10倍というのは桁が一つ増える行為であり、一般的に見れば大きな変化をもたらす倍率です。
FXのレバレッジも事実であり、10倍で運用するとなれば一桁の倍率で取引する時よりも世界は変わるでしょう。
リターンはもちろんですがリスクも大きくなるため、易々と取引できる倍率ではありません。
ではレバレッジ10倍とはどのように取引していけばいいのでしょうか。
目次
レバレッジ10倍の取引とは
1が10、10が100、100が1000と10倍はされるだけで桁が変わり、数字が大きければ影響力も多いです。
大きな資金の動くFXとなれば当然影響力も大きく変わります。
資金が10倍、証拠金が10分の1
レバレッジ10倍は資金が10万あれば100万円相当の運用ができるようになる倍率です。
資金ではなく証拠金として考えれば本来必要な金額の10分の1で取引できるようになります。
ドル円の場合、レバレッジなしだと100万程度必要になるため10万程度で取引できるのです。
10万であればFXで取引をするトレーダーであれば誰でも用意できる金額となります。
20万程度あれば少ない資金で全ての通貨ペアを対象に取引できるのです。
資金があれば専業で生活できる
必要証拠金が10分の1になったとすれば単純計算として1枚だけだった取引量を10枚にできます。
取引量が10枚になれば1pipsで動く金額は1000円となり、10pipsで1万円です。
100万近くあれば10枚取引できるようになるため、一ヶ月で200取れれば20万、400取れれば40万もの利益となります。
50万の場合でも取引量5枚で500円の金額が動くため、20pipsで1万を狙えば一ヶ月で20万取れるでしょう。
もちろん資金ギリギリの取引はロスカットの危険性が高いため、余裕を持って取る必要はあります。
100万をいきなり用意するのは危険であり難しいですが、証拠金に比べて取れる取引量を考えれば到達するのは難しくありません。
数百万以上の資金で取引できるようになれば一ヶ月で100万以上取れるようになり、専業トレーダーとして取引していけます。
いきなりは無理ですが問題なく運用して資金を溜めれば、比較的短期間で専業を狙えるレベルといえるのです。
短期間での大金による利益もFXの魅力といえるでしょう。
リスクは高く、気をつけなければ痛い目を見る
利益が多く取れるようになれば損失によるリスクも比例して増えます。
レバレッジ10倍となれば利益を10倍にできる一方で損失も10倍となってしまうのです。
レバレッジなしでは1000で済んでいた損失が1万にまで増えてしまうと考えればリスクの大きさを理解できるでしょう。
専業トレーダーを短期間で目指せるレベルとなれば、損失もまた専業トレーダーの収入並みに出す危険性があるという話になります。
やり方によりますが失敗してしまえば数十万単位で損失の出る世界だと理解しておきましょう。
利益を多くするために取引量を増やせばロスカットの危険性も格段に高くなります。
10倍ともなれば相場の値動きを誤った時、ロスカットに遭ってしまう場面も多くなるでしょう。
自分の資金と取引量を考えロスカットを回避できる取引を心がけなければいけません。
ロスカットに何度も引っかかってしまう場合は10倍はまだ向いていない話となり、レバレッジを下げて取引した方がいいでしょう。
借金は滅多に起こらないが気をつける必要はある
本来ある資金の10倍で取引できるため必要以上の損失を出してしまう可能性は高くなっています。
借金も意識しなければいけませんが、10倍の範囲であればまだ普通の取引で資金がマイナスになる可能性はありません。
仮に資金が200万あったとすれば取引量20枚で2000円の金額を動かせます。
1円で20万の動きとなるため10円以上急変しなければ資金はマイナスにならないでしょう。
ロスカットもあるため普段は10円以上動く前に引っかかり強制決済されます。
損失によるリスクは高くなっていますが、借金に対するリスクは意外にも大きくないため不安に感じる必要はありません。
しかし普段は10円以上動かないためいいですが、逆に言えば動くような状態になると資金がマイナスになる可能性は高くなるでしょう。
急激に変動する相場がショックと呼ばれるものであり、起きると10円どころか20、30と数十円の単位で動くのは珍しくないのです。
10倍以下のレバレッジでもショックが起きれば借金の発生する可能性はあるため、10倍であれば高確率で起きてしまうでしょう。
仮に200万で10枚だとしても、20円動けば200万到達するため簡単にゼロを通り越してマイナスになってしまいます。
資金に対して取引量を少なくすれば話は別ですが、10倍で取引をして1、2枚のポジションを持つ方はほとんどいないでしょう。
普段は問題ありませんが相場が異常になると借金は発生してしまうと理解しておいた方がいいです。
レバレッジ10倍ではどう取引するか
リターンとリスク共に高くなっているため、リスクのある取引をすればすぐに痛い目を見てしまう世界です。
大きな利益を狙おうと考える場合、同様にリスクに対する付き合い方も考えなければいけないでしょう。
資金と発生する損失に応じた取引をする
10倍であれば資金が10万程度あれば多くの通貨ペアで取引できます。
ドル円は10万程度まで証拠金は下がりますが、本当に10万程度で1万通貨を持てばロスカットによる危険性が高まるでしょう。
必要証拠金が減る分ロスカットは常に意識しなければいけないレベルとなるためギリギリの資金で取引してはいけません。
大きな利益を出そうと考えれば同時に相場の動きで大きな損失の出る可能性も考える必要があります。
1万通貨の取引となれば1pips100円の動きとなり、20で2000円です。
異常な状態にならない限り普段の相場は50程度動けば大きい方であり、トレンドが発生していれば1円まで届く範囲です。
1万通貨の取引で1円までマイナスに進んでしまえば1万の損失となってしまいます。
1円まで動くことはほとんどありませんが、損失は連続で出る可能性もあるため積もって1円相当になる可能性も考えなければいけません。
そのため取引量は資金に対し1円程度動いたとしても許容できる範囲で運用しましょう。
相場の急変による必要以上の損失を考える場合、より少ない取引量にしてもいいです。
リスクとの付き合い方は問題ないか
借金の発生する可能性はほとんどありませんが、下手をすれば数十万単位で損失の出てしまう世界となります。
リスク管理ができない状態で取引に望めば、待っているのは資金が底を付いて取引できなくなったトレーダーの姿です。
短期間で専業を目指せる以上、トレーダーには低レバレッジ以上にリスク管理の徹底が求められます。
先ほどの資金に対して許容できる範囲の取引量で運用するのもリスク管理の一種です。
リスク管理としてまず考えておきたいのは無闇にポジションを持たないことにあります。
10倍となれば多くの金額を動かしやすくなるため、利益を得ようとという気持ちが先行しやすい状態です。
相場には流れがあり中には危険だとしてプロでも分析した結果、ポジション保有を控える時もあります。
プロですら判断する相場で取引すれば高確率で損失になってしまうでしょう。
低レバレッジであればまだ挽回は考えられますが10倍ともなれば誤って出る損失は痛いものです。
リスクの高い相場と分かった時には手を出さないのもリスク管理の一種となります。
チャートの分析をし、自分が手を出しても問題ないか判断してから取引をしましょう。
もちろん相場はいつも予想通りに動くとは限らないため、損失を抑える損切りポイントの設定も重要です。
10倍ともなれば損失も痛いため、あまり広く取ると損切りで資金が削られてしまいます。
逆に浅いと簡単に引っかかってしまうため、相場の流れと自分の資金から考えて判断するしかありません。
取引前には取引量だけでなく損切りで許容できる範囲も決めておきましょう。
自信がなければ10倍で取引せず低レバレッジでFXのリスクについて理解を深めた方がいいです。
しかしあまり低すぎると今度はレバレッジによるリスク感覚が麻痺してしまうため、5倍程度でやるのがいいでしょう。
取引スタイルごとのやり方も理解しておく
10倍になれば短期、長期共にどの取引スタイルでも利益は問題なく出せます。
そのため逆にトレーダーは自分の取る取引スタイルと、やり方に関して理解しておかなければいけません。
すぐに結果が出るということで選ばれやすい超短期取引のスキャルピングですが、実際初心者がするには難しい取引と伝えられています。
少しの値動きで瞬間的に判断しなければならずプラスが出たと判断すれば決済をしなければいけません。
損失に動いた時でもすぐに決済するスタイルなため、プラスに戻るまでという行為はスキャルピングといえないのです。
瞬間的な値動きに対応し利益、損失共に出ても判断できるか、この点を考えてスキャルピングするか判断しましょう。
デイトレードは短期取引ですが、スキャルピングより取引回数を減らしてその分大きな利益を期待するため判断に余裕があります。
取引にかかる時間は1日の間であり正確に決まっていないため、やり方を誤るとスキャルピングになってしまうのです。
相場の流れを見て取引をし、超短期的になっていないか考えてデイトレードを選びましょう。
スイングトレードは長期の取引となるため余裕ができる分、急激な値動きで損失の出る危険性を持っています。
放置していればいいわけではなく何かニュースがあった時に相場を見なければいけません。
長期的に放置して大丈夫な資金と取引量で運用しているか考え、スイングトレードで大丈夫か判断しましょう。
精神面は大丈夫か
10倍ともなれば大きな金額が動くため、本当にポイントとなるのはトレーダー本人の精神面となります。
大きな金額が動けばその分精神面に与える影響も大きくなり取引への判断に出るのです。
大きな損失が出てしまえば焦りが生まれ、適切な取引ができなくなるのは負けトレーダーのよくあるパターンとなっています。
逆に大きな金額に目が眩み、先行して無理な取引をして大きな損失へ繋がるのも珍しくないパターンです。
10倍で取引する方は続けて平常にできているか考えてみましょう。
問題があると判断した方はレバレッジを下げるか、取引量を減らした方がいいです。
将来的にレバレッジ上限は10倍となる?
現在国内のFX業者はレバレッジ上限が25倍に設定されています。
将来的に25倍で取引を考えている国内利用者も多いでしょう。
しかし現在10倍で取引しているトレーダーの方は将来的にも同じレバレッジでの取引になるかもしれません。
理由として2018年に金融庁がレバレッジを10倍にするという発表があったからです。
最初に発表された後は一度引き下げとなりましたが中止にはなっていません。
今後どうなるかは現時点で分からず将来的には10倍まで下げられる可能性もあるのです。
10倍を前段階としている方でも将来的には10倍で取引せざるを得ない状況になる可能性もあるでしょう。
海外業者を考えてみる
現在10倍をそれ以上のレバレッジ利用前の前段階として考えている場合、海外業者の利用を考える必要があります。
海外はレバレッジによる規制がないため25倍が上限ではなく、100倍といった数百倍の範囲で取引できるのです。
レバレッジは最大であり海外でも10倍で取引はできます。
そのため将来のハイレバレッジを考えつつ10倍で取引を続けられるのです。
決まった上限がないため海外業者は業者ごとに最大レバレッジが変わってきます。
将来的にどれくらいのレバレッジで取引したいか考えて選びましょう。
海外も現時点においての話であり、将来的に何かしらの変更が出てくる可能性は否定できません。
他にも国内とは違う事情も関わるため理解して海外業者を利用しましょう。
規制も考え取引をする
国内業者においてレバレッジの上限が10倍になる件は現在の話に過ぎません。
将来的には10倍よりも下のレバレッジに規制される可能性もあり、そうなると国内で10倍の取引はできなくなってしまいます。
10倍の取引を考えている方は規制の件も含め、どう取引していくか考えていきましょう。