【小説】と【随筆】の意味と違い、使い分けや使い方

小説は、作者が考えた人物や社会など、創作上の物語のことです。

フィクション、架空の物語とも言い換えられます。

また、作者自身の体験を元にして書かれた物語は私小説といいます。

随筆は、筆者の思考や体験を思いのままに書かれたもの。

簡単に言えば日記的なもので、自由な文章が特徴です。

エッセイとも言い換えられます。

「小説」の意味

個人が想像して人物や事件・社会を描き出す、架空の物語のこと。

フィクション・創造のお話です。

作者は、小説の人物や事件を通じて理想や現実の姿を描き出したりします。

その中に、読者や社会に対してメッセージを込めたりもします。

小説は元々「取るに足らない話」という意味の言葉でした。

今の小説の意味になったのは、明治時代の小説家、坪内逍遥が『小説神髄』でnovelを小説と訳してからと言われています。

「随筆」の意味

心に浮かんだ事や、経験した事をもとに自由に書かれたものです。

小説のように一連の流れはなく、登場人物も存在しません。

日記的な文章のこと。

エッセイとも言います。

体験したことや、考えたことを書いているので、そこに注目すれば作者の伝えたいことやメッセージが読み取りやすくなります。

日本のエッセイと外国のエッセイは若干違いがあります。

外国では論文的なイメージがあるものを指して言うことがあります。

しかし、日本のエッセイはもっと気楽な日記的なイメージがあるものを指すことが多いです。

起原や現代においての「小説」と「随筆」

小説は起源や歴史が古く、国によって様々なものが出てきました。

中世における『騎士道物語』などは小説の前身として挙げられます。

また最近では紙媒体ではなくデジタルノベルも普及していて、小説のあり方に変化をもたらしています。

随筆は、ミシェル・ド・モンテーニュの『エセー』が先駆者です。

日本での起原は10世紀末になります。

有名なものは、清少納言の『枕草子』や鴨長明の『方丈記』などがあげられます。

随筆と言うと難しいイメージがありますが、エッセーというと現代でも馴染みぶかいものになります。

二つの違いと書きやすさ

小説はルールの存在しない自由な文章です。

細かくは様々なジャンルに分けられますが、一概として言えることは「架空な物語である」と言うことです。

一方で随筆もこれといったルールの存在しない自由な文章です。

実体験や思考をベースとしているのでリアリティがあり、共感しやすい面もあります。

小説との違いは創造か自分のことか、ということです。

実際に書こうとするならば、全てを創作して書く小説よりも、自分の思考や体験をもとに書くことが出来る随筆の方が書きやすいでしょう。

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