ニートには一人暮らしをさせろ!一人で生活するべき4つの理由。

ニートの息子が、初めて自分から「一人暮らしをやってみたい」と言ってきたら。

これまで前向きな発言なんてしたことがなかったなら、なおさら、息子が自分から意欲的になってくれるのは嬉しいですよね。

しかし、そう思う反面、

  • 今までニートだった息子を信じてもいいのだろうか
  • 一人暮らしなんてできるのだろうか
  • 生活費はどうするのか
  • もっと悪い事にならないだろうか

と次々に、不安な気持ちが湧いてくるのも事実。

今回は、長期間ニートをやっていた息子が、一人暮らしをしたいと言ってきた場合、親はさせるべきなのかを、様々な理由を踏まえながら紹介していきたいと思います。

ニートの息子に一人暮らしを経験させるべき理由4つ

まずは、ニートの息子に一人暮らしをさせるべき理由から、紹介していきたいと思います。

1.暮らしていく大変さがわかる

一人暮らしを始めると、贅沢な暮らしをしていなくても、普段の生活しているだけで意外にお金を使うことが分かってきます。

ニートの生活では、食事から服まで、生活に関わるものすべてを、親からサッと渡されてしまうので、中々一つ一つにお金がかかっているという事を認識しづらいです。

そのため、一人暮らしをしたいと言いだす理由の一つに、食事もそんなに食べないし、服も買わないから、一人暮らしはできるものだと思っていることがあります。

しかし、実際に一人暮らしを始めてみると、食費だけでもかなりお金を使ってしまうことが分かるようになってきます。

さらに光熱費に水道代、家賃なんかを合わせると、きっと想像していないほど、お金がかかっていくでしょう。

このような経験することによって、人一人生活させるのには、これだけお金が必要だったんだ、ということが分かるようになります。

そうした経験から、全く働かない人を養っていくのがいかに大変か、自分という存在が、家族からどんな感覚で見られているのかを、客観的に考えられるようになっていきます。

2.できることが増える

一人暮らしをしていると、部屋の掃除や食材の買い足しなど、したくないと思っていても、せざるを得ない状況が自然に作られていきます。

夜おなかが空いたと思っても、出来上がった食事は出てきません。食事を食べようにも、作らないと食べられません。その食事を作るためには、買い物にも行っておかないといけません。

普段、自分が食べていた食事はそうした過程があったうえで、食べられていたという事を理解していきます。

お金に制限があると、外で食事ばかりもできません。最初は外で食べていたとしても、お金がなくなれば、自炊することも必要になってくるでしょう。

部屋も汚くなると、掃除せざるを得なくなります。自分以外、母親も誰も部屋を綺麗にはしてくれません。

このように、一人暮らしをすると、せざるを得ない状況に勝手になっていくので、今まで家事をしたことがない人でも、自然と自分からやっていくようになります。

こうして、状況を先に作ってしまうことで、それをするしかない。するしかないから、何とかやる。知らない間に出来ていた、というサイクルができあがります。

それは自信にもなり、チャレンジ精神につながるきっかけにもなるので、一人暮らしは、一番手っ取り早く子どもを自立させる手の一つです。

3.感謝できる

一人暮らしをすると、何か問題があった場合でも、自分で解決していく必要があります。

緊急を要することでも、家族もすぐには助けに来てくれません。ですので、自分で行動するしかなくなります。

こういったことを経験することで、これまで周りがやってくれていた事がいかに難しく、大変であるか知っていきます。同時に、今までどれだけ自分が恵まれた生活をしていたのかも、理解することができるようになります。

4.働くしかなくなる

一人暮らしをするには、最低10万円は必要です。

10万円と聞くと、なんとなく余裕がありそうな額に思いますが、一人暮らしを始めるとほとんど残りません。むしろ、足りないと感じてしまうでしょう。

ここに友達と遊ぶお金であったり、欲しいものを買うお金が追加されると、10万円では絶対に足りなくなっていきます。

そうなると、もうお金を作るには仕事するしかなくなっていきます。こういったことがきっかけで、生活するために、仕事をせざるを得ない状況を作れるようになります。

生活がかかっていて、親にもお金を出してもらえないなら、もう働くしか選択肢がありません。今までの職探しとは違う気持ちで、職が探せるようになっていきます。

ニートの息子に一人暮らしをさせるデメリット4つ

ニートの子どもを一人暮らしさせるには、良い面もたくさんありますが、もちろんデメリットも存在します。

以下はニートの子どもを一人暮らしさせた時に、考えられるデメリットです。

1.お金がかかる

ニートは働いていないので、いつか子どもが自力で働くことを想定していたとしても、最初は親がお金を出してあげる必要がありますよね。

となると、人一人生活させるお金に、プラスで息子が住む部屋も用意しなければいけません。そうなると実家暮らしでは、出さなくてもいいお金まで支払うことになってしまいます。

2.子どもの食生活が乱れる

一人暮らしを子どもが始めると、何を食べているのか全く分からない状態になります。長年ニートを続け、さらに食事の用意すらしたことがないなら、なおさらでしょう。

自分で食事を作ることが面倒になり、作らずに買ってしまう生活になってしまうこともあります。

しかし、出来合いのものばかりを買ってしまうと、ついつい好きなものばかり買ってしまったり、栄養バランスが偏りがちになってしまいます。

3.ストレスが溜まって一人暮らしをやめる可能性がある

一人暮らしは慣れないことばかり。最初の頃はストレスもたまることでしょう。

普通はしばらくすれば、慣れていくものですが、中にはいつまでたっても環境に慣れず、ストレスが余計に溜まっていく人もいます。これまで一人暮らしをしたことがないなら、余計に理想と現実のギャップに差を感じると思います。

そしてせっかく一人暮らしを始めたにも関わらず、そういったストレスに耐え切れず、戻ってきてしまうことも。

4.お金が無くなり、親に頼る

また、後先考えず、お金を好きなように使ってしまい、すぐに親にお金の援助を申し出るようになることもあります。

その場合、気をつけてお金を渡していかないと、お金が無くなったら、親に頼る事が癖になっていきます。

お金は頼めばもらえると知ってしまえば、また好きなように使って、お金をもらいにくるでしょう。そんな事にならないためにも、お金を渡すときは十分に気を付けて、渡すことが大切です。

これらのデメリットは、積もりに積もると、せっかく一人暮らしした経験も、最悪の結果になってしまうことも。

デメリットが多いと、ニートだけではなく、親にとっても、一人暮らしさせたのはやっぱり失敗だった、やっぱりこの子には無理なんだ、というネガティブな気持ちを生みかねません。

このように、様々な要因が原因となり、一人暮らしをさせることで良い影響を与えるはずが、ストレスが溜まりすぎて、結局悪い結果になってしまうということもあります。

ニートの息子が一人暮らしするとき、一か月どれくらい必要か

先ほども書いているように、一人暮らしでは最低でも月10万円はかかります。

なぜなら、一人暮らしをすると、光熱費、水道代、食費、家賃などの、どうしたって削れない部分の料金がでてくるからです。

これらは家で生活しているかぎり、発生してしまうお金です。場所にもよりますが、平均の光熱費と水道代にかかる料金は、一か月約1万円ほどと言われています。

食費は2万~3万、家賃が最低3万~7万、その他スマホ代、日用品なども考慮すると、一人暮らしするには一か月最低でも10万円は必要になってきます。

かかるお金はこれだけではありません。成人であれば、国民年金も。保険に入っているのであれば、保険料も支払わないといけません。

ニートの息子が一人暮らしをするときに、親がすべきこと3つ

一人暮らしをさせることは、ニートが自立するうえで、とても大切なことですが、全てが良い方に行くのかと言われれば、そうとも言い切れません。

親の対応次第では、また実家でニート生活に逆戻り、または、社会復帰する気持ちさえ失わさせてしまうこともあります。

以下では一人暮らしを考えているニートに、親がするべきことを紹介しています。

1.お金の援助をしすぎない

これまで何も自分でやったことがない子なら、お金の援助をしてしまいたくなるでしょう。

しかし、子どもの事を考えるのなら、お金は援助しすぎないようにするのが大切です。なぜなら、一人暮らしまでさせて、さらに生活費のお金まで渡してしまうと、子どもは自分でなんとかしないと、という思いがなくなるからです。

本来、もともと働いてこなかった子どもは、必要に迫られない限り、働こうとしません。一人暮らしをしていて、お金が足りないと感じるから、バイトや仕事をしたくなっていきます。

なので使えるお金が多いと、お金に困ることがないので、子どもは働こうという気がなくなってしまいます。

もしかすると、一人暮らしの方が、親からもガミガミ言われないし楽、と感じることもあるかもしれません。

そんな事にならないように、一人暮らしを始める前は、息子としっかりお金について話し合っておきましょう。

例えば家賃のお金だけは毎月渡すけど、それ以外は援助しないと決めたり、5万円は出してあげるから、あとの半分は自分で何とかしなさいと決めたり。

これで「無理」と子どもが言うなら、一人暮らしはさせない方がいいでしょう。

2.普段の生活ができるようになるまで生活を気に掛ける

そして次に大切なのは、子どもが普段の生活を送れるようになるまでは、気にかけてあげるようにすることです。

一人暮らしの最初は、色々な不安やストレスが多いです。一人暮らしでは、荷物や家具も実家のように足りていない場所なので、そういった面でもストレスを感じます。

そんな時、いきなり家族から見放されたようにされてしまうと、何をどうしていいかも分からず、何もする気が起こらなくなってしまう可能性もあります。

この気にかけるの意味は、家具を全てそろえてあげることではなく、相談されたときなどにないがしろにしない、といったことです。

最初の頃こそ、しっかり子どもが基本的な生活が送れるようになるまで、気にかけるようにしましょう。

3.まずは実家の近くで一人暮らしをさせる

まずは何かあった時でもすぐに駆けつけられるように、実家の近くで一人暮らしをさせましょう。

いきなり親も頼れない、知り合いもいない地域で、お金を稼ぎながらの一人暮らしは、ストレスが膨大です。相当な覚悟や、目標がないとやっていけないでしょう。

問題は金銭面だけはありません。何かストレスを感じた時でも、近くに相談できる人が誰もいないのは子どもにとっても、よくありません。

このように、一人の暮らしでストレスが溜まりすぎると、やっぱりもう一回実家でニートをやる、と言い出しかねません。

なのである程度、生活に慣れるまでは、近くで一人暮らしをさせるか、毎日こまめに連絡を取るように心がけましょう。

子どもに一人暮らしをさせることで、現状が変わる

今までニートだった子どもを一人暮らしさせるのは、とても勇気のいる行動だと思います。

しかし金銭面でも援助はできないと本人に確認したのち、それでもやりたいというのなら、ぜひとも一人暮らしはさせるべきです。

それは子どものためだけではなく、親も子どもと離れることで、客観的に子どもを見ることができるようになるからです。

子どもも、生活をするために働かないといけないと割り切ることで、仕事することができるようになってきます。中々変えられない習慣でも、必要に迫られれば、できるようになっていきます。

子どもが一人暮らしを始めたいと言っていて、どうしようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

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