高3で不登校になると大学進学や将来について不安がたくさんでてきます。
では、なぜ高3で不登校になってしまうのでしょうか。
適切なサポートが行えるよう、高校生の不登校の要因をしっかり理解したいものです。
まずは高3生に限らず、高校生の不登校になってしまう要因から考えていきましょう。
目次
環境の変化に対応できない
高校生が不登校になる要因として環境の変化に対応できないことがあげられます。
もちろん小学校、中学校へあがる時も環境の変化はあったのですが、高校生とはこれまでよりさらに多感な時期に突入します。
大人になることを意識しはじめ、無邪気な子どものままではいられないと感じはじめる時期です。
そんな中で高校生になるということは多くのストレスを生みます。
クラスの雰囲気になじめなかったり、友達はいるけれど心の底から信頼できる友人が持てなかったりして、学校に行けなくなる場合があります。
自分自身のことや将来についての不安も大きくなります。
高校に行く意味を感じられない
中学までは義務教育だったので学校からも「学校にきてほしい」という圧力を感じることもあったでしょう。
しかし高校は任意教育です。
不登校になっても学校からのサポートは薄く、結果的に退学になってしまう子も少なくありません。
あくまでも自分で行く意思を持たないと通うことが難しい高校。
しかし、日本での高校進学率は97%を越えていると言われており、高校に進学することは当たり前という風潮があります。
そんな高校生活で、勉強が嫌い、家が貧しい、働きたいという思いをもっており、学校に行く意味を見いだせないでいると、不登校になってしまいます。
自分の考えや目標がはっきりしている頭の良い子や精神的に成熟している子に多くみられます。
勉強が難しくなってついていけない
高校になるとますます勉強が難しくなります。
学習内容が難しくなりつまずいてしまい、勉強への意欲をなくしてしまう子は少なくありません。
中学までは勉強が嫌いではなかった、得意な方だったのに、高校生になり勉強が難しくなることで、その自信や誇りを一気に失ってしまい、自分の存在意義をなくしてしまい、不登校にある場合があります。
また、学校や親からの期待が大きかったりするとますますその重圧に耐えられず逃げ出してしまうのです。
将来への不安
高校にもよりますが、文系コースか理系コースかを選ばないといけない時期がやってきます。
そして大学受験や将来どうなりたいかを真剣に考える必要があるのもこの時期ではないでしょうか。
自分のやりたいことが見つからない。
何をしていいのか分からない。
また、見つかったとしても本当にこの道でいいのか自信がない。
という場合も多く、不安も大きくなります。
高3生の不登校の原因
ここまでは高校生全般の不登校の原因について考えてきました。
では次に高3生特有の不登校の理由についてみていきましょう。
進路を選ぶことへの不安
高3になるといよいよ大学受験が目前に迫ってきます。
自分なりに大学や専門学校などの進路を決め、働きたい子は就職先を決め、進んでいきます。
しかし、本当にこの道でいいのか?という不安はずっとついてまわります。
特に大学受験などは自分の偏差値に合わせて選択します。
思い切って少し上の大学を目指すか、確実に合格できる大学を目指すのか、どちらを選んでも迷いはなくなりません。
本当にこれでいいのか?
また、周囲はみな進学するのに自分だけ就職するという場合も、同年代の子より一足早く社会にでることや自分だけ就職するという状況に不安が大きくなってしまいます。
受験のプレッシャー
高3生にとって受験は大きなプレッシャーとなります。
受験を失敗するということは自分自身の存在をも否定してしまいかねないほど、重要なことだからです。
そんな大きなプレッシャーから勉強が思うように進まなかったり、志望校合格は難しいと判断されるようなことになれば、受験のプレッシャーに耐えられず、不登校になってしまうことがあります。
高3生の不登校に対する対応
では、大切な時期である高3生が不登校になってしまったらどのように対応すればいいのでしょうか。
しっかりと休養を
まずはしっかりと休養することを優先しましょう。
無理に行かせる必要はありません。
受験や将来に不安を抱え、大きなストレスを抱えている状態では、肩にも力が入り物事はうまく進みません。
今まで頑張ってきたからこそエネルギーが切れてしまったのです。
無理をせずしっかりと休養させてあげましょう。
そのためには家庭が安らげる子どもの居場所であることが重要です。
あれこれと詮索せず、子どもが安心して休養できるように環境を整えてあげましょう。
子どもの気持ちを理解する
不登校になってしまう高3生はもちろん学校に行くべきであるという心理を持っており、行けない自分という現実に苦しい気持ちを抱えています。
そんな気持ちを理解してあげましょう。
不登校の理由を聞き出すことが目的ではありません。
ただ、子どものしんどい気持ちや考えていることに耳を傾けてあげましょう。
大人に聞いてもらうことで、子ども自身も自分の気持ちの整理ができたり、前向きな考えが浮かんでくることもあります。
そのためには大人がただ子どもの気持ちに寄り添って共感してげることが大切です。
興味のあることをやらせる
不登校の子どもをまず学校に行かせることを考えるのではなく、今できることに注目しましょう。
子どもが好きな読書やプラモデル作り、洋裁、物づくり、なんでもかまいません。
今集中してできること。
子どもなりに頑張っていることに目を向けて褒めてあげましょう。
そうすることで子どもは「自分にもできるんだ」と小さな自信が積み重なり、学校に行く意欲につながっていくのです。
気力が回復したら進学先や就職先を一緒に考える
そしてある程度気力が回復してきたら、進路や就職先につついて一緒に考える時間を持ってみましょう。
不登校であっても進路や就職先には様々な道が存在します。
いくつもの選択肢があるのだということを教えてあげることが大切です。
そして、最後には子どもがどうしたいのかを一番に考え、進路などを決定させるようにしましょう。
まとめ
高3生の不登校について考えてきましたが、いかがでしたか?
高3生は受験や将来の不安、プレッシャーを抱え懸命に毎日を過ごしています。
そんな中で不登校になってしまった場合は、子どもの気持ちを理解し、共感しながら、次の方法を探していってください。
どんな時も遅すぎることはありません。
子どもが自ら答えを出せるように、適切な距離でサポートを行っていくようにしましょう。