中学生の不登校の原因で多いのは友人関係?登校拒否につながる4つの原因

中学生が不登校になる原因として非常に多いのが「友人関係」です。

中学生は自我が確立し、自分の意見をハッキリと持つようになるとともに、小学生の頃よりも濃厚な人間付き合いをするようになります。そのため、入ってしまった亀裂が深刻なものとなるケースも多いのです。

思春期真っ只中な中学生は人間関係の構築に苦労することも多く、上手くいかずに落ち込んでしまったり、イライラしてしまったり、さらには勉強も難しくなって何かと精神に負担が掛かってきます。

加えて三年生にもなれば、一貫校でなければ皆共通して高校受験を控えています。ですから、大人から見ればほんの些細なことで不登校になってしまうケースも存在します。

今回ご紹介するのは、友人関係が不登校に繋がるいくつかのケースです。

  • いじめ問題
  • 先輩・後輩との上下関係
  • 思春期ゆえの悩み
  • 人付き合いへの疲労感

これらが全てでは、ありませんが、どれも考え得る事象です。以下、具体的に取り上げていきたいと思います。

1:いじめ問題

決して「些細」では無い、最も深刻視すべき事象です。

いじめそのものは小学生の頃から見られる問題ですが、中学生は物を考える力が発達し、残念ながらいじめも酷くなり易いところがあります。そのため、早めの対処が重要と言えるでしょう。

生き物は不思議と、狭い空間にいると自分より弱い者をいじめるようになります。ですが、いじめられる方としてはたまったものではありませんよね。不登校になるのは逃げではなく、立派な防衛行為だということをまずは理解しておきましょう。

いじめは本人達だけで解決するのは非常に難しい問題です。どうしても、親や教員といった大人が割って入る必要性が生じます。

あまり子どもの問題に首を突っ込むのは良くないというのもひとつの考え方ですが、「不登校」という問題が生じている以上は見過ごせない状況だと考えられるでしょう。

中学生のいじめ問題は「ごめんね」「いいよ」で済まされるような内容ではないケースが大半ですので、何度も話し合いを重ね、時間を掛けて解決に持っていく必要があります。

間違っても親子共倒れにならないよう、親子「だけで」問題を解決しないように気を付けて下さい。

最近はニュースでいじめ自殺に関する悲惨な報道が取り上げられることも多いですが、全ての学校が隠蔽体質というわけではありません。悲しい話ですが、ニュースで取り上げられたからこそ必死になっている学校も多い筈です。

また、学校に関係のない外部の力を借りていじめを解決するという選択肢も存在します。あまり背負い込みないようにすることを心掛けて下さい。

2:先輩・後輩との上下関係

中学生になると、小学生の頃は無かった上下関係というものが登場します。主に部活動で強く上下関係を意識させられることになりますね。

たかが上下関係、されど上下関係です。

後輩の立場になるならば、最早いじめに等しい扱いを受けて学校にいられなくなるケースが比較的多いのですが、達観した考えを持っている子だと「たった一、二歳違うだけの相手を敬わなければならない」ということに理不尽さを感じて馬鹿らしくなり、学校から足が遠のいてしまったことが原因で不登校となることもあります。一筋縄ではいかないのが現実です。

部活が嫌でも、内申点を気にして部活を辞められない、と半ば脅しのような状況に耐え忍んでいる子どもが多いのが近年の中学校・高等学校の問題です。ですが、それが原因で不登校になってしまうくらいならば部活なんて行かなければ良いのです。

部活に来ないからといって先輩からのいびりが酷くなるのであれば、それはもはやいびりではなくいじめです。いじめ問題同様、積極的に親の方から学校に干渉していくべきでしょう。

先輩・後輩問題では比較的レアケースなのですが、後輩との関係に思い悩んで不登校になるケースも存在します。先輩をいじめてくる後輩、というのもなくはないのですが、こちらは後輩への指導に悩んでいることが多いですね。

後輩が言うことを聞かない、思うように成長してくれない、自分の何が悪いのか……と悩み、無力感が原因で学校に行けなくなってしまうのです。

そんな時、掛けるべき言葉は大人目線だからこそ分かる具体的なアドバイスと、「あなたのせいじゃない」という励ましの言葉です。言うまでもありませんが、重要なのは後者です。

まれに連帯責任だと後輩のやることなすこと全てをその子のせいにする先生や先輩がいることもありますが、それは理不尽にも程があるということを教えてあげてください。

内申点問題は親も気にする部分ではありますが、テストの点さえ取れていればそこまで問題にはならないものです。(勿論、部活動推薦を狙うのであれば例外ですが……)

部活を辞めたからといって不当に低い点を付けてくる先生がいるのであれば、それは正当に罰されるべきだといえるでしょう。

学校に訴え込んでくる親は「モンスターペアレント」だと言われますが、正当な評価を求める親のどこがモンスターなのでしょうか。恐れず、訴えて良いのです。

3:思春期ゆえの悩み

思春期。つまり、大体は恋愛絡み……と見せかけ、急に成長した自分の身体が受け入れられずに不登校になってしまうことの方が多いのではないでしょうか。

思春期は周囲からの目が酷く気になる時期です。自分がどう見られているのか、どう思われているのか、それが気になって気になって、仕方がなくなる時期です。

人間の身体は何の因果なのか、そんな多感な時期に急成長するように出来ています。

男の子なら男らしく、女の子なら女らしく成長します。そして他者を意識する関係で恋愛的な方向にも行きやすいです。そのため、セクシャルマイノリティの方はこの辺りで自分のことに気付きやすいと言われています。

日本は「周りと一緒」であることに美意識を感じる文化であるともいえます。

セクシャルマイノリティである場合はその時点で非常に大きな壁を感じてしまうものなのですが、そうでなくとも周囲の目が気になるだけに、大人からしてみれば「えー、そんなことで!?」と思うようなことで子どもは躓いてしまいます。

例えば、身長の高い・低いの問題であったり、男の子であれば声変わりが気になっていたり、女の子であれば胸の有る無しであったり、これまた思春期頃に出やすくなるニキビが気になりすぎて人と顔を合わせるのが嫌になってしまったりと、考えられることは様々です。

中には周囲に容姿的特徴をからかわれたことをきっかけに学校に行けなくなってしまうケースもあります。

ひとつ確かなことは、親だけは子どもの良さを見付けて褒めてあげるべきだということです。間違っても子どもの容姿を親が貶すようなことがあってはいけません。

中学生になったんだから、もう放置で大丈夫……ではないのです。いくつになっても、子どもは親から褒められると嬉しいものです。褒められ慣れていれば、自然と子どもは自信を持ち、些細なことでは折れなくなっていきます。

子どもが感じている欠点も、他者からみれば長所かもしれません。そのことに、気付かせてあげて下さい。

ちなみに、失恋は不登校要因としては比較的レアケースで、なったとしてもまだ問題視するまでもないくらい割と早い段階で復帰することが多いものです。こればかりはどうにもならない、と子どもが自分で自覚するためですね。

長期化した場合は本人と告白した相手の問題というよりは、「周りに笑われる」と周囲の目を過剰に気にしているか、もしくは背後にいじめ問題などが絡んでいるケースが考えられます。

よくよく話を聞いた上で、掛けるべき言葉を探すべきでしょう。

人付き合いへの疲労感

これは真面目な子に多い躓きで、風邪や怪我などで数日休んだ後、学校へ行く足が遠のいてしまうというケースです。

周りに気を遣い過ぎて、ふとひと休止入れた途端に張り詰めていた糸がぷつりと切れてしまうのです。大人でも、特に周囲に気を配っている方なら気持ちは分かるのではないでしょうか。

まず、親としてできることは「頑張ったね」という声掛けです。今までずっと頑張ってきたのに、これ以上「頑張れ」というのは逆効果です。

速く学校に戻って欲しいという親の気持ちも分かるのですが、子どもが今必要としているのは休息なのです。しばらく休んでから、それから投稿刺激を与えていきましょう。

ですが、親が投稿刺激を与えずとも、この手の子どもは周囲からも愛される存在であることが大半です。ほとんどの場合は周囲の友達から不登校の子に沢山の手が伸びてくることでしょう。

子どもはそれまでずっと気を遣い続けてきたのですから、最初こそ周囲の存在が煩わしく、負担に感じるかもしれません。

それでも、「そろそろ学校に戻りたい」と思うようになっている子どもであれば、変わらず「学校においで」と言ってくれる周囲の存在が確かな強みとなるでしょう。そこまで行けば、親はただ、その背を軽く押してあげるだけで良いのです。

ただし、疲労感から回復しきっていない子どもの場合、よく学校から回ってくる寄せ書き色紙やお手紙のせいで状況が返って悪化することもあります。

親が様子を見つつ、時には外部の声を遮断してあげる必要性もあるでしょう。

不登校の子どもの最後の砦は家庭

時には害されることもありますが、基本的に子どもが学校にいる間は先生や友達が子どもの傍にいます。ですが、学校に行けず、家に残るようになった子どもを彼らが守ることはありません。手が届かないのです。

ですからどうしても、不登校の子どもを守るには家族の力が重要となるのです。何をすれば良いのか分からない、という主張も一理ありますし、ある程度の期間は休息が必要となることでしょう。

ただ、再び学校に戻るにも、別の選択肢を探るにも、やはり親の存在は欠かせないものとなります。

親の意見の押し付けにならないように気を付けて子どもの話を聞き、解決の糸口を探ってみて下さい。

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