給料が支払われないという経験がある人はいるでしょうか。
給料遅延というのはあってはならないものであり、「一度くらいなら」と気楽に考えていると危険です。
もしもの時に自分自身の生活を守れるように、給与遅延が生じた際の対応を覚えておきましょう。
目次
給料遅延は会社が危険な状況にある証拠
まず、給料遅延が起きている会社はすでに危険な状況にあるということを覚えておきましょう。
給料が支払えないということは、経営が悪化しており資金繰りができていないということです。
つまり、倒産目前である可能性が高いのです。
「今月給料の支払いが遅れたけど、まぁ大丈夫だろう」というような考えではいけません。
軽い気持ちで考えていると、給料がもらえないということ以上のリスクを背負うことにもなりかねません。
会社が毎月給料を払うというのは、労働基準法でも定められていることです。
お金のことを口に出すことをためらう人も多いでしょうが、法律で決められている原則を守らない会社に遠慮する必要はありません。
危機感を覚えて毅然とした態度で行動しましょう。
給料遅延にはどのように対応するべきなのか
それでは、給料遅延があったら具体的にはどのような行動をしたらよいのでしょうか。
給料の支払いが遅れている、そしてそれが何カ月も続いているという人のためにまとめてみました。
まずは経理担当者に確認をとる
給料遅延が起きたら、まず確認する相手は経理担当者です。
経理担当者であれば、会社の経営状況や資金繰りについて詳しく知っていますし、労働基本法の知識も最低限持っているはずです。
もし、システムトラブルなどが給料遅延の原因であれば、ここで判明しますよね。
それなら一安心です。
しかし、もし経理担当者が退職予定なんていう話があれば、会社はもう倒産寸前だという可能性が高まります。
なぜなら、会社の資金繰りを一番把握している人だからです。
ちなみに、経理担当者と話をするときは、責め立てたりせずに同志という気持ちで接しましょう。
心を開いてくれれば、会社の現状をより詳しく聞くことができます。
もし社長に直接聞くようなことをしても、有益な情報は得られない可能性が高いです。
倒産となる前に賃金の未払を防ぐ準備をする
給料の遅延が発生している会社は、倒産の危険があるということは理解できたでしょう。
つまり、このまま最悪の状況となった場合、給料の遅延どころか未払いが発生する可能性が出てくるということです。
そのような事態を防ぐため、倒産を前提とした準備が必要となってきます。
残業分も含めて、自分が働いた分の給料をきちんと受け取るために、タイムカードをコピーするなどして証拠を残しておきましょう。
ちなみに、未払い賃金に関しては「未払賃金立替払制度」というものがあります。
これは、独立行政法人労働者健康安全機構というところが代わりに賃金を支払ってくれる制度です。
ただし、支払われるのは賃金の8割です。
もちろん、賞与も対象とはなっていません。
ですから、自分が働いた分の給料を全額手にするためには、事前の行動が必要であると心得ておきましょう。
労働局や労働基準監督署などの行政機関に相談をする
もし給料遅延が起き、社長に相談できる状況ではない場合は、労働局や労働基準監督署(労基署)に相談をしましょう。
給料の未払いといったことになれば弁護士に相談することもできますが、まずは行政に動いてもらうのがおすすめです。
一人で対応しようとせずに、従業員同士で協力して給料遅延に関する情報を整理しておきましょう。
労働局や労基署も、様々な労働問題に追われていて忙しいですから、相談する際の内容を整理し、少しでも行政とのやり取りをスムーズに行えるようにしましょう。
すぐに転職活動を始める
給料遅延が発生して倒産の危機にある会社は、どのような状況でしょうか。
災害等が原因であれば仕方ないですが、そうでなければ経営者が悪質である可能性が高いでしょう。
給料の遅延に対して悪気がないようなら、労基法も把握していないということですし、経営者としての素質がないと考えてよいでしょう。
何か理由があって経営者を支えたいと思うのであれば話は別ですが、そうでなければ早急に転職の準備を始めるべきです。
転職エージェントを利用して転職活動をしよう
給料遅延が発生するほど倒産の危機が迫っている会社ですから、転職先は少しでも早く見つけたいですよね。
もちろん、倒産によって職を失ったのであれば、失業手当も早くからもらえるなどの救済措置があります。
しかし、失業手当は賃金全額を保証するものではありません。
次の仕事が見つかるまでの間は、今まで通りの生活が送れない可能性もあるでしょう。
そうならないために、転職活動をいかにスムーズに効率よく行うかがポイントになってきます。
そこでおすすめしたいのが、転職エージェントです。
希望する条件や自分のスキルを登録しておけば、豊富な求人の中から自分に合った職場をピックアップして紹介してくれます。
また、転職支援のプロが在籍しており、求人探し以外にも応募書類の添削や面接対策などのサポートが受けられます。
一人での転職活動よりも、内定をもらえる確率が上がるでしょう。
効率よくスムーズに次の仕事を決めるために、ぜひ転職エージェントの利用をおすすめします。
給料遅延の会社に見切りをつけて次の仕事を見つけよう
給料遅延が起きた際の対処法を紹介してきましたが、いかがでしたか。
まずは会社の状況を把握して、それに適した行動をとることが大切です。
そしてもし倒産の危険性があると感じたのならば、転職も視野に入れて早めに動きだすことも必要です。
今回ご紹介したことを参考に、自分の生活を守っていきましょう。