近年大流行りの体幹トレーニングですが、いったいどんなもので、どれくらいの効果があるものなのでしょうか?
世間一般に言われているところを、いくつか見てみたいと思います。
目次
体幹トレーニングとは
まず体幹とはどの部分を指すのでしょうか?
体幹という言葉は意外と曖昧で、解剖学的には手足と頭部を除く胴体部分とされていますが、体幹トレーニングの火付け役である木場トレーナーによると、
広背筋・腹筋群(腹直筋・腹横筋・腹斜筋)・脊柱起立筋・殿筋群・大腰筋あたりの筋肉を指しているようです。
よくインナーマッスルとごちゃまぜになって紹介している記事を見ますが、これらの筋肉はインナーマッスルと言われる筋肉ではありません。
もちろんこれらの筋肉を鍛える際にインナーマッスルにも刺激は入るでしょうし、同時に鍛えられもするでしょうが、決してインナーマッスルを狙ったトレーニングではないと思います。
内容はと言いますと、あまり大きな関節運動を伴わず、体幹部分の筋肉を固めるように収縮させるものが多いようです。
代表的なプランクやサイドブリッジ、ダイアゴナルなどといった動きは、自重を負荷に利用した等尺性収縮の筋トレと言えるでしょう。
体操選手の動きなんかに通ずるところは多いと思いますので、しっかりと続けていけば体操選手のような体も夢ではないかも?
実際には体操選手のように飛んだり跳ねたりといった動きはないので、体幹トレーニングだけでああはなりません。
その効果についてはいろいろと言われていますが、ちょっと大げさかな、と思えるものも少なくありません。
基礎代謝が上がって痩せやすくなる?
体幹部の大きな筋肉を鍛えることによって基礎代謝が上がって痩せやすくなりますよ、という話。これはちょっとおおげさかもしれません。
確かに体幹部の大きな筋肉を鍛えて大きくしていけば筋肉量は増えやすいですが、体幹トレーニングは筋肥大を引き起こすようなトレーニングではありません。
筋肥大を引き起こすためには高強度の負荷をある程度のスピードをもって反復収縮させる必要があり、プランクに代表されるような体幹トレーニングとは全くやり方が違います。
全く運動をしてこなかった人であれば、最初に少しは筋量が増えるかもしれませんが、やればやるほど筋肉量が増えていくというトレーニングとは違います。
ただ、日頃意識していなかった筋肉に意識を置きやすくなっていくので、日常動作においても以前より多くの筋肉を利用してくれるようになる可能性はあります。
これによって日常動作での消費カロリーは増えるかもしれません。
姿勢が良くなって疲れにくくなる?
これは十分に期待できる効果だと思います。体幹部分の筋肉を意識できるようになることで、姿勢は矯正される可能性は高いです。
姿勢が崩れてしまっている人は体幹部の筋バランスも悪く、そんな人たちにとって体幹トレーニングは筋バランスの調整に大きな効果がありそうです。
姿勢が矯正されれば、腰や肩へ余計な負担が掛かりにくくなるので、疲れにくくもなると思います。
スポーツのパフォーマンス向上やウエイトトレーニングの効果を上げる?
体幹が意識できるようになって安定感が増すと、スポーツパフォーマンスは上がるでしょう。
ウエイトトレーニングでも体幹の安定はとても重要です。
筋肥大向きではないがやり方次第で効果的
大幅な筋肉量の増大はあまりできないかもしれませんが、体幹の筋肉を刺激することで体のバランスを整えたり、安定感を向上させたりするには効果的なトレーニングといえるでしょう。
複雑な動きはそれほどありませんので、高齢者や筋量の少ない人でも無理なくトレーニングを続けることができます。
特別な器具やスペースも必要としないので、手軽に始めやすく、効かせやすいトレーンング法だと思います。
ただ体幹部の筋肉を鍛える、ということであればフリーウエイトでトレーニングをするほうが手っ取り早いし効果的でしょう。
日頃しっかりとトレーニングできている方は、神経的に意識を体幹に持ってきやすくするために、補助的に体幹トレーニングを取り入れると良いかと思います。
競技スポーツにおいてもそういった意味で日々の練習の中に体幹トレーニングをうまく取り込んで利用できるとパフォーマンスの向上につながると思います。
まとめ
何から始めたらいいのかわからない、といった方にも負担やリスクが少なく手間の掛からない体幹トレーニングはちょうどよいのではないでしょうか。
まずは体幹トレーニングから始めてみる、というのもいいかもしれません。