幼児期の病気!知っておきたい危険な症状。

「子どもは病気をしながら大きくなっていく」ともいわれます。

そのとおり、どんな子どもも程度の違いはあれどみんな、熱を出したり、病気をもらったりしながらいつの間にか成長していくのです。

とはいっても中には緊急を要するものもあります。日頃から、お子さんの様子をよく見て、いつもと違うようなら休ませる、無理はさせない、などしながら対策してください。

受診を急ぐべき症状とは

外来診療をしていない休日や夜間の時間帯に「明日は仕事だから」などの理由で軽症患者が救急病院に来る、いわゆる「コンビニ受診」や、軽症の人が119番を気軽に利用することにより、救急車も重症患者の対応に遅れが出たりなどということがあります。

しかし以下の場合は救急車を呼びましょう。

呼吸が荒く苦しそうなとき

急性咽頭蓋炎の可能性があります。

細菌の感染が原因で咽頭の入口が真っ赤に腫れ上がり、短時間で窒息することもあります。

アナフィラキシーが疑われるとき

ハチに刺された場合は5~10分以内に、食べ物の場合は食後30分~1時間で症状が現れます。

じんましんや下痢、嘔吐、せき、ゼーゼーする呼吸音、呼吸困難、意識障害などの症状がみられます。

重度の脱水症状

下痢や嘔吐などで体の水分が大量に失われることによって起こります。けいれんがみられたらすぐに受診してください。

10分から30分の間隔で激しい腹痛を訴えるとき

腸重積症の可能性があります。腸の一部が同じ腸の中にもぐり込んで重なってしまう病気です。

イチゴジャム状の血便が出ることもあります。早期の処置が重要になり、発症から24時間以上経過して重なった部分の腸が壊死した場合は手術が必要になります。

原因不明の激しい腹痛

腹痛は緊急を要するものもあります。安易に様子を見ずに早めに受診した方がいいとされています。

痙攣が5分以上続いたり繰り返すとき

髄膜炎などの可能性があります。

痙攣が始まったら、嘔吐を伴うことがあるので、体を横向きにして、窒息を予防してください。口の中には何も入れないでください。

痙攣した際は、救急車を呼ばなかったとしても受診は必ずしてください。

陰嚢が赤く腫れて痛がり、激しく泣くとき

精巣捻転症の可能性があります。腹部と精巣をつなぐひも状の部分、「精索」がねじれる病気です。

6時間以内に処置しなければ精巣の機能が低下するおそれがあります。小さい子の場合は「お腹が痛い」と訴えることもあります。

迷った時は電話案内を利用しましょう

見極めが難しいときには「小児救急でんわ相談」を利用するといいです。

こちらは、休日、夜間などの子どもの病気にどう対処したらいいのか、病院の診察を受けた方がいいのかなど、判断に迷った時に、小児科医師・看護師への電話による相談ができるものです。

「♯8000」をプッシュすることにより、都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師から子どもの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられます。

救急車を呼ぶほどでなくても、受診を急いだ方がいい病気はあります。

そんな時は各自治体で提供している救急医療情報案内に電話し、タクシーなどで救急病院に向かってください。

急病やけがに備え、救急医療情報案内の電話番号やタクシー会社の電話番号など、すぐ使える状態で一覧にし、保険証や母子健康手帳と一緒に保存しておくと便利です。

救急病院の中では具合が悪いにも関わらず長時間待つこともあります。

座っているのもつらい症状の時は長椅子で横になれるように毛布やバスタオルを持って行ったり、お気に入りのぬいぐるみを抱かせて落ち着いて待つといいかもしれません。

仕事と子どもの病気

周りがみんな育児経験者で、声をかければ仕事を休ませてもらえる、そんな環境なら働きやすいのですが、そうではないところの方が多いのではないでしょうか。

病気に備えて、病児保育の登録をしておいたり、ベビーシッターや地域の育児サポートなどを利用できる場合は前もって申請しておきましょう。

また、病児保育は予約が多く、利用できるとは限らないことも知っておいてください。

育児・介護休業法では小学校就学前の始期に達するまでの子であれば1年間で5日の看護休暇を認めています(勤務期間6か月以内、週2日以内は対象外)。

企業は労働者が電話連絡でもそれを申し出れば、休暇の取得を断ることはできないとされています。

たとえそうであっても、職場の人たちに「すみません」と一言伝えましょう。

そして、子どもが成長したら、今度は自分が、職場の後輩が子どもの看病をできる環境を作ってあげましょう。

また、自分の子どもにも、ちゃんと教育しましょう。子どもが将来、仕事をしながら育児できる社会に貢献できるように。

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