【心肺停止】と【死亡】の意味と違い、使い分けや使い方

心肺停止とは「心臓および呼吸(肺の動き)が停止した状態」を指し、心音と呼吸の有無を確認できれば誰でも判断することが可能です。

一方の死亡とは「心肺停止状態(心停止・呼吸停止)に加え、脈拍停止と瞳孔散大の4つの判断基準をもとに医師、歯科医師のみが判断を下す医療行為」にあたります。

蘇生が可能である心肺停止に対し、処置を施しても身体機能が戻らない状態が死亡と言えます。

「心肺停止」の意味

心肺停止とは心臓及び呼吸(肺の動き)の両方が停止した状態で、交通事故などの外的要因を除くと心臓、もしくは肺のどちらかが先に活動を停止します。

心肺停止状態では心臓マッサージ、人工呼吸ならびにAED(自動体外式除細動器)を用いた速やかな処置によって、その後の救命率が50%にまで上がるとされています。

日本の報道では、自然災害や事故などにより医師が遺体に近づけない状態、また搬送中の遺体に関しても「心肺停止」と表現し報道していますが、海外では「死亡」と断定して報道されることも多々あり、日本独自の死生観を表しているとも言えます。

「死亡」の意味

心停止・呼吸停止・脈拍停止・瞳孔散大の4つの判断基準をもとに医師、歯科医師が宣言することによって、初めて死亡が確定します。

例外として、明らかに蘇生不可能な状態の社会死(ミイラ化や白骨化、胴体の切断や死斑の現れ)に関しては救急隊員が死亡の判断を下すことが可能です。

また相続の関係から行方不明者は7年、遭難や戦争など特殊な条件下で失踪し1年が経過した場合に限り、失踪宣告を行うことで法律上死亡と認定されます。

海外における「心肺停止」と「死亡」の使い方と用例

日本国内では前述の医師の判断をもとに「30代と40代の男性作業員2人が心肺停止の状態で見つかりました」「病院に運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました」などと段階的に表現されますが、海外では死亡した者や死亡されたと思われる者に対し、一般的に「die」や「pass away(消え去る)」、遺体に関しては「bodies」がよく使われます。

「cardiac arrest」は心臓停止の意味で、日本でいう心肺停止の際に医学関係者の間や報道で使われています。

心肺停止時における蘇生法の重要性

心肺蘇生法とは、心臓マッサージ、人工呼吸ならびにAED(自動体外式除細動器)を用いた救命法です。

心肺が停止した状態で4~5分経過すると、脳に血液が行き届かなくなり、脳死状態、また命が助かった場合でも身体に麻痺が残るなどの後遺症が残ります。

心肺蘇生法を行わない状態で1分経過すると10%もの救命率が下がると報告されています。

大切な命を救うためにも、日ごろから応急手当を学び、身に着けておくことが大切です。

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