生活相談員を辞めたい!辛い現状や自信を持てなくなった時の対処法。

生活相談員とは、主に介護施設などで施設を利用する高齢者と家族の話に耳を傾けながら今後の暮らし方や施設の利用方法などについてのアドバイス業務をおこなう人のことを言います。

このように聞くと、「生活相談員はあくまでも相談役という立場であり介護要員ではないから、体力的にも比較的ラクそうだ」と考える人がいますが、それは大きな間違いです。

生活相談員の仕事はアドバイス業務に限ったことではありません。必要であれば身体介護に入ったり、施設を利用する高齢者の送迎をおこなったりと、その業務内容は多岐にわたります。

ですから、生活相談員というイメージだけで仕事を選んでしまうと、着任早々「辞めたい...」という気持ちがむくむくと膨らんできてしまうことも少なくないのです。

そこで今回は、生活相談員を長く続けられる人の特徴や、生活相談員の仕事のつらいところ、さらに生活相談員として自信が持てなくなってしまった時の対処法などについて解説していきます。

生活相談員を長く続けられる人とは?

生活相談員は施設を利用する高齢者やその家族がこの先どのように暮らしていきたいか、どのような介護の形を望んでいるかなどを細かに傾聴し、具体的なプランを設計する人のことを言います。

しかし、実際には生活相談員としての仕事よりも目の前の高齢者のケアや生活介助など「介護職員」としての役割を任されることも多々あるようです。

そのため、「生活相談員としての活動が思うようにできない、辞めたい...」と感じる人が増えているようです。もちろん逆のパターンもあります。

では、生活相談員として長く勤められる人とはどのようなタイプの人なのでしょうか。探っていくことにしましょう。

福祉・介護の仕事に誇りを持っている

福祉や介護の仕事に誇りを持っている、大きなやりがいを感じているという人は、生活相談員としても長く勤務できる可能性が高いタイプと言って良いでしょう。

かつては元気に生活していた人が年を重ねて体が不自由になり、介護者の手を借りなければ生活できない状態になることは、誰にでも起こり得ることです。

生活相談員になったことで、そうした大変な思いをしている高齢者の役に立てると思えばこそ、生活相談員として頑張ろうと思えるのでしょう。

傾聴スキルだけでなく、さまざまな視点からひとりの高齢者を取り巻く介護環境を冷静に見つめられる視点を持っていることも、生活相談員として仕事を続けられる人の条件なのかもしれません。

自分以外の誰かのために尽くすことができる

自分以外の誰かに一生懸命になれる、尽くすことができるという姿勢をもっていることも、生活相談員として活躍していくためには重要なポイントです。

生活相談員を辞めたいという人の多くは、「誰かのために何かしてあげたい」という気持ちは持っているけれど、いざ仕事になると「イメージと違った」「自分には向いていない」と言って職場を去っていきます。

その点、生活相談員としてキャリアを積み上げていける人というのは「いま目の前にいる高齢者が必要なケアをするためには何が必要なのか」ということを常に考えて行動できる人です。

施設を利用する高齢者とその家族が「笑顔でいるためにはどうすれば良いか」という視点を持てることは、生活相談員として大事な資質のひとつでしょう。

気持ちの切り替えが上手にできる

気持ちの切り替えが上手にできるというのも、「生活相談員を辞めたい...」という考えになりにくい人に共通する特徴です。

生活相談員のメインの仕事は「相談を受けて適切に対処する」ことですが、それ以外にも施設を利用する高齢者の身体ケアや送迎対応があるなど、その仕事量は膨大です。

だからこそ、上手に自分の気持ちを切り替えられることが重要になってきます。「いろいろな仕事を経験できてラッキー」くらいに考えていることも多いようです。

「逆にあれもこれもやらなければいけない...」と焦って自分を追い詰めてしまうタイプの人は、生活相談員の仕事を辞めたいと感じてしまう傾向にあるのかもしれません。

辞めたい人が続出?生活相談員の仕事のつらいところ

生活相談員の仕事は膨大で、ひととおりの仕事を覚える頃には「辞めたい...」という気持ちになっている人も少なくないようです。

それでは、生活相談員の仕事のつらいところはどんな部分なのか、具体的に見ていくことにしましょう。

「生活相談員」としての仕事はそれほど多くない

生活相談員の仕事がしたくてこの職に就いたという人は、実際に現場に配属されると、理想と現実のギャップに苦しむかもしれません。

というのも、生活相談員としての仕事はもちろんありますが、それよりも圧倒的に施設を利用している高齢者の身体ケアをしている時間が多いからです。

つまり「生活相談員としての仕事だけをメインにやっていきたい」というのは、常に人手不足の介護業界において、もしかすると不可能に近いことなのかもしれません。

ただ、あきらめずに探し続けていけば、生活相談員としての仕事を専門に扱うポジションでの求人が出る可能性もゼロではありません。

大変な仕事なのに給与の増額が見込めない

生活相談員の仕事は幅が広く、生活相談ができて資料作成ができて介護もできる、「介護施設の何でも屋」といった立ち位置になることも少なくありません。

しかし「生活相談員」という立場は変わりませんから、既定の給与以上の報酬を受け取ることはできないようです。夜勤などもある一般の介護職員に比べると給与が低いこともあると言います。

このように生活相談員は大変な仕事なのに給与の増額が見込めないという点も、「生活相談員を辞めたい」「仕事を変えたい...」と感じさせる原因なのでしょう。

いちばん分かりやすいモチベーションアップのポイントは給与の増額ですから、それが叶わないとなると、仕事への熱意が冷めてしまうこともあるかもしれません。

制度がコロコロ変わりそのたびに振り回される

介護保険制度は近年めざましいスピードで改革がおこなわれており、まだまだ未整備なところが目立つ制度であると言わざるを得ません。

介護保険の制度は3年ごとに見直され、介護報酬は5年ごとに改正される決まりです。ですから、制度がコロコロ変わり、生活相談員をはじめとした介護職員はその都度、制度に振り回されることになります。

このように、今後どうなっていくか分からない、安定した環境・賃金で働くことができない可能性があるというのは、生活相談員を辞めたいと感じる理由として十分です。

また、介護保険制度の変化にともない、会社の方針も少しずつ変わっていきますから、生活相談員としての仕事の幅がさらに変わっていくことも予想される点にも注意が必要になります。

「もう辞めたい...」生活相談員として自信が持てなくなった時の対処法

生活相談員として何とか頑張ってきたけれど、どうしても続けるのが難しい、もう辞めたい...と自分に自信が持てなくなってしまうこともあるでしょう。

では、「辞めたい、仕事を変えたい」と思い始めた時の上手な対処法・切り抜け方について考えていくことにしましょう。

理想とする生き方・今後のキャリアについて真剣に考えてみる

今後も生活相談員や介護職員として働いてスキルを積み重ねていきたいのか、生活相談員としてキャリアアップしていきたいのか、真剣に考えることで、辞めるか・現状維持するかを判断することができるでしょう。

いま持っているスキルを磨いていきたいのであれば、現職にとどまってさらなる経験を積んでいくことが大切ですし、生活相談員として活躍していきたいのであれば、別の施設に移ることも検討する必要があります。

このように、自分が理想とする生き方、今後のキャリア形成をどうするか、立ち止まって考えてみることは、自分自身を見つめ直す良いきっかけになるかもしれません。

これまで関わってきた人たちとの絆を思い出す

「生活相談員を辞めたい...」といってすぐに辞めてしまうのは簡単です。ただ、本当に退職を決めるのは、これまでにたどってきた道を振り返ってからでも遅くはないでしょう。

生活相談員になってから接してきた、施設を利用する高齢者とその家族とのかかわり、トラブルを解決してきた経験、たくさんの人々との間に生まれた絆など、あなたを成長させてくれたものがたくさんあるはずです。

そうしたことすべてをふまえて、「自分は本当に生活相談員の仕事を辞めてしまって良いのだろうか、後悔はないだろうか」と、自問自答してみましょう。

もしも生活相談員であり続けることに未練がないのであれば、その時はキッパリと「辞める」という選択をすると良いかもしれません。

「本当にこの仕事が好きなのか?」徹底的に考える

この先もずっと生活相談員として働いていく自信が持てない、辞めたいと思ってしまう時は、「自分は本当に生活相談員という仕事が好きなのかどうか」徹底的に考えてみましょう。

答えが出ない場合には、一時的に休暇を取り、いったん職場を離れてみるのもひとつの方法です。2日でも3日でも構いません、旅に出て自分の方向性を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

辞めたいと感じたら転職もアリ!生活相談員は誰にでも務まる仕事ではない

生活相談員を長く続けられる人の特徴や、生活相談員の仕事のつらいところ、さらに生活相談員として自信が持てなくなってしまった時の対処法などについて解説してきました。

生活相談員の仕事は見た目以上にハードになることが多く「辞めたい」と感じてしまう人が減らないのが現状であり、誰にでも務まる仕事ではありません。

ですから、「辞めたい」と感じたら、いさぎよく転職を視野に入れて行動を開始するのも悪くないでしょう。

生活相談員としてこれまで培ってきたコミュニケーションスキルやクレーム処理能力、事務処理能力などは、あらゆる仕事に応用可能です。ぜひ自分に自信をもってください。

この先、あなたの能力をフルに生かすことができる天職が見つかると良いですね。

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