倉庫に山積みにされた商品や工場内の重たい荷物を運ぶ際に役立つのがフォークリフトです。皆さんもどこかで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
そして、とても人が運ぶことができない大きな荷物を軽々と持ち上げて所定の場所まで運ぶことができる、フォークリフトを操る仕事があります。
「車の運転をするようにフォークリフトを運転できるようになったら楽しそう...」そうした気持ちでフォークリフトの仕事を始める人もいるようです。
しかし、車の運転が上手だからと言ってフォークリフトも乗りこなせるとは限りません。小型の車を走らせるのと、大きな重機を動かすのとでは感覚がまるで違うのです。
また、フォークリフトは扱い方を間違えると大きな事故につながる可能性もあり、「こんなにきつい仕事だとは思わなかった...」と、早期に仕事を辞めてしまう人も少なくありません。
そこで今回は、フォークリフトの仕事のきついところやフォークリフトの仕事に向かない人の特徴、加えてフォークリフトの仕事が精神的にきついと感じた時の対処法などについて色々な角度から解説していきます。
目次
「仕事がつらい...」が口ぐせに？フォークリフトの仕事のきついところ
オフィスにこもって1日中パソコンの画面を見ながら仕事をしていることに嫌気がさし、大きな重機を動かせるダイナミックな職業に就いてみたいということでフォークリフトの仕事を選ぶ人がいます。
また、小さな頃から大型の機械に憧れがあり、「いつか重機に乗って仕事をするのだ」という気持ちでフォークリフトが操縦できる仕事を選択した人もいるでしょう。
ところが、実際にフォークリフトの仕事を体験してみると、理想と現実のギャップから早々に「こんなにきつい仕事だとは思わなかった...」と言って辞めてしまう人も多いのです。
では、実際にフォークリフトの仕事を体験したことがある人が「きつい」と思うのはどんなところなのか、くわしく見ていくことにしましょう。
小さなミスが大事故につながることがある
フォークリフトの仕事でいちばん「きつい」と感じられるのはやはり、ほんの小さなミスが大事故につながる可能性があるということでしょう。
フォークリフトは大きな重機ですから、人に当ててしまえば人身事故・傷害事件に発展する可能性も考えられます。「うっかり操作をミスしてしまって...」という言い訳はできないのです。
また、フォークリフトの先端を商品にぶつけてしまった、傷をつけてしまったということになれば、やはり損害賠償などが発生してくることもあります。
手でおこなう作業とは違い、「人や物を傷つける可能性がある大型機械を操っているのだ」という自覚を常に持ち続けることができなければ、フォークリフトの仕事は務まらないでしょう。
仕事が単純すぎてきついこともある
「人に頭を下げてばかりの営業職に嫌気がさしてフォークリフトの免許を取得した」「大型の重機を操作する仕事をしてみたいと思っていた」という人がいますが、現実を肌で感じて早々に撤退していくことも少なくありません。
というのも、最初は「フォークリフトを運転できる」という新鮮な気持ちで業務を楽しめるのですが、次第に「仕事が単調でつまらない」と感じ始めることがあるのです。
製造ラインで部品をフォークリフトに乗せて運ぶだけ、完成した製品を別の場所に運ぶだけという単純作業の連続に、「仕事として難しいところはないけれど、退屈・単調すぎてきつい」という気持ちが芽生えてくるでしょう。
また、物流センターなど取り扱う商品数が膨大な場所ではテキパキ動かなければ時間をロスするばかりです。フォークリフトを運転する技術力も問われることになります。
このように、「フォークリフトを運転する」ということだけに魅力を感じて仕事を始めてしまうと、後になって「こんなはずではなかった、思っていた以上にきつい」ということになりかねないのです。
運転技術があっても大幅な給与アップは望めない
フォークリフトを操縦する仕事に就くためには免許が必要になり、内容的には技術職ということができます。そうは言っても、何か特別なスキルが必要な職種というわけではありません。
また、フォークリフトの免許自体は講習と実技試験をクリアすればＯＫ、最短で5日から取得可能と免許を取得するためのハードルがとても低い点もポイントです。
何度かフォークリフトを運転しているうちに、少しずつ操縦のコツはつかめるようになりますから、免許さえ取得できれば「誰にでもできる仕事」という考え方をされることもよくあります。
そのため、どれだけ勤続年数が長くなっても給与水準は低いままのことが多く、平均年収は250万円から400万円ほどであり、「このままではきつい...」と、感じる人が増え続けているのです。
続けるのは厳しい？フォークリフトの仕事に向かない人の特徴
フォークリフトの仕事を心から楽しめる・面白いと感じながら作業をすることができる人もいれば、そうでない人もたくさんいます。
希望を持ってフォークリフトの仕事を始めてみたけれど、思っていた以上に仕事の内容がきついということで、早期に仕事を辞めてしまう人は少なくありません。
それでは、フォークリフトの仕事に向かない・仕事を続けていくことが難しいと考えられる人の特徴について探ってみることにしましょう。
大ざっぱで細かい作業をするのが苦手
フォークリフトはとても大きな機械ですが、その操作には繊細さが要求されます。少しでも操作を誤ってしまうと大きな失敗・事故につながってしまうからです。
ですから、普段から大ざっぱな性格で、細かい作業をするのが苦手だという人は、フォークリフトの仕事が「きつい・つらい」と感じやすい傾向にあるようです。
逆に手先が器用で細かい作業も苦にならないというタイプであれば、フォークリフトの操作もよりスムーズに習得できるかもしれません。
コミュニケーションスキルが低い
フォークリフトの仕事というと、運転さえできれば良いのではないかと思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
フォークリフトを運転するのはひとりですが、作業指示を出す人などと連携をしながら作業を進めていくことになりますから、ある程度のコミュニケーションスキルが必要になってくるのです。
定期的に倉庫にやって来るトラックの運転手や検品担当者と業務に関する打ち合わせをするなど、さまざまな場面でいろいろな人とかかわる場面があります。
ですから、対人スキルに自信がない・周囲の人と協力し合いながら仕事を進めるスタイルは合わないと感じるタイプの人には、フォークリフトの仕事は「きつい」と思えるかもしれません。
仕事中ずっと緊張感を持ち続けられない
あなた自身がどれだけ「運転するのが好き」だと言っても、車の運転をするのと大型の重機・フォークリフトを運転するのとでは感覚がまったく異なります。
フォークリフトは狭い倉庫の中をいつも安全に注意を払いながら走行する必要があるのです。車道のように車専用の道路を走るわけではないので、常に危険がともないます。
たくさんの人や大きな荷物が行き交う中をフォークリフトを運転して通ることになるのですから、仕事中は緊張を強いられます。ですから、緊張の糸が切れやすい人には、フォークリフトの仕事はあまり向いていないと言えるでしょう。
フォークリフトの仕事が「精神的にきつい」と感じた時の対処法
大型の重機を繊細な感覚を持って動かし、常に緊張感と隣りあわせで作業することが求められるフォークリフトの仕事は、体力的にも精神的にもきつい仕事です。
だからこそ、上手に気持ちを切り替えて仕事をすることが大切であると言えます。それではここからは、フォークリフトの仕事がきついと感じた時の上手な対処法について考えていきましょう。
親しい友人と思いきり騒いでみる
フォークリフトの仕事は繊細さと緻密さを要求される仕事です。気持ちを張りつめて仕事をすることが必要になります。ですから時には、親しい友人と思いきり騒いで、張りつめた気持ちを解放してあげましょう。
友達と騒ぐのは苦手だという人は、周りが見えなくなるくらい自分の趣味に没頭してみるというのも良いかもしれません。仕事のことをすべて忘れて、自分だけの世界にどっぷりとつかり、日ごろの疲れを癒しましょう。
感動できる映画やドラマを見て涙を流す
感動できる映画やドラマを見て涙を流すというのも、緊張感の連続で疲れきった心と体からストレスを取り除くのに最適な方法のひとつです。
涙を流すことは気持ちをリラックスさせ、穏やかな気持ちに導いてくれます。疲れすぎて何もする気力が起きないという時は特におすすめです。
行ったことのない場所へ一人旅に出てみる
フォークリフトの仕事でへとへとになった心をリフレッシュするために、これまで訪れたことのない場所へ一人旅に出てみるというのも良いでしょう。
初めてみる風景や人々の流れなど、さまざまな刺激が仕事で疲れた気持ちをやさしく包み込んでくれるはずです。旅から帰ったら、また新たな気持ちでフォークリフトの仕事と向き合えるようになるでしょう。
フォークリフトの仕事はきつい！心身ともに苦しくなる前に自分に合った職場を見つけよう
フォークリフトの仕事のきついところやフォークリフトの仕事に向かない人の特徴、加えてフォークリフトの仕事が精神的にきついと感じた時の対処法などについて色々な角度から解説してきました。
フォークリフトの仕事は見た目以上に大変なことが多く、せっかく物流業界にいるのであれば、受発注や在庫管理、発送の指示出しをする責任ある立場になるほうが良いと考える人も少なくありません。
ですから、「フォークリフトの仕事をこのまま続けていくことはきついかもしれない...」と少しでも感じるような時には、心身ともに苦しくなる前に、自分に合った職場を見つけるべく、動き出すようにしましょう。
