、看護助手は特別な資格を持っていませんから、点滴や注射といった医療行為をおこなうことはできません。
介護助手は、基本的に医師や看護師のサポート役です。看護師ひとりでは対応できない高齢の患者様の衣服の着脱や洗髪といった仕事を補助することもあります。
さらに患者さんの介護要員としての役割を担っているのも看護助手です。入浴やトイレ介助、食事の手伝いや身の回りの世話全般まで、幅広く担当することになります。
医師や看護師のサポートや介護者としての仕事に加えて、院内や病室の清掃、さまざまな雑務もこなしていく必要があるのが、看護助手なのです。
このように、看護助手の仕事は非常に幅が広く、「この仕事だけ毎日やっていればOK」というものがありません。次から次へと休みなく新しい仕事を与えられるのが、看護助手というポジションなのです。
そのため、看護助手の仕事はとてもきついことが多く、せっかく仕事を得たにもかかわらず早期に退職してしまう人が少なくないことも事実です。
そこで今回は、看護助手の仕事がきついと言われる具体的な理由や看護助手の仕事が続けられない人のタイプ、そして「看護助手の仕事をもう辞めたい」と感じた時の対処法などについて、くわしく解説していきます。
目次
看護師とは違う!看護助手の仕事がきつい理由
看護助手の仕事は、多忙をきわめる医師や看護師の補助をするためのポジションであり、実際に現場に入ってみると、多種多様できつい業務をまかされることになります。
もちろん医療関係の資格を持っている看護師とは違いますから、看護助手は点滴をしたり注射を打ったりといった医療的な行為をおこなうことはできません。
そのため、看護助手には資格がなくてもOKな雑務的な仕事を多く割り当てられることになります。とはいえ、患者さんから見れば、看護師も看護助手もまったく同じように見えるものです。
困っている患者さんから医療的なサポートを頼まれても助けになることができず、患者さんの役に立てないことをきついと感じることもあるでしょう。
看護助手の仕事を手伝ってくれる人はいない
看護師には「看護助手」というサポート役がつきますが、看護助手の仕事を手伝ってくれる人はいません。そのため、看護助手に与えられた仕事はすべて自分で処理しなければならないのです。
医療資格を持っていない看護助手の仕事はカルテの作成から郵便物の準備など、雑務的な仕事が多いのが特徴ですが、その量が膨大であるため、ひとりですべてをこなしきれなくなってしまうこともよくあるようです。
そのため、特に看護助手の仕事をスタートしたばかりの頃は覚えることや慣れない作業が多く、残業が多く発生してしまうことも多々あります。
このように、看護助手の仕事は「誰も手伝ってくれない」という意味ではとてもきつい業務であり、長く続けることができず離職してしまう人も少なくないのです。
難しい人間関係に悩まされることがある
こなさなければいけない仕事が膨大であるにもかかわらず、誰にも手伝ってもらうことができないのが看護助手という仕事です。さらにきついのは、仕事上の人間関係にも気を遣わなければいけない点でしょう。
看護助手がサポートをすることになる看護師のほとんどは女性です。そして看護師はとにかく忙しく立ち回っていることが多く、ピリピリしたムードで働いている人や、性格的にきつい人と感じる人も多いのが特徴です。
そのため、看護助手としての仕事を一通りマスターしてミスなく業務を終えられるようになるまでは、看護師からきつい叱責を受けることも多々あります。
せっかく看護助手としての仕事を覚えたにもかかわらず、病院内の人間関係に疲れてしまい、やむなく退職の道を選ぶという人もいるほどです。
仕事は山ほどあるのに給料が低い
1日にこなすべき仕事は山ほどあるのに、その働きに見合った給料を受け取ることができないという点も、看護助手という仕事がきついと言われる理由のひとつです。
看護師から頼まれるさまざまな仕事に患者さんの介護、その他の雑用など、看護助手がその日のうちに終わらせなければいけない仕事は山積みです。
1日が終わる頃には体力的にも精神的にも大いに消耗している可能性があります。そうした働きにもかかわらず、給料がそれほど高くないというのは気になる点です。
ただ、看護助手として病院に勤めるのかクリニックに勤めるのかによって支払われる給料の額は変わってくるようですから、看護助手の仕事を探す際には注意すると良いでしょう。
向いてないかも?看護助手の仕事が続けられない人のタイプ
さまざまな理由から「きつい」「大変すぎて長続きしない」と言われることが多いのが看護助手という仕事です。それでもチャレンジしてみたいと考えている人は大勢いるでしょう。
しかし、実際に勤めてみたら、「こんなはずではなかった...本当にきつい」と感じることもあるかもしれません。理想と現実のギャップに打ちのめされて、早期に退職してしまうことにもなりかねません。
そこで、せっかく手にした仕事を早々に手放すようなことにならないためにも、看護助手の仕事に向いていないと考えられる人のタイプについて確認してみることにしましょう。
シフト勤務が必須!プライベートの時間を大切にしたい人
一般的な事務仕事のように、土日や祝日はしっかり休みたい、プライベートの時間は大切にしたいという人には、看護助手の仕事はきついと感じられるでしょう。
というのも、看護助手の仕事に就く場合、その勤務体系のほとんどは「シフト制」であることが多いからです。不定期なシフトで勤務している看護師のサポート役ですから、それも当然のことかもしれません。
シフト勤務であるうえに、仕事が定時に終わるとは限りませんから、仕事の時間と自分の時間はきっちり分けたいという人にとっても、看護助手の仕事はきついと感じるはずです。
看護助手の仕事を目指そうと思ったら、まずは「自分がどのような働き方をしたいのか」という点をクリアにしておく必要がありそうです。
夜勤がある可能性も!体力にあまり自信がない人
夜勤が発生する可能性があることも、看護助手の仕事を選択する際に頭に入れておかなければいけないポイントのひとつです。
「夜勤くらい問題ない」「きっと大丈夫」という甘い考えで看護助手の仕事に就いたところ、仕事量の多さと夜勤のつらさに耐えかねて職場を去る人は後を絶ちません。
さらに年齢を重ねるごとに、体力的に「夜勤がきつい」と感じられるようになることも多いため、長く看護助手の仕事を続けていきたいと考えている人は特に注意が必要です。
体力的にきつい仕事であることはよく分かっているけれど、それでも看護助手の仕事に就きたいという人は、日ごろから運動や食事に気をつけて、体力づくりをしておくことが大切です。
ミスや失敗をして落ち込みやすい人
ミスをしてすぐに落ち込んでしまう人や、失敗したことをいつまでも引きずってしまう人も、看護助手の仕事をきついと感じやすく、向いていないタイプと言えるでしょう。
看護助手の仕事内容は多忙な看護師の助手として働くことですから、着任して早々に覚えなければいけないことが山ほどあります。
ただ、仕事を教えてくれるはずの看護師も多忙を極めていますから、それほど丁寧に業務内容について教えてもらえるとは限りません。そのため、ミスや失敗を繰り返してしまうことも多いのです。
とは言え、ミスや失敗をするたびに落ち込んでいては、終わる仕事も終わらなくなってしまいます。ミスや失敗の原因を突き止めたら、「ミスや失敗そのものについては忘れる」くらいの気持ちを持つことが重要でしょう。
「看護助手の仕事を辞めたい」と感じた時の気持ちの切り替えかた
こなすべき仕事量に対して給料が低かったり、人間関係に悩まされることが多かったりと、看護助手の仕事を続けることができる人はそれほど多くないようです。
しかし、きついことで知られている看護助手の仕事を日々こなしていくことによって、仕事に対する新たな目標が生まれてくることもあります。
では、ここからは「看護助手の仕事を辞めたい」と感じた時の気持ちの切り替えかたについて、考えていくことにしましょう。
逆転の発想でステップアップを目指す
看護助手として働くということは、看護師が仕事をする様子・働く様子を間近で見る機会に恵まれるということです。忙しく駆け回っている看護師の姿は、時にまぶしく感じられることもあるでしょう。
看護師はさまざまな医療行為をおこなうことができる有資格者ですから、看護助手の立場では決してまかされることのない仕事もたくさんあるのです。
時には看護助手につらく接することもある看護師もいるかもしれませんが、そうした態度の裏側には、命を預かる仕事に対する大きな責任感が隠れている可能性があります。
「きつい看護助手の仕事を辞めたい...」と感じるような時には、「より幅広い技術・知識を駆使して働ける看護師を目指そう」といったふうに逆転の発想をしてみると良いかもしれません。
医療現場で働くプロなのだという自覚を持つ
看護助手は看護師と違い当然のことながら医療行為をすることはできませんが、国家資格を持っていなくても未経験からチャレンジすることができる仕事です。
時として「辞めたい...」という気持ちに追い込まれるほどきつい看護助手の仕事ですが、医療の現場で働くプロフェッショナルだという自覚を持つことで、日々の仕事に張り合いが持てるようになるでしょう。
たとえ資格を持っていなくても看護助手として医療現場で働くことは、誰にでもできる経験ではないのだということをぜひ、心に留めておいてください。
看護助手の仕事はきついことばかり!辞めたいと感じた時は無理をしないことが大切
看護助手の仕事がきついと言われる具体的な理由や看護助手の仕事が続けられない人のタイプ、そして「看護助手の仕事をもう辞めたい」と感じた時の対処法などについて、くわしく解説してきました。
看護助手の仕事はやりがいもありますが、きついと感じられることが多いのも事実です。ですから、どうしても辞めたいと感じた時には無理をしないことが重要です。
どうしても看護助手の道を進みたいという強い気持ちが持てないようであれば、心と体のバランスを崩してしまう前に、転職を考えるようにしましょう。