FX用語「調整」とは?初心者にもわかりやすく説明します。

FXで取引する為替相場は政治、経済による情報はもちろん、参加しているトレーダーの判断に影響を受けて変動します。

そんな中、FXには為替相場の動きに関する言葉で「調整」と呼ばれるものがあるのです。

調整とは何かを整える意味を指しますが、FXの世界となればそのまま受け取っても意味を理解できません。

FXの世界において調整とは何なのでしょうか。

FXの相場について

調整を理解するには、まずFXの為替相場について理解する必要があるでしょう。

FXの相場は流れが一方に偏っているトレンド相場、流れが定まらず上下しているレンジ相場の2種類で成り立っています。

相場はどちらかの状態で動き、もう一つが終わればもう一つに転換する可能性が高いです。

トレンド相場の場合は上昇から下落に転換する場合もあるでしょう。

レンジ相場の場合は決まっている範囲で動いているため、範囲を突き破った後にトレンド相場になる可能性が高くなります。

しかしどちらも決まっているラインを超えれば必ず転換するとは限りません。

ラインを超えた場合でも、そのまま元の方向に戻って動く場合があるのです。

為替相場の世界においてこの現象は「だまし」と呼ばれています。

為替相場は取引の売買で動く

相場の状態が理解できれば、次は相場の動く要因について考えましょう。

相場は政治、経済の情報によって動きますが、基本的に参加しているトレーダーの取引によって動きます。

為替相場の通貨は需要によって価値が決まるものであり、それ故にトレーダーが取引して持っているポジションによりレートが決まるのです。

FXの取引となる対象は通貨ペアという2つの通貨で構成されていますが、これは売買する2つの通貨を示しています。

例えばドル円であればドルが購入する通貨で、円が売る通貨となるのです。

これは買いの時であり、売れば円を買ってドルを売ると逆になります。

ドル円を買った場合はドルを購入するため、その分ドルの価値が上がるのです。

価値が上がれば相場においてレートの上昇という形で現れます。

逆に売ればドルの価値は下がるため、下落という形で現れるでしょう。

FXの取引は注文した後にポジションを保持した後、決済するまでが1セットです。

スワップポイントが目的であれば話は別ですが、基本は買った後に売る、売った後に買います。

買った後でも売れば当然「売り」と見なされ、相場には下落という形で結果が出るのです。

よくニュースがあった時に大きな動きを見せますが、あれもニュースという形で多くのトレーダーが一斉に注文を入れるため起きます。

経済指標の情報で結果がよければ通貨としての価値に保証ができ、多くのトレーダーが取引してポジションを持つ理由にもなるでしょう。

一度に多くのトレーダーが買えば、その分相場も一気に高騰という形で上昇をするのです。

調整とはポジション決済による一時的な動き

FXにおける調整は、為替相場の売買による取引が関連する動きとなります。

調整というのは持っているポジションを決済し、手放すという意味だからです。

先程説明したように、為替相場は取引の売買により動きます。

一人のトレーダーが決済したところで影響は少ないですが、多くのトレーダーが同じことをすれば話は別であり相応の動きを見せるのです。

調整はその名の通り大きな動きを見せる現象ではありません。

少し動いたとしてもその後は元通りの動きを見せるのです。

最初の方にトレンド相場の説明をしました。

トレンド相場は一方の方向に動く状態ですが、常に肩上がりをして動くわけではありません。

今の方向とは反対の方向に動く時も出てくるのですが、それはこの調整が理由なのです。

一時的な動きなため、転換したと勘違いしやられてしまうトレーダーも少なくありません。

一方で転換を調整と勘違いしてしまい、流れとは逆の注文をしてしまうケースもあるでしょう。

調整はどんな時に起こるか

調整でやられないためには、いつ調整が起こるか理解しなければいけません。

調整はポジションを決済、手放す意味であり、トレーダーがそれを行う、せざるを得ない場面と考えれば分かります。

経済指標前の退避

分かりやすいのは経済指標が発表される日です。

経済指標は結果により相場で大きな動きを起こす可能性のあるニュースであり、大きな損失を出す危険性があります。

FXの世界においてトレーダーは経済指標の前は取引に手を出さないのが基本です。

ポジションを持っているトレーダーは多少動いても問題のない長期的に保持するスタイルでない限りは、避難した方がいいといわれています。

そのため経済指標が発表される時は多くのトレーダーが避難するため調整が起こるのです。

しかし経済指標は種類によって重要度が違うため、どのような経済指標でも調整が起こるわけではありません。

調整の対象となるのは雇用統計やFOMCといった重要度が高く有名な種類と要人発言です。

該当する経済指標の発表がある時は、近いうちに調整されると考えていいでしょう。

問題として調整は多くのトレーダーによって起こるものなため、いつ起こるか予想できません。

経済指標が発表される時間の数十分前もあれば、同じ日の午前や午後に行われる場合もあるでしょう。

どちらにしても重要な経済指標がある時に取引するのはリスクが高いため、手を出さずに静観した方がいいです。

相場が大きく動いた後

他に起きる場面は相場が急激に動いた時でしょう。

先程の経済指標もそうですが、為替相場は時に大きな変動を見せます。

しかしショックといったよっぽどのニュースでない限りストレートには動きません。

ある程度動けば必ずどこかで反転が起こり、それが調整となります。

こちらも経済指標前と同じく、いつ調整が入るか予想するのは難しいです。

ある程度動いた後にするケースもあれば、数分動いてすぐ反転するケースもあります。

経済指標による動きの場合だと後者によるケースが多いです。

急激な動きの場合は時間をかけて調整される場合も多いため、一見トレンドが転換したと勘違いしてしまう場合もあるでしょう。

特に短時間の時間足を見ていると勘違いしやすいため、長い時間足も見て判断するといいです。

FXでの取引において、調整を意識する必要はない

調整は為替相場で取引をしていれば、誰でも見かける現象です。

基本的に相場による調整は「調整がある」ということを知っていれば問題はありません。

調整による動きは基本的にチャートでテクニカル分析の法則に組み込まれていることが多いです。

トレンド相場で調整が起こった時、抵抗線を目安にして超えることなく元の動きに戻ります。

トレンド相場において抵抗線を目安に取引のタイミングを計るのは基本です。

「調整があるから」という理由で取引するわけではありません。

時には抵抗線を突き破りつつ、元の動きに戻る「だまし」を起こすケースもあります。

しかし「だまし」を完全に予想する方法はなく、FXで負ける時があるのは仕方のないことです。

分析が不十分だとだましに遭いやすいため、あまりにも負けている場合はやり方を見直す必要が出てきます。

急激な相場の時も調整ではなく「反動で反転する可能性がある」という考えで問題ないでしょう。

調整の考え方は意識する

一方で調整による考えは意識してみましょう。

考えと書きましたが難しく考える必要はありません。

単に「危ない時は下手に手を出さず避難する」と考えればよいのです。

実際経済指標前の調整はリスクを考えた上での退避であり、取引するトレーダーとしては特別なことではありません。

急激な相場の動きも反転があると考えられれば、下手に手を出すのは危険と考えられます。

FXにおいてリスク管理は重要であり、危ない場面で手を出さないのは市場で生きるために必要です。

調整を理解する時はその点が分かれば取引の参考にできるでしょう。

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