皆さんは「医師事務作業補助者」という仕事があることをご存知ですか？病院で受付業務やレセプト業務などを主に担当する「医療事務」とは異なります。
医師事務作業補助者とは、別名「医療クラーク」とも呼ばれ、医師がおこなう業務を補佐するのが仕事です。診断書の作成をサポートしたり、電子カルテへの代行入力をしたりと、その作業内容は多岐にわたります。
「医師事務作業補助者」という専任のスタッフが配置されるようになった背景には、診察や手術、その他の業務に忙殺される医師の負担軽減や、よりスムーズな診療を目指すという目的があります。
しかし、医師事務作業補助者は医師専属のサポートスタッフということで苦労の多い仕事であると言われていることも事実です。「業務内容がきつい」「大変すぎる」と言って、数ヶ月で辞めてしまう人も少なくないと言います。
そこで今回は、医師事務作業補助者のきついところや仕事のやりがい、さらに医師事務作業補助者に向いていない人の特徴などについて、くわしく解説していきます。
目次
デメリットが知りたい！医師事務作業補助者のきついところ
医師の業務をサポートするという重要な役割を任されることになる医師事務作業補助者は、誰にでも務まるような簡単な仕事ではありません。
単純な事務仕事と違い、医師や看護師、患者様と密接に連携を取りながら業務をおこなう必要があるため、人間関係に苦労することが多いようです。
また、医師に代わって診断書やカルテなどに記載する業務などもあり、ミスが許されない仕事であるということも、医師事務作業補助者の業務が「きつい・つらい」と言われる理由のひとつです。
ではさっそく、医師事務作業補助者のどのような部分がきついのか、具体的に見ていくことにしましょう。
多くの人とかかわる仕事！人間力が試される
医師事務作業補助者の仕事は、自分ひとりで完結するものではありません。医師や看護師、患者様など、さまざまな人々と密接に連絡をとり、関わりあいながら仕事を進めていきます。
そのため、医師事務作業補助者は人間関係で苦労することが多い職業であるとも言えるでしょう。医師や看護師にもいろいろなタイプの人がいますから、人間力が試される仕事である言っても過言ではありません。
指示を的確に出してくれる医師もいれば、指示が分かりづらく「一緒に仕事をするのがきつい」と感じる医師もいるでしょう。それでも医師事務作業補助者は担当する医師を選ぶことができませんから、頑張るしかありません。
また、看護師にもさまざまな人柄・立場というものがあります。時には女性同士のいさかいに巻き込まれる可能性があるということも、覚悟しておく必要があるでしょう。
さらに医事課との連携、患者様の対応に苦慮する場合も考えておかねばなりません。このように、医師事務作業補助者として仕事をまっとうするためには、人とのつながりを大切にする姿勢が重要になってきます。
責任重大！ミスは許されない仕事
医師事務作業補助者の仕事の中には、多忙な医師に代わって診断書やカルテ、処方箋の記載をするという業務が含まれていますから、ミスは許されません。
また、現在は医師事務作業補助者を配置することによって医療報酬の請求が可能になっていることからも分かるように、医師事務作業補助者は想像以上にきつい・責任の重い仕事であると言えるでしょう。
このように、医師事務作業補助者という仕事は見た目以上にハードな業務であり、「あまりにも精神的な負担が大きすぎる」「体力的にもきつい」ということで早々に離職していく人も少なくないようです。
医師や看護師は多忙！スピーディーな対応が必須
医師の代わりに事務作業をおこなう医師事務作業補助者ですが、実は単純な事務作業であると思ったら大きな間違いです。「事務作業だから」と、安易な気持ちでトライすると、後悔することになりかねないので注意しましょう。
というのも、医師や看護師はとにかく多忙です。そうした人たちから次から次へと仕事を依頼されますから、医師事務作業補助者はスピーディーな対応が求められます。
作業の進行が遅れてしまうと、その日のうちに与えられた仕事を完了させることができず、多くのスタッフに迷惑をかけてしまうことになるのです。
ですから、医師事務作業補助者は「マイペースに仕事をこなす」ほうが性格的に合っているという人には、きつい仕事であると言わざるを得ないでしょう。
やりがいがある？医師事務作業補助者を続けていて良かったこと
人間関係に苦労する可能性があることや、ミスが許されない仕事であること、さらにスピーディーな対応が求められるという点などを見ると、医師事務作業補助者は相当きつい仕事であると感じられるでしょう。
もちろん、患者様の健康に直接かかわりが出てくる重要な業務ですから簡単な仕事ではありませんし、限られた時間の中で膨大な仕事をこなしていく覚悟を持つことが必要になります。
しかし、そんなデメリットだらけに見える医師事務作業補助者という仕事ですが、実は「やりがい」もあると言います。それでは、医師事務作業補助者として働くことの良さについて、くわしく見ていくことにしましょう。
患者様のサポート役になれる
医師と患者様のやり取りを間近に見ることになる医師事務作業補助者ですから、患者様の気持ちに寄り添った対応ができるようになります。
医師から様々な助言を受けた患者様に対して、「自分が力になれることはあるだろうか」と常に問いかけながら動くことによって、時には患者様からお褒めのお言葉をいただくこともあるようです。
もちろん、医師事務作業補助者は責任重大な仕事であり、きついことや大変なことは山ほどありますが、患者様の役に立ち、患者様から感謝されることに喜びを感じられる人であれば、患者様の良いサポート役になれるでしょう。
逆に、患者様の気持ちに寄り添えない、事務的なやりとりや口調に終始していては、感謝の言葉どころか、患者様を「もう二度とこの病院には来たくない！」という気持ちにさせてしまうかもしれません。
さまざま職種のスタッフと連携！コミュニケーション力がアップする
どちらかというと「きつい」イメージのある医師事務作業補助者という仕事ですが、実際に業務を始めてみると、さまざまな職種のスタッフとの連携が必要になることが分かってきます。
医師事務作業補助者は、一般的な事務仕事と違い、単独でもくもくと作業をするようなものではありません。先を見越して「次にどうすれば良いか」を周りの状況を見てつねに考えながら行動することが大切です。
このように、医師事務作業補助者は、他のスタッフと連携して業務を進めていくことが必須です。つまり、医師事務作業補助者を続けることによってコミュニケーション力の向上が期待できるのです。
「きつい！もう辞めたい...」医師事務作業補助者に向いていないのはこんな人
「きつい・もう辞めたい...」と、悩む人が増えているという医師事務作業補助者ですが、仕事に応募する前に、この業務に「向いていない」タイプかどうかを見極めることがとても重要です。
では、医師事務作業補助者に向いていないタイプとは、具体的にはどのような人のことを言うのでしょうか。深掘りして見ていくようにしましょう。
ミスや失敗を引きずってしまう
仕事にミスはつきものですが、いちいちミスや失敗を引きずっていたら仕事がなかなか進まなくなってしまうのが、医師事務作業補助者というポジションです。
医師や看護師から途切れなく仕事を依頼されますから、失敗するたびに落ち込んでいたらその日の仕事がいつまでたっても終わりません。
「失敗は成功の母」という言葉を信じて、ミスや失敗を必要以上に引きずらないことが、きついと評判の医師事務作業補助者という仕事をこなすためのポイントと言えるでしょう。
分からないことを「そのまま」にしてしまう
医師や看護師はとにかく多忙ですから、早口で仕事を依頼されたり、医療用語の連続で何を頼まれたのか理解できなくてきつい...ということもよくあるようです。
しかし、分からないことを「そのまま」にしてしまうことは失敗をまねくきっかけになります。「忙しそうだから質問しづらい...」と感じても、きちんと不明点をクリアしなければいけません。
不明点を残したまま仕事に取りかかってしまうと、結果的にミスや失敗が多くなり、医師や看護師に多大な迷惑をかけてしまうことになるからです。
「勉強しよう」という意欲がない
医師事務作業補助者という仕事に就いたからには、「仕事を与えられる」のを待っているだけではいけません。自分から「いま何ができるだろう？」と考えて、行動する姿勢が大切です。
不明な用語などは医療用語辞典などを活用して理解できるまで調べる、または医師や看護師に確認していくといった努力も必要になってきます。
このように、医師事務作業補助者として仕事をしていくと決めたのであれば、きついかもしれませんが、率先して「勉強しよう」という意欲がないと長続きしないでしょう。
仕事は正直きつい！精神的につらくなったら医師事務作用補助者を辞めてもいい
医師事務作業補助者のきついところや仕事のやりがい、さらに医師事務作業補助者に向いていない人の特徴などについて、くわしく解説してきました。
医師事務作業補助者は医師や看護師、患者様をはじめとした、さまざまな人々と連携を取りつつ進めていく作業です。専門用語が多く、人間関係に苦労することも少なくありません。
そのため、医師事務作業補助者の仕事はきついと言われるのです。これから医師事務作業補助者を目指そうという人は、自分が本当にこの仕事に向いているかどうか、しっかりと見極めておく必要があるでしょう。
ですから、精神的につらいと感じるようになった時には、医師事務作業補助者から別の仕事へのキャリアチェンジも視野に入れておくと良いでしょう。
