「美のためには痛みを耐える必要がある。」なんて言われることがありますが、果たして本当なのでしょうか。
脱毛する際に多少の痛みを感じることはあっても、耐え難い痛みに辛い思いをしてまで脱毛する必要はないような気もしますよね。
痛みに弱い方や不安が大きい方は、クリニックの脱毛であれば「麻酔を使う」という選択肢があります。
脱毛で使われる麻酔とはどんなものなのか、どこまで痛みを軽減できるのかなど、クリニックの麻酔について紹介します。
目次
麻酔が使えるのはクリニックだけ
まずは、脱毛をする際にいつどこでも麻酔が使えるのかというお話です。
麻酔が使えるのは医師がいるクリニックのみです。
医療機関ではない脱毛サロンやエステでは麻酔を使うことができません。
そもそも、脱毛サロンやエステでおこなわれる光脱毛は、照射パワーが低いことから痛みが少ないとされる方法です。
脱毛箇所によっては痛いこともありますが、冷却ジェルを使うなどすれば大抵の方が痛みをそれほど感じずに脱毛できると言われています。
最近の脱毛はクリニックでも痛みが少ない
痛みの強さで言えば、「脱毛サロン<クリニック」との認識が一般的で、クリニックのレーザー脱毛は痛いことがネックだと言われています。
ただ、最近の脱毛機器の性能はよく、脱毛技術も進んでおり、クリニックの脱毛でも痛みが少なくなってきました。
患者さんができる限り痛みを感じないように、クリニックでもさまざまな工夫をすることで、麻酔を使わなくても痛くないように施術してくれています。
クリニックで施術する際には、痛みの軽減のために以下のような工夫がされています。
- 冷却装置で皮膚を冷却しながら施術する
- 皮膚を吸引して伸ばしながら照射する
- レーザーの当て方や角度を工夫する
- 照射のたびにさすってくれる
レーザー脱毛は痛みがゼロとはいきませんが、上記のような工夫によって何とか痛みを乗り切れる方が多く、実はクリニックでも麻酔を使う方はそれほど多くはありません。
痛みに弱い人が麻酔を使う前にまずは考えておきたいこと
レーザー脱毛の際に麻酔を使うかどうかを検討している方は、痛みに弱かったり不安だったりといったことが考えられます。
その場合、麻酔という選択肢はあるのですが、その前にまずは他の方法で痛みを回避する方法がないのかを検討してみることも大切です。
効果の実感が遅くていいなら脱毛サロンを検討
光脱毛は、施術ごとの効果はレーザーに比べて緩やかですが、痛みが少ないのはやはり魅力です。
光脱毛もレーザー脱毛も、最終的な仕上がりに大きな違いはありませんので、回数を重ねても問題ない方であれば、光脱毛を検討してみましょう。
使っている脱毛機器の照射パワーを下げてもらう
脱毛は利用者の肌状態や痛みの感じ方によって、照射パワーを調整して施術していきます。
照射パワーが強いほど脱毛効果を感じやすくはなりますが、痛みに弱い方が無理に強いパワーで脱毛するとストレスにもなってしまうでしょう。
スタッフの方に、照射パワーを低めにしてもらえないか聞いてみるのは1つの方法です。
痛みを感じにくい脱毛機器を導入しているサロンやクリニックを探す
脱毛はどこのサロンやクリニックで施術してもらうかによって、痛みの感じ方が異なります。
脱毛機器が異なることが大きな理由で、最新機種ほど痛みが少ない傾向にあります。
たとえば、「メディオスターNeXT」という脱毛機器は「痛くない脱毛」と呼ばれる最新機種で、一部のクリニックでも導入されています。
従来の脱毛器と異なる方法でアプローチすることで、少ない熱量で脱毛が可能となり、痛みを軽減させることに成功しています。
痛みが気になる方は、痛みが少ないとされる脱毛機器を使っているサロンやクリニックを選ぶといいでしょう。
まずはテスト照射で痛みを確認してみるのがおすすめ
痛みの感じ方に個人差があると言われても、自分はどのくらい痛いと感じるのかは実際にやってみないと不安に思いますよね。
テスト照射を受けられるサロンやクリニックも多いので、最初のカウンセリングの際に申し出てみてもいいでしょう。
サロンやクリニックによって、テスト照射に1,000円ほどの費用が発生してしまうことはあります。
しかし、どの程度の痛みかを知ったうえで受ける方が、気持ちが楽ですし、痛みが強い場合はその時点で対処法を相談することができるため、メリットはあると言えます。
レーザー脱毛で使える麻酔の種類と特徴は?
麻酔とひとくちに言ってもさまざまなタイプがあります。
レーザー脱毛をおこなうクリニックで使われる麻酔は主に3種類で、笑気麻酔、麻酔クリーム、麻酔テープが一般的です。
どのタイプの麻酔を使えるかはクリニックによって異なります。
ここでは、3つの麻酔の特徴を見ていきましょう。
笑気麻酔(ガス麻酔)
笑気麻酔は、特殊な機械で、亜酸化窒素という毒性の低いガス(身体へは無害)を吸引して使用する全身麻酔のことです。
脱毛用には濃度の低いガスを使用し、吸っている間はお酒に酔ったようなほわほわした感じになります。
笑気麻酔を使うことのメリットやデメリットは以下のようなものがあります。
(メリット)
- 吸入してすぐに効果がでやすいため施術中でも対応してもらいやすい
- 全身脱毛のような脱毛箇所が広い脱毛をするときにも適している
- 体全体に効くため他の麻酔より痛みを感じにくいことがある
(デメリット)
- 吸引しながら施術するため仰向けの体勢でないと使いにくいことがある
- ガスを上手く吸うことができず合わない人もいる
- 眠くなってしまって吸えない人もいる
- 人によっては頭痛や気持ち悪さを感じることもがある
昔は酸欠による事故などが指摘されましたが、現在では吸入器の進歩に伴ってそうした事故は激減していますし、利用者の体調をこまめに確認しながら脱毛をすすめるように工夫されています。
笑気麻酔は吸引中のみ効き目があることから、副作用が少ない方法と言われています。
麻酔クリーム
クリーム状の麻酔を照射範囲に塗布して使い、皮膚の表面が麻痺するような感覚になります。
歯医者などでも使用される成分が配合されており、輸入通販サイト等でジェネリック医薬品の購入も可能であることから、比較的身近な麻酔と言えるかもしれません。
照射部分に均等に塗る必要があるので、塗り方によって効き目に違いがでやすいものでもあります。
また、効果がでるまでに30分以上かかるため施術途中から使うことが難しく、事前購入で塗布してから来院するか、施術1時間ほど前には来院する必要があります。
麻酔クリームの主なメリットやデメリットには以下のようなものがあります。
(メリット)
- 塗布するだけなので比較的簡単に使える
- 部分脱毛など細かい箇所に塗りやすい
(デメリット)
- アレルギーがある人や敏感肌の人は反応してしまうことがある
- めまいや塗布箇所の震えなどの副作用を感じる人もいる
- 毛が多い箇所には皮膚まで浸透しにくく効き目が薄くなることがある
- 痛みが強い箇所には効き目が薄い場合もある
麻酔クリームは皮膚表面に効くものなので、それほど強いものではないと言われることもありますが、含有成分にアレルギーを持っていると反応してしまう人もいます。
麻酔クリームを使ってアレルギー反応がでたことがあるかなどを、事前のカウンセリングでしっかり確認されます。
また、自分で購入した麻酔クリームを医師に相談しないで塗ると何らかのトラブルも考えられますので、購入する場合でも医師の診断を待ってからにしましょう。
麻酔テープ
麻酔薬が含まれたテープを貼り、痛みを軽減させるタイプの麻酔です。
麻酔薬が皮膚表面に浸透していくことで、こちらも皮膚表面が麻痺したような感覚になります。
浸透させるまでに時間がかかるので、施術の1~2時間前には貼る必要があります。
麻酔テープの主なメリット、デメリットは以下のようなものがあります。
(メリット)
- テープを貼るだけで麻酔効果が得られる
- 麻酔効果の持続性は高く4~5時間ほど継続すると言われている
(デメリット)
- 施術箇所によっては痛みが減らない
- うまく密着させないと効果を感じにくくなる
- クリニックでは脱毛のために麻酔テープを使う機会は少ない
クリニックの麻酔はリスクがないの?
医師がいるクリニックで安全面に配慮して使われる麻酔ですから、多くの方は問題なく施術時間をやり過ごせています。
麻酔と言うと手術等で使われる麻酔で危険性が高いと思われがちですが、脱毛で使われる麻酔はパワーが弱めの麻酔になるため、それほど不安に思い過ぎる必要はないでしょう。
ただ、リスクが完全にゼロというわけではなく、人によってアレルギー反応や副作用がでる可能性は否定できません。
以前何らかの麻酔で副作用があった方などは必ず医師や看護師に伝え、事前によく相談しておく必要があります。
麻酔を使用して少しでもおかしいと感じたら、我慢せずに医師や看護師に申し出ることもとても大切です。
何となく不安に感じてしまう方もいるでしょうが、医師が診断してくれるクリニックだからこそ麻酔という選択肢も安心して使うことができるのはメリットですね。
麻酔を使えば痛みゼロで施術できるの?
痛みをどの程度減らせるのかについては、脱毛箇所や体質にもよります。
もともと痛みが強い箇所では効き目が薄いケースもあるため、麻酔があれば痛みが完全にゼロになるわけではありません。
VIOラインなどもともとの痛みが強い箇所に関しては、麻酔を塗っても痛かったとの声もあります。
ただ、麻酔を使用して痛みが楽になり、施術を乗り切ることができたと言う方が多いことから、痛みの軽減に一定の効果があるとは言えるでしょう。
いざというときには麻酔を使えるという安心感も、痛みが不安な方にとってはお守り的な存在になっているようです。
特に笑気麻酔は意識や感覚が鈍くなることから、痛みへの恐怖心も緩和する効果が期待できます。
脱毛時の麻酔は痛みをなくすものではなく、痛みを和らげたり気分をリラックスさせたりする効果があるものだと思っておきましょう。
麻酔にかかるお金はいくら?
脱毛で使う麻酔は保険の適用外ですし、希望者のみに使われますので費用が発生することがほとんどです。
相場は1,000円~3,000円で、施術のたびに費用が発生しますが、中には0円というクリニックもあります。
麻酔を使う場合にはいくらかかるのかは、希望するクリニックで確認しておきましょう。
麻酔の利用を検討したいのはこんな人
麻酔は費用もかかりますし、人によって合わない可能性もありますので、やみくもに利用すべきものでもありません。
麻酔を本当に使った方がいいかを考えてから、上手に取り入れることが大切です。
麻酔の利用を検討した方がいいのは、以下のような特徴をお持ちの方です。
- 脱毛の痛みに耐えられない人
- 痛かったらどうしようと不安が大きい人
- 痛くて施術を中断しがちな人
- できるだけ照射パワーを上げて施術してもらいたい人
ご自身に当てはまる場合はクリニックの方によく相談してから利用してみましょう。
最後に
いかがでしたか?今回はレーザー脱毛の麻酔について紹介しました。
クリニックで脱毛する場合は痛みがデメリットだと言われますが、麻酔を使えば痛みを軽減させることも可能です。
脱毛効果が高く少ない回数で脱毛できるクリニックのメリットを活かしつつ、痛みも回避できる有効な方法と言えるでしょう。
麻酔について気になる方は、事前のカウンセリングなどを通じ、使用方法や効能をよく理解したうえで申し出てみましょう。